ボルボV90 R-デザインに試乗。ラグジュアリー路線で乗り味は“超熟”に
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:中野 英幸
しかしボクがこのR-デザインに乗ってまず最初に感じたのは、意外にもその乗り心地の良さだった。
足下には20インチの大径タイヤを履き、フロントのコイルスプリングとリアのコンポジットリーフスプリング、そして直接縦バネには関係ないが前後スタビライザーを強化し、ノーマル比で50%の剛性アップを果たしたサスペンションを装着するにもかかわらず、突き上げ感やバネ下のバタつきがほぼ感じられない。まるでエアサスを装備したかのようにエアリーなライド感を持ちながら、低荷重領域でもハンドリングの追従性は高く、ステアするとその巨体をスッと曲げてくれる。
そしてそのフロントに搭載される直列4気筒の直噴ツインチャージャー T6が、これまたすこぶる気持ち良い。そもそもが82.0×93.2mmと、低速トルクに有利なロングストロークシリンダーを持つこの2リッターエンジンは、さらにスーパーチャージャーによって低中速トルクが増強され、2200-5400rpmという広範囲で400Nmもの最大トルクを発揮し続ける。だからタウンスピードから常用域にかけて4気筒エンジンを意識するのはその鼻先の軽さばかりと、メリットしか感じられない。
そして、そのアクセルをフラットアウトしたときにちょっとした感動が訪れる。トルクで押し切ったその先に、もうひと伸びシューンとした加速感が味わえるのである。その切替ポイントを意識することは難しいが、これこそがターボへとスイッチした瞬間なのだろう。
レブリミットは6000rpm手前と決して高回転型ではないが、リミットいっぱいまでサージングなくきっちり回しきってくれる精度の高さは、アウディと張る4発感。そしてパドルを弾けば次のギアへと瞬時にシフトされ、回転落ちしてもそこはトルクバンドの真っ直中。だから加速は鈍ることなく、8速ギアを駆使してどんどんと高みへ登って行くことができる。
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