新型コンチネンタルGTC、ベントレーブランド論も
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ベントレー モーターズ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ベントレー モーターズ ジャパン
今回、ベントレーの試乗記を書くにあたり、私はロールス・ロイスを知らずしてベントレーを語ることができないと考え、冒頭ではロールスの歴史にも触れた。
ベントレーの創業者であるウォルター・オーウェン・ベントレーは1919年にベントレー社を起業。自らもステアリングを握るレーシングドライバーとして活躍していた。ベントレーは1924年から5回もルマン24時間レースに優勝し、輝かしいスポーツカーの足跡を残している。その意味ではベントレーはロールス・ロイスとは明確に異なるDNAを持っており、高級にして最高のスポーツカーであり続けなければならない。
1920年代は欧州のモータースポーツカー黎明期であり、様々なレーシングカーや技術が生まれている。自動車の基本原理に関わる技術は30年代までに出尽くしたと言われているが、その多くはイギリスのものであった。ガソリン自動車を発明したのはドイツだが、トップレベルの技術を持っていたのはむしろイギリスだったのだ。しかし、イギリスの自動車産業界では戦後になっても生産設備が思うように更新されず、多種多様な量産化や改善による品質向上の面で遅れたことは否めない。これが経営をおびやかしたことが英国が誇る高級ブランドがドイツの自動車メーカーに買収された大きな要因だろう。
イギリスが高級車の分野で長けているもう一つの理由として、世界各地に植民地を持ち、木材や革などの最高の原材料を入手できる環境にあったことは、ドイツよりも有利であったに違いない。王室御用達を目論むことができたわけだ。
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