ボルボ&ポールスター、初のコンプリートカーに試乗
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:中野 英幸
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なによりもハンドリングである。最近この手のクルマでは電子制御がバリバリで、意図的に軽くもクイックにもできるが、S60&V60ポールスターはあくまでもナチュラル。低速でもかなりのハイスピードコーナーでも意図通りに曲がり、非常に安定している。ほとんどアンダーを感じさせず、常にニュートラルなフィーリングを保つのだ。この辺りの丹念な仕上げはライバルたるドイツ勢とも違うかもしれない。
このフィーリングの秘密は、ランボルギーニ・アヴェンタドールも採用しているデュアルフローバルブ式のオーリンズDFVというダンパー。高価だが性能が高く、前後30段階で硬さ調整ができ、今回リアシートでの乗り心地は多少の上下動が残ったがそれもチューニング次第で抑えられるとか。
またハルデックス式のAWDシステムも専用制御でコーナリング時にリアにトルクを多めに配分しており、タイヤもミシュランのパイロット・スーパー・スポーツのみ。非常にきめ細かく練り上げられた味の逸品なのだ。
聞けば、今後のボルボのメインエンジンたる2リッター直4ターボの「ドライブ-E」に関しても、ポールスターは開発から深く関わっており、既にレースにも出ているという。つまり、ボルボ&ポールスターは、単なるメーカーとレーシングチームのコラボ以上に密なパートナーとしてやっていくつもりなのだ。
S60&V60ポールスターもスウェーデンのトースランダ工場でノーマルモデルと一緒に生産され、保証および保守点検サービスの規定は全く同じ。それでいて50カ所以上も手を入れたスペシャルモデルだから、まさにイイとこ取り。ほぼ800万円のお値段にも納得なのだ。
昨年の東京モーターショーに出展したエレガントデザイン「コンセプト・クーペ」に始まり、先日発表された2世代目のXC90など、今までにない革新プレミアム路線を開拓しつつあるボルボ。今までにないこのスペシャルモデルも、そのブランド改革の一環なのである。今後、ボルボはもっとエレガントかつ味の濃いブランドを目指すのかもしれない。
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