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【2.0Lターボ級では最速】ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR、筑波アタック 現地レポート

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【2.0Lターボ級では最速】ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR、筑波アタック 現地レポート

筑波サーキット2000 アタックまでの経緯

text:Hiromune Sano(佐野弘宗)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)ルノー・メガーヌR.S.トロフィーRといえば、昨2019年4月に、独ニュルブルクリンク北コースでレコードタイムを塗り替えた「市販FF最速」のクルマである。

【画像】メガーヌR.S.トロフィーRとメガーヌR.S.トロフィー 見た目、どう違う?【比べる】 全114枚

同車はその後も、同社テストドライバーのロラン・ウルゴンの手で名だたるサーキット(日本の鈴鹿サーキットを含む)でタイムアタック行脚を展開してきた。

そんなトロフィーRが去る2月18日、筑波サーキット2000でタイムアタックをおこなった。

ただし、今回のアタックはあくまで日本法人であるルノー・ジャポン独自のもので、乗り手も日本人レーシングドライバーの谷口信輝選手である。

その目標タイムは1分2秒台。

昨年末、今回と同じ筑波サーキット2000で、ルノー・ジャポンと自動車誌とのタイアップ企画で1分3秒591を記録した谷口選手は、その手応えから「もう少しタイヤセットを増やして、タイヤウォーマーを使うなどすれば、2秒台もいけるかも!?」と発言。

それに気をよくした(?)ルノー・ジャポンが「だったら、やりましょう!」と実現してしまったのが、今回のアタック企画だという。

ちなみに、この筑波サーキット2000で1分2~3秒台というタイムは、駆動方式を問わず、2.0Lターボ級の市販車としては掛け値なしの最速タイムである。

当日、記録更新はならなかったものの……

……というわけで、その注目のタイムアタック結果だが、当日のベストタイムはずばり1分3秒984で、目標達成とはならなかった。

アタックした谷口選手によると、暖冬の影響か当日は2月としては気温が異例に高かったこと、しかも、前日夜に雨が降ったうえに当日も風が強かった……などの悪条件が重なってしまったのが原因という。

ただ、目標タイムには届かなかったものの、当日のベストラップ付近の1分4秒台前半をピタリと連発し続けるところに、トップドライバーの凄味とメガーヌR.S.トロフィーRというクルマの価値があらわれていたように思う。

実際、谷口選手も「普通はタイムを一発出したらタイヤがタレて、タイムがガタ落ちになるものですが、限界付近のタイムでずっと走れるのはスゴイ」と語る。

しつこいようだが、ツルシの2.0Lターボ級(メガーヌR.S.は1.8Lターボ)の市販車で、筑波を1分3~4秒台というのは間違いなく歴代最速といっていい。

これより速いタイムを記録している市販車は、それこそ日産GT-R級のスーパーカーしか存在しない。

レーシングドライバーが語るトロフィーR

ご存じの人も多いように、市販FF車の現ニュル・タイムホルダーのメガーヌR.S.トロフィーRは、300psを発揮するトロフィーをベースに、遮音材や後席はもちろん、ツインクラッチ変速機(EDC)や四輪操舵(4コントロール)など、メガーヌR.S.のアイデンティティ技術まですべてを取り去って、ベース比130kgものダイエットを敢行した限定サーキットスペシャルである。

トロフィーRの開発では、日本国内でのテスト時に協力もしたという谷口選手はこう話す。

「『トロフィーRは4コントロールを外す』と最初に聞いたときは驚きました。僕は『絶対にあったほうがいい』という意見でした」

「クルマの『走る/曲がる/止まる』のうち、4コントロールは『曲がる』に関しては大いに助けてくれます」

「でも軽さは『走る』と『止まる』ではメリットがあるので、あとは『曲がる』を開発陣が頑張ればいい」

「サーキットなどでも走りがナーバスになるのは事実ですが、300psのクルマにとって130kgは絶大。今回はトロフィーRでしか走りませんでしたが、トロフィーより速いのは明白です」

「サーキットでのタイム短縮という目的には、そのほうがアドバンテージが大きいという判断だったのでしょう」

4コントロールの有無 どう考えるか?

谷口選手によるアタックの後、そのトロフィーRそのものと、ベースとなったカタログモデルのトロフィーの2台を試乗する機会も設けられた。

130kgのダイエット効果は、筆者でも走り出した瞬間にわかる。

これまではトロフィーの動力性能に不足を感じたことはなかったが、アクセルを踏むと弾かれたように加速して、ブレーキを踏むと首根っこをつかまれたように減速するトロフィーRは格別である。

まあ、ブレーキ性能については、今回の試乗車が特大径ブレーキを備える「カーボンセラミックパック」だったことを差し引くにしても、この絶品の制動性能にはウエイトの軽さもかなり効いているはずだ。

良くも悪くも底が見えないグリップ感の4コントロールに対して、伝統的なシャシー構成のトロフィーRはキッカケを与えると即座にテールを振り出す。

ただ、今回のようにタイム不問で振り回して遊ぶだけなら、正直なところトロフィーRのほうが動きがわかりやすく、楽しめたのは事実。

トロフィーの4コントロールはそのぶん、自分で所有して秘めたる可能性をじっくり引き出す楽しみはありそうだ。

ただ、個人的にはトロフィーRにあらためて後席や快適装備、静粛対策を再架装した「トロフィーRツーリングパック」みたいなクルマがほしいと思った。

それはメガーヌR.S.の商品企画としては本末転倒もいいところなのだが……。

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みんなのコメント

5件
  • 世界中のサーキットでタイプRより速いって事は間違いなく世界最速のFFと言える。
  • 車を買い替えるとすれば、これよりシビックタイプRだなぁ。
    買い替えるつもりはないけれど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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