新たな合弁計画
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
【画像】ボルボXC40、Lynk & Co 03、ポールスター2【ジーリーホールディングのモデル】 全31枚
中国のジーリーホールディングの傘下にある、ボルボとジーリー・オートモービルの両社が合併を検討していることが明らかになった。
ボルボは、2010年以来、ジーリーホールディングの傘下に入っているが、経営統合ではなくパートナーとしての関係を維持しており、ボルボの新しいスピンオフブランドであるポールスターは、両社が共同で所有している。
ジーリーホールディングは、他にもロータス、リンク・アンド・コー(Lynk&Co)、プロトン、ロンドン・エレクトリック・ビークル・カンパニー(LEVC)などのブランドを所有している。
ボルボとジーリー・オートモービルは、この合弁が「経済的、技術的な相乗効果を生みます。その規模と知識、資源をもって、変革のただなかにある自動車産業のリーダーを目指します」と述べている。
今後も、ボルボ、ジーリー・オートモービル、リンク・アンド・コー、ポールスターの「独自のアイデンティティは維持します」と付け加えた。
両社は、ボルボのCEO、ホーカン・サミュエルソン率いる共同ワーキンググループを設立し、各取締役会への提案の準備を行っている。
ボルボの広報担当者は、年末を目標に新しいグループの設立準備を進めているという。
さらなる相乗効果
ジーリーホールディングの会長、リー・シューフーは、この合弁は「競争力と独自のブランドのポジショニングを維持しながら、グループ内にさらなる相乗効果をもたらす」と述べている。
両社は、すでにCMAおよびSPAプラットフォームを含む、テクノロジーの共有化を行っており、燃焼エンジン部門の統合過程にある。
スポークスマンは、この合弁により「電動化、コネクティビティ、自動運転などの新しい技術への投資」が可能になるだろうと付け加えた。
経営難に陥っていたボルボを、ジーリーホールディングがフォードから買収して以来、主にSUVの販売拡大により、ブランドは活性化され、販売台数の記録を更新している。
近年、ボルボは、20年以内に電動自動車のメーカーになるという目標を設定するなど、大胆な計画を打ち出している。
合併により両社は、技術開発と生産施設の共有化による恩恵をより多く受けることになるだろう。
ボルボは、ジーリー・オートモービルの中国工場へのアクセス権を得ることにより、生産能力を増やし、またジーリー・オートモービルは、ボルボからヨーロッパにおける拡販サポートを受けることができるようになる。
VWグループや、新たに合併したPSAグループとフィアット・クライスラーなどのジャイアントに対抗するためにも、この合弁は不可欠だろう。
新会社はまず、香港株式市場に上場、その後スウェーデンでも上場する予定となっている。
合弁会社の人事については、まだ明らかにされていない。
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みんなのコメント
やや心配なのは、ボルボが電動化に急いでいる事。
将来的には間違いない方向だけど、インフラ整備やバッテリー能力、顧客の増加が追いつくかどうか。
安全性を最優先して慎重に進めてほしい。