フォルクスワーゲン ティグアン 「未来感を強調したフォルクスワーゲンのアーバンSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

大音 安弘
大音 安弘(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
4
価格
4

未来感を強調したフォルクスワーゲンのアーバンSUV

2025.10.1

年式
2024年9月〜モデル
総評
7年ぶりに全面刷新を行い、3代目へと進化したティグアン。クルマの基本となるアーキテクチャーを最新世代「MQB evo」とし、ガソリン車はマイルドハイブリッド「eTSI」化、クリーンディーゼル「TDI」の復活など、見どころは多い。内外装デザインの質感向上に加え、デジタル機能も強化。その象徴となるのが大型タッチスクリーンを採用したインフォテイメントシステムで、IDAという新しいボイスアシスタント機能も備え、利便性も高めている。2世代目までは身近さも魅力だったティグアンだが、近年の価格帯ではプレミアム性が求められる領域に入ってきている。その点で新型は、ニーズに応える内外装の質感向上を図りつつ、伝統である装備面でのコストパフォーマンスの良さも受け継いでいる。ただし新機能にも課題はあり、例えばステアリングまわりに操作系を集約したことは評価できるが、シフトやワイパーの操作はもう一工夫が欲しい。また素性の良いクルマではあるが、弟分となるT-ROCやライバルと比べるとやや地味な印象が残るのも事実。プレミアム領域で輝くには、さらにわかりやすい演出も必要かもしれない。
満足している点
再びクリーンディーゼル「TDI」がカタログモデルに復活した点。サイズはほぼ据え置きながら、大きく見えるデザインに進化した。視界を妨げずに大型化したタッチスクリーン。ステアリングスイッチは再びメカ式となり、操作性が向上した。走行シーンに合わせて乗り味を大きく変化させる電制サスペンション「DCCプロ」。質感が高まったインテリア。エントリーグレードから充実した装備内容。
不満な点
好みが分かれるグリルレスのフロントマスク。ややクセのあるステアリングシフトレバー。ワイパーの調整操作性が低下した点。ナビゲーションシステムはやや使いにくい。もう一工夫ほしい「ドライビングエクスペリエンスコントロール」スイッチ。
デザイン

4

デザインも大きく変化させた新型ティグアン。よりSUVらしい筋肉質なスタイリングとなり、上級感も増した。ただし特徴のひとつであるグリルレスのフロントマスクは好みが分かれるだろう。よりすっきりとしたフロントマスクとなり、SUVにありがちな強面の顔ではなくなったことで親しみやすさが増した一方、SUVファンには物足りないかもしれない。内外装ともに質感の向上が感じられ、同時デビューのパサートに車格を近づけようとした点は評価できる。ただしダッシュボードとドアパネルに使われる模様入りのアンビエントライトは、やや安っぽく見える。コクピットデザインはシフトレバーレスとしたことで、フロントシートまわりの空間を広く見せている。
走行性能

5

安心感のあるしっかりとした走りは、ドイツ車を選ぶ満足感を与えてくれる。従来型からプラットフォームやパワートレインもアップデートされ、その効果を実感できる。特にエントリーとなるガソリン車はマイルドハイブリッド「eTSI」となり、燃費が向上しただけでなくガソリン車らしい軽快な走りも強まった。クリーンディーゼル「TDI」は、その力強さと4WDの組み合わせが魅力だが、その分高価になる。性能面ではeTSIでも不足はないため、4WDが必須でなければeTSIとTDIを比較検討することをおすすめしたい。オプションのDCCプロは乗り味を大きく変化させることができ、スポーツモードでは足まわりもしっかりと引き締められ、ハードなセッティングとなりスポーティな走りを楽しめる。ベースとなるコンフォートモードは万能な設定で、快適性と走行性のバランスが良い。余裕があれば、ぜひ装着したいアイテムだ。
乗り心地

5

新型となって快適性と静粛性も向上した。特に乗り味では、ボディ剛性の高さを活かして足まわりをしっかりと動かすことで、コンフォート性能もさらに高まっている。ミッドサイズSUVとして室内も広く、後席は足元を含め大人が快適に移動できる空間を確保する。フォルクスワーゲンの伝統である疲れにくいシートもしっかり健在だ。オプション装備となる「DCCプロ」のコンフォートモードは、乗り心地と走りの質のバランスが高く、おすすめできる。静粛性は高いものの、TDIではエンジンの低音を室内で感じる場面も多いため、その音が気になる場合はeTSIを中心に検討するのがよいだろう。
積載性

5

ミッドサイズSUVらしく、ゆとりあるラゲッジスペースを確保。標準時は652Lで、先代比32L拡大している。フロアボードはVW定番の調整式で、床下収納を確保できる仕様を継承。可倒式の後席を倒せば最大1650Lまで拡大可能だ。パワーテールゲートが標準装備となったのも使い勝手の向上点である。室内の小物入れの配置や数は従来型同等だが、シフトレバー廃止によりセンターコンソールの収納が拡大。ドリンクホルダーやスマホをワイヤレス充電できるトレイの使い勝手も向上した印象を受ける。
燃費

4

マイルドハイブリッドの1.5Lガソリンターボ「eTSI」のFFと、2.0Lディーゼルターボ「TDI」の4WDの2択となるティグアン。燃費はeTSIが15.6km/L、TDIが15.1km/Lでガソリン車が有利だ。これはTDIが4WDとなり、車重が150kg増えるためである。コスト面でもeTSIが有利。エンジン音もeTSIのほうが静かだ。ただし、人や荷物を満載する場面が多いなら、力強いTDIの走りに価値を見いだせるだろう。
価格

4

昔のイメージからするとティグアンも高価になった印象を受けるが、先代も徐々に価格が上昇していた。そのため最終型との価格差は小さく、フルモデルチェンジといえる進化内容を考えるとコストパフォーマンスは悪くない。VWのエンジン車のSUVでは最上位に位置するため、エントリーモデルから装備が充実している。エントリーグレードの「アクティブ」でも、SSDカーナビゲーションシステムをはじめ、スマートフォンワイヤレスチャージング、パワーテールゲート、ETC2.0車載器、ヘッドアップディスプレイ、スタートボタン付きキーレスシステム、前席シートヒーター、ステアリングヒーターなどを標準装備。先進安全運転支援機能も、高機能ライト関連を除けば全車同等の内容となっている。またモデル構成上、4WDとクリーンディーゼルエンジンがセットとなるため、いずれか一方のみを求めるユーザーには価格差が負担に感じられる可能性がある。
大音 安弘
大音 安弘
自動車ジャーナリスト
1980年生まれ、埼玉県出身。幼少からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿でのモットーは、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がけること。愛車はスバル「WRX STI(VAB)」やポルシェ「911(996)」など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
フォルクスワーゲン ティグアン 新型・現行モデル

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