ポルシェ911の歴史とは異端のリアエンジンの弱点を克服することにある
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
しっかりとしたホールド感を持つドライバーズシートに腰を落とすと正面には8.5インチのTFTスクリーン、中央には10.9インチのタッチスクリーンがレイアウトされている。その下には中央にハザードスイッチなどが配置された5つのタンブラースイッチが並ぶが、はっきり言って即座に操作可能とは言い難い。
また、幅広のコンソール中央には8速PDKの小さなレバーが生えているが、これもその操作性に賛否が分かれそうだ。RNDのセレクトだけでPおよびM(マニュアル)はその後方のスイッチで操作する。シフトはもちろんステアリングパドルで操作できるが、その存在が中途半端な感じだ。
今回の試乗コース、スペインの田舎道はすれ違うのをためらうほど狭い区間が多く、ワイドになった911の取り回しにちょっと苦戦する。カタログ上ではわずか44mmとスマホの幅より小さい程度なのだが、991(現行型)のオーナーとしては気になった。逆にキャビンには余裕ができて、もはや「スポーツジャケットを着たような」という表現が似合わない。
最後にウエット・モードについて報告しておこう。前輪のホイールハウス内後方に置かれたアコースティックセンサーによってタイヤが巻き上げた水滴や雪、氷の粒などを検知して、スリップの可能性を予測し、メーター内にWETのウォーニングランプを点灯させる。
ドライバーがこの警告に従ってドライブモードスイッチをWETにセットすると、スロットルレスポンスが緩慢になり、トラクションコントロール(PTM)、スタビリティコントロール(PSM)が最適化、さらにスポイラーが最大のダウンフォースが得られる位置まで起き上がる。その結果ニュー911はウエット路面でも安全に走行することが可能になる。確かに特設のウエットコンディションコースでもこのシステムの効果が確認できたが、エントリー・モデルのボクスターやケイマンならともかく、スロットルワークがなんであるかを知る911ドライバーには必須とは言い難い。
ニュー911は日本でもすでに受注が始まっており、その価格はカレラSが1666万円、4Sが1772万円、さらにカブリオレはSが1891万円、4Sが1997万円となっている。デリバリーも夏までには始まるはずである。
最後に、911オーナーの間では「最良の911は最新の911」と言われているが、これまで何度か911を乗り継いだ私に言わせて貰えば「次の911が最良の911」と言い換えたいと思う。つまり911の進化は止まるところを知らないのだ。それは開発担当がアウグスト・アハライトナーからフランク・ヴァリザーにバトンタッチしても変わることのない「ネバーエンディングストーリー」なのである。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
ボルボ144 E 「スウェーデン製」と端々から伝わる 当時は最も堅牢な4気筒 人気小説家の愛車(1)
「一生モノ」の真面目なサルーン ボルボ144 E 走れる状態では英国唯一 人気小説家の愛車(2)
ホンダ「EVシフトは着実に進んでいく」推進する方針は変わらず 2040年で販売比率100%の達成を目指す
2024年F1第8戦モナコGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第8戦モナコGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
超高級! メルセデス・ベンツ新ブランド「ミトス」始動! 第1弾は“屋根なし窓なし”スーパーカー 限定250台「ピュアスポーツ」 世界初公開
角田裕毅、成長を実感した予選Q2のラストアタック「取り乱すことなく、冷静に終えられた」/F1インタビュー
なんかタイヤが浮いてない!? 高速で見かける謎のトラックは「高速料金節約」のためだった
深夜の「高速バス」でなかなか眠れないとき、あなたは何を考えているのだろうか?
愛車の履歴書──Vol38. 吉沢悠さん(前編)
【人とくるまのテクノロジー展2024】スズキ 牛糞からのバイオ・メタンガスを使った環境対応車を展示
岡本裕生、キャリア2勝目を獲得「攻め切った結果の勝利」/2024全日本ロード第3戦SUGO JSB1000 レース2
【ビンボー臭さゼロ】なVW製新型キャンパーの“デザイナーズ感”。日本メーカーも出してほしい
【買えないアルヴェル】横目に“500万円安+6人”で売れるレクサス「LM」が気にする兄弟の動向
【WRX S4ではありません!?】スバルが公開した謎の4ドアセダンの正体とは?【S耐富士24hレース】
【マツダが明言】本当だった次期「CX-5」計画! ハイブリッドはTHSのマツダチューン版が濃厚
キッカケは豊田会長の「走ってみない?」。マッチがS耐でレーサーに復帰したワケ【S耐富士24hレース】
【199万円!】大人気プチバン「シエンタ」の最安グレード“ガソリンのX”はアリかナシか?
近藤真彦参戦、弱点克服、夢のCO2回収装置…今年も水素カローラ進化が止まらない【S耐富士24hレース】
スズキ ハスラーに新スタイル「タフワイルド」登場! 通常モデルもアップデート&価格上昇も
PHEVで高性能なランボSUVの本命「ウルスSE」は3150万円。電動パワー+新デザインでお買い得