値上げと値下げが交差する輸入車マーケット
掲載 更新 carview!
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国産車が前年割れとなるなか、13カ月連続で前年を上回り、好調が続く海外メーカー製輸入乗用車。5月は2年連続で2万台を超え、軽を除く乗用車市場に占めるシェアは9.4%と、今年の単月シェアで最高となった。これまで200万~300万円台の小排気量モデルが売れ筋だったが、これに加え、高価格帯モデルにも動きが出てきたことが好調の要因だ。
5月単月としてはVWが過去最高を記録。販売台数的には「ポロ」が稼ぎ頭だが、昨年10月に投入した「up!」がポロを上回る売れ行きで、約8カ月で1万台を突破。さらに6月には「新型ゴルフ」の販売が始まるだけに、まだまだ伸びが期待できそうだ。またボルボも「V40シリーズ」が好調で、今年の販売目標、3500台をすでに消化。このため2カ月前倒しして、14年モデルが投入された。
ただ円安基調で推移するなか、輸入車インポーターの価格戦略に差が出てきたのも事実。5月1日からフォルクルワーゲングループジャパン(VGJ)がポロなど14車種25グレードを1万~13万円値上げ。プジョー・シトロエン・ジャポン(PCJ)も7月1日からプジョー、シトロエンの8車種20グレードを1万~5万円値上げを発表している。
その一方で、メルセデス・ベンツ日本は「Eクラス」のモデルチェンジで、装備を充実しながら主力グレードの価格を据え置き、「スマート」に価格を9万円引き下げたグレードを設定するなど、積極的な価格施策を展開。またVGJは新型ゴルフでは従来モデルに比べ、8万~13万円の値下げを実施。ともにモデルチェンジに合わせての価格戦略だけに、一概に比べにくい面もあるが、好調な輸入車市場といえども、価格競争必至といえる状況だ。
販売価格の上昇はユーザーには厳しいが、輸入車は特にメンテナンスサービス網の充実なども求められるだけに、価格だけが訴求対象になるとも限らない。PCJは年内に「プジョー208」の改良や「2008」の投入が予想されるが、どのような価格戦略をとるか注目だ。
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