カイエンV6、素の味は ドイツ試乗会から報告
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ポルシェジャパン
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ポルシェジャパン
ポルシェがSUV? そんな戸惑いをよそに、2002年のデビュー直後から大ヒットを記録したカイエンは、ポルシェに莫大な利益をもたらすと同時に、景気の波に左右されやすいスポーツカービジネスへの依存度を低くし経営の安定化を図りたいという、彼らの悲願をも見事に達成してみせたエポックメーカーだ。
カイエンが成功した最大の理由を極端に単純化すれば、フェラーリと並びたつ世界でもっとも有名なスポーツカーメーカーがつくったSUVだったからということになるだろう。世界的に流行していたプレミアムSUVと伝統のポルシェバッジの組み合わせとなれば、心惹かれる人が大勢現れるのは不思議なことではない。
もちろん、それだけでは成功はおぼつかない。重要なのはカイエンに「さすがポルシェ」と思わせる部分がたくさん備わっていたことだ。誰がどう見てもポルシェに見える顔つき、圧倒的なパワースペック、驚愕のブレーキ性能……。これらはすべて、ポルシェ初の非スポーツカーであるカイエンを「なるほどこいつはポルシェのバッジを着けるに相応しいクルマだ」と認めさせるための方策だったのである。
そんなカイエンが8年ぶりにフルモデルチェンジし2世代目へと進化した。4.8リッターV8ターボ(500ps)を積むカイエン・ターボを頂点に、4.8リッターV8(400ps)のカイエンS、3.6リッターV6(300ps)のカイエンを揃えるラインナップは従来どおりだが、新たにアウディS4用の3.0リッター直噴V6スーパーチャージャーにハイブリッドを組み合わせたカイエンSハイブリッドも用意。さらには日本での発売は予定されていないもののディーゼル搭載モデルもラインナップする。
今回は、最量販モデルとなるV6搭載車をテキストに、新型カイエンの実力に迫っていこう。
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