BMW・135iクーペに試乗 野性味とジェントルと…
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:齋藤 正
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気をつけたいのは、高いギアで伸びのある加速を楽しんでいると、明確にお伝えできない速度域にいとも簡単に導かれてしまうことだ。もし、そうなったとしても走りの面で不安を感じることはまったくない。クローズされた場所で試したところ、135iは超高速域でもコンパクトなボディサイズからは想像もつかない安定性を示すことが確かめられた。直進時はステアリングが中立状態でシッカリと落ち着き、路面にうねりがあってもフラットな姿勢が保たれる。高速コーナーに進入する際にはステアリングに与える微少な舵角に対しても正確な反応が得られ、手応えの変化によってクルマがドライバーの期待通り、いや厳密に言えば絶妙な割合で期待以上に曲がっている実感が伝わってくる。それがまた刺激になるわけだ。
山岳路では、ステアリング操作のたびに得られる適度な刺激がより積極的な走りを促す。低中速コーナーなら、ステアリングを意図的に素早く大きめに切りこめばクルマがシュッと音を発しそうなほどの小気味よさで向きを変える。コンパクトなボディに3.0リッターの直6という大排気量エンジンを搭載していることに伴う、クルマのノーズの重さもまったく感じない。なぜかといえば、BMWは前後重量配分の最適化に徹底的にこだわっているからだ。135iもそれが51.6:48.4となり、ドライバーが乗車すれば50:50の前後重量配分が実現される。フロントが重すぎないだけではなく、同時にそれはリアタイヤが路面に強く踏ん張っていることも意味する。そのため、コーナーの立ち上がりでは路面にリアタイヤが強大なトルクを伝えていることが腰のすぐ後ろあたりで感じることができるのだ。
さらに、135iはブレーキの効きがバツグンだ。減速中にクルマが前のめり気味になり、リアタイヤの踏ん張りが損なわれることがないからだ。4輪で路面を踏ん張りながら、ボディ全体がグーッと沈み込むような感じで減速する。また、新たにフロントが6ポットでリアが2ポットとなる対向ピストン式キャリパーを持つブレーキを採用したことにより、ペダル操作に対してやはり絶妙な割合で期待以上の制動力が得られるだけに次のコーナーには思い切りよく飛び込んでみたくなる。
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