3気筒エンジン専用アーキテクチャーでも消せなかったエンジン振動
新型コロナウイルスの影響で冷え込んだ市場でも売れている「トヨタ ヤリス」。2020年4月には1万119台を販売して登録車新車販売ランキングのトップとなっています。
ヤリスの魅力のひとつが燃費性能。ハイブリッドの燃費はWLTCモードで36.0km/Lと驚異的で、ガソリンエンジン車でも21.6km/Lと他社のハイブリッド並みの性能を誇っています。この省燃費性能には、新開発の1.5L 3気筒エンジンと、3気筒エンジン専用プラットフォームを組み合わせたトヨタの新世代アーキテクチャーが効いているのは間違いありません。
そんなヤリスですが、トヨタは国土交通省にリコールを届出しました。その内容は「停車中のアイドリング時の振動を二輪駆動車用スピードセンサが車速と誤検出して、異常判定することがある。その ため、警告灯が点灯し、VSC等が作動しなくなるおそれがある」というものです。
VSC(車両安定制御機能:横滑り防止装置)が作動しなくなるというのは、すぐさま事故につながるような重大なトラブルではありませんが、リセットが必要になりますし、横滑り防止装置は義務化デバイスですから、それがエラー状態というのは保安基準を満たしていないことになります。つまり、重大な問題としてリコールが必要なのは当然です。
余談ですが3気筒エンジンは振動などの面で乗り味を損なうという弱点もあります。新型エンジンはバランサーシャフトを採用してアイドリングでの振動を抑えていますが、そうした対策をしていても“アイドリング時の振動を二輪駆動車用スピードセンサが車速と誤検出”してしまったのです。
ヤリスは前述したように3気筒エンジン専用アーキテクチャーを採用しているのがアピールポイント。しかも、先代ヴィッツも1.0Lエンジン(こちらはダイハツが開発生産を担当)は3気筒だったので初めてというわけではありません。ちなみに、今回のリコール対象には1.0L車も含まれています。
というわけで、3気筒エンジンの振動に由来するリコールを出してしまったのは、3気筒エンジン専用アーキテクチャーとしては少々煮詰めが足りなかったといえるかもしれません。もちろん、リコールを出すこと自体は恥ずかしい話ではありませんし、こうして早々に対応したのですから問題はありません。
内燃機関を積むクルマにおいてレスシリンダー(気筒数を減らすこと)は世界的なトレンドで、フリクションロスも減らせて有利といわれています。しかし、トヨタをもってしても3気筒エンジンを御すのは難しいということを、今回のリコールは示しているのかもしれません。
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みんなのコメント
結局は、技術がなかっただけなんだなー。笑
ダサいメーカーだ。