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トヨタの量産FCVミライ、価格&スペックも発表

市販価格670万円、名前は「ミライ」

11月18日、トヨタの燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」が発表された。「ミライ」というモデル名は昨日(11月17日)に発表済みだが、本日の発表とともにオフィシャル画像やスペックが解禁となった。また、明日11月19日にはミライのテストコース試乗記をCV!でお届けする予定だ。ミライの販売開始は12月15日で、目標販売台数は2015年末までに約400台。販売店はトヨタ店とトヨペット店で、市販価格は670万円、8%消費税込みの価格は723万6000円となる。

一部報道によると、国の補助金は約200万円で、実質購入価格は520万円程度になるという予測もあるが、公式には発表されていない。とはいえ、現時点で使える水素ステーションは全国でわずか13ヶ所と、一般ユーザーの利用にはまだ遠く、基本的にはトヨタグループ内で実証実験的に消費されるという見方が濃厚だ。

主要部品はすべてトヨタの自社開発

水素燃料電池車は、高圧タンクに貯蔵した水素(H)と大気中の酸素(O)を燃料電池で化学反応させ、水素と酸素が結びついて水(H2O)になるときに、水素が触媒で活性化されて放出する電子を電気エネルギーとして取り出す。走行時に排出されるのは水だけなので、CO2や環境負荷物を排出しない高い環境性能を実現するほか、燃料の水素は、太陽光や風力発電の自然エネルギーを使った水の電気分解でも生産できるため、究極のクリーンエネルギーシステムとして期待されている。この発表の前日にはホンダが「FCVコンセプト」を発表するなど、燃料電池車開発がにわかに活況を呈しているのはご存知の通り。

ミライが搭載する燃料電池駆動システムの名前はトヨタフューエルセルシステム(TFCS)と名付けられた。コアとなるFCスタックは最高出力114kW、出力密度は同社従来比2.2倍の3.1kW/L。700気圧(70Mpa)の高圧水素タンクは約3分でフルチャージでき、航続距離はJC08モードで650km、最高速度は170km/h以上となっている。

また、従来は加湿器で制御していた電解質膜の保湿を、発電で生じる水を使った内部循環式として、世界初の加湿器レスを実現。FCスタック、FC昇圧コンバーター、高圧水素タンクなどの主要部品はトヨタの自社開発と気合が入っている。

FCVのイメージを市販車の完成度で実現

エクステリアは2013年の東京モーターショーで登場した「FCVコンセプト」を忠実に市販化したデザイン。全長4890×全幅1815×全高1535mm、ホイールベース2780mm。酸素の確保やFCシステム冷却を意識したフロントサイドの大開口グリル、LEDを片側4個並べた超薄型ヘッドランプ、ウォータードロップ(水滴)をイメージしたボディやキャビンが特徴的で、FCV車ならではの個性と量産モデルとしての完成度を兼ね備えている。

インテリアはシームレスな造形や表皮一体発泡工法によるフロントシート、浮かび上がるようなデザインのセンターメーターと4.2インチTFT液晶によるメーター表示、フラットパネル式のエアコン操作系、シート&ステアリング用ヒーターなど、近未来感や上質感を演出する装備が与えられる。乗車定員は4名で、トランクルームには9.5インチのゴルフバッグ3個の収納が可能だ。

<試乗レポートはこちら>

<スペック>

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