現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型GLEクーペのメルセデス AMGモデルに試乗! 最新高性能クーペSUVの力量はいかに

ここから本文です

新型GLEクーペのメルセデス AMGモデルに試乗! 最新高性能クーペSUVの力量はいかに

掲載 更新 1
新型GLEクーペのメルセデス AMGモデルに試乗! 最新高性能クーペSUVの力量はいかに

Mercedes-AMG GLE 53 4MATIC+ Coupe

メルセデス AMG GLE 53 4マティック+ クーペ

新型GLEクーペのメルセデス AMGモデルに試乗! 最新高性能クーペSUVの力量はいかに

電動化を果たして“EQ”ファミリーの一員へ

2019年8月に2代目へとフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ GLEクーペ。そのAMGモデル「GLE 53 4マティック+ クーペ」に、オーストリアの積雪地域にありウィンタースポーツの地として名高い町、インスブルックで試乗した。

先代GLEクーペのAMGモデルは「43」と「63」の2本立てだったが、新型では初の「53」シリーズが投入された。ポイントは「EQブースト」と呼ばれる電動化モデルであること。おそらく新型の63も少し遅れてラインナップに加わるはずだ。

先代は、ベースのGLEをスタイル重視でリデザインしたこともあり、ホイールベースは同一で、クーペのほうが長く幅広くなっていた。しかし新型ではよりダイナミクス性能を重視したため、GLEに比べてホイールベースを60mmも短縮している。ちなみに先代の63クーペのボディサイズが全長4920×全幅2015×全高1720mmなのに対して、新型の53は全長4961×全幅2018×全高1720mm(欧州仕様参考値)と、全長が40mmほど伸びた。先代比でホイールベースは20mm延長されており、そこは室内空間と先代比+40リットルという荷室空間の拡大に充当している。

「ハイ、メルセデス」のAI音声入力システムも

エクステリアの最大の特徴は、AMG GT譲りのパナメリカーナグリルだ。フロントエプロンやリヤディフューザーにはシルバークロームの加飾が施され、エキゾーストパイプは4本出しになる。試乗車はフロント275/45R21、リヤ315/40R21サイズのウィンタータイヤ、ピレリ・スコーピオンを装着していた。

インテリアは最新メルセデスのデザイントレンドに則っている。ドライバー正面のメーター部分とダッシュボード中央のモニターという、2つの12.3インチの高精細ワイドディスプレイを一体モノとした最新のデジタルコクピットだ。そこにはエンジン回転計を中央に配したグラフィックや、AMG専用のメニューが組み込まれている。

AIを使った音声入力システム「MBUX」ももちろん搭載している。フラットボトムタイプのAMG専用ステアリングには、右スポークの下にはドライブモード調整用のダイヤルが、左下にはダンパーと排気音を個別に切り替えるスイッチが備わっていた。

3.0リッター直6+過給+モーター

53シリーズのパワートレインのベースとなるのは、S 450が初採用したマイルドハイブリッドシステムだ。3.0リッター直列6気筒エンジン「M256」ユニットにスターターとオルタネーターを兼ねた、最高出力16kW、最大トルク250Nmを発揮するモーターの「ISG」(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と、48V電気システムを組み合わせている。

ISGをM256ユニットと9速ATの間に配置し、48V電気システムを使ってエンジンアシストを行う。またブレーキなどから得た回生エネルギーをバッテリーに蓄電しアシストに活用する仕組みとなっている。53シリーズでは、より大型化したターボシステムを組み合わせることで、エンジン単体での性能を最高出力435ps、最大トルク520Nmへと高めた。S 450比で最高出力68ps、最大トルクは20Nm向上している。

エンジン始動時はISGの恩恵もあって、とにかくスムーズ。右足にそっと力を込めるとアイドリングの回転域から約2.3トンを超える巨体が何の抵抗もなく動き出し、みるみると速度が高まる。発進時はモーターが、低速域を電動スーパーチャージャーがアシストし、さらにその先をターボチャージャーがサポートするというなんとも贅沢かつ制御の難しい機構となっているのだが、その切り替えをドライバーが意識させられることはない。ただただアクセルを踏んでいれば低回転から高回転域まで、どこまでも気持ちよく加速する。

さらに、ISGのモーターはトランスミッションのアシストも行い、シフトチェンジに要する時間を短縮。タイムラグのない切れ味のよい変速を可能にしている。0-100km/h加速は5.3秒、最高速度はリミッターで250km/hに制限されている。雪上がメインの今回の試乗ルートでは試すことは叶わなかったが、アウトバーンならあっという間に到達しそうだ。

ベースであるGLEとの明確な棲み分け

足まわりはAMG専用にチューニングされたAMG RIDE CONTROL+ エアサスペンションに、前後のスタビライザーに電子制御式のアクチュエーターを組み合わせたAMG ACTIVE RIDE CONTROLを組み合わせる。このシステムは、コーナリング時の車体のロールを低減するだけでなく、より操舵に対して正確なハンドリングを実現するものだ。さらに片側が圧雪路で片側が舗装路のような路面状況でも、エアサスだけでなくスタビライザーも瞬時に反応することで、直線走行時の乗り心地が向上するといった効果もある。

またホイールベース短縮の恩恵か、クーペの名にふさわしくベースのGLEを試乗した際に感じた「大きくて重心高の高いクルマ」という印象が明らかに軽減されている。スタイルだけでなく乗り味の棲み分けも明確化されていた。

2列目シートにも座ってみたが頭の揺れも少なく快適だった。唯一気になったのは排気音で、コンフォートモードでもわずかにこもり音が入ってくる。AMGとしては“らしさ”を演出するために音を作っているのだと思われるが、M256はそもそも静かさが売りのユニットであり、コンフォートモードでは静粛に、スポーツモードでは盛大に、そんな切り替えができればと思った。

ちなみに試乗会では3.0リッター直6ディーゼルの400 dや2.0リッターディーゼルとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドの350 deも用意されていたが、いずれも静粛性の高さが印象的だった。

日本での販売開始は2020年の予定

ドライブモードは、「コンフォート」、「スポーツ」、および「スポーツ+」の3つのモードを基本に、今回は使用する機会がなかったがオフロード用の「サンド」、「トレイル」、「スリッパリー」、そして「インディビデュアル」の7種類を取り揃えている。ダンパーの減衰特性は3段階、AMG専用に最適化された電動可変式ステアリングのアシスト量は2段階で調整が可能だった。

GLE 53 4マティック+ クーペは総じて、スポーツ性と快適性とをバランスさせるさじ加減が絶妙だと感じた。ダイナミクス面では、BMW X6をはじめランドローバー・レンジローバースポーツなどのライバルに比肩する性能を手に入れながらも、メルセデスらしい快適性を持ち合わせている。

日本の道には大きすぎると思わなくもないけれど、買えないものの遠吠えと言えなくもない。大きいからこそ得られるメリットは確実に存在する。日本価格はまだ発表されていないが、参考までに先代43の国内価格は1263万円、63 Sが1870万円だった。その中間あたりで、しかもより43に近いほうだと勝手に予想している。日本への導入は2020年を予定しているという。

REPORT/藤野太一 (Taichi FUJINO)

【SPECIFICATIONS】

メルセデス AMG GLE 53 4マティック+ クーペ(欧州仕様)

ボディサイズ:全長4961 全幅2018 全高1720mm

ホイールベース:2935mm

車両重量:未発表

エンジン:直列6気筒DOHCターボ

総排気量:2999cc

ボア×ストローク:83.0×92.3mm

エンジン最高出力:320kW(435hp)/6100rpm

エンジン最大トルク:520Nm/1800-5800rpm

モーター最高出力:16kW(22hp)

モーター最大トルク:250Nm

トランスミッション:9速AT

サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク

駆動方式:AWD

タイヤサイズ:前275/45R21 後315/40R21

【問い合わせ】

メルセデス・コール

TEL 0120-190-610

こんな記事も読まれています

スズキのコンパクトSUV「エスクード」国内販売が終了 新たな「グローバルSUV」投入に期待!
スズキのコンパクトSUV「エスクード」国内販売が終了 新たな「グローバルSUV」投入に期待!
くるまのニュース
スタイリッシュなスタイルと折りたたみ機構を採用 電動アシスト自転車「Refna WINDY」発売
スタイリッシュなスタイルと折りたたみ機構を採用 電動アシスト自転車「Refna WINDY」発売
バイクのニュース
アルファロメオ ジュリア/ステルヴィオ、限定車「ヴェローチェ スペリオーレ」発売
アルファロメオ ジュリア/ステルヴィオ、限定車「ヴェローチェ スペリオーレ」発売
レスポンス
GWにホンダ青山本社で「モーターサイクルショー」開催、新型車をじっくり見られる機会!
GWにホンダ青山本社で「モーターサイクルショー」開催、新型車をじっくり見られる機会!
モーサイ
ホンダN-VANがマイナーチェンジ。特別仕様車FUN「STYLE+ NATURE」を同時発売
ホンダN-VANがマイナーチェンジ。特別仕様車FUN「STYLE+ NATURE」を同時発売
カー・アンド・ドライバー
ランボルギーニの電動化第二弾は「ウルス」!フェイスリフトでPHEVになったウルスの全情報!
ランボルギーニの電動化第二弾は「ウルス」!フェイスリフトでPHEVになったウルスの全情報!
AutoBild Japan
トヨタが「新型モデル」世界初公開! クロスオーバー&SUV 2台同時に! 25年半ばまでに発売!? 「bZ3C」と「bZ3X」中国で登場
トヨタが「新型モデル」世界初公開! クロスオーバー&SUV 2台同時に! 25年半ばまでに発売!? 「bZ3C」と「bZ3X」中国で登場
くるまのニュース
フォーミュラEの改良型マシン『GEN3 EVO』が初公開。4輪駆動化と超高速充電対応で2025年デビュー
フォーミュラEの改良型マシン『GEN3 EVO』が初公開。4輪駆動化と超高速充電対応で2025年デビュー
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲンが次世代大型電動SUV『ID.CODE』を発表
フォルクスワーゲンが次世代大型電動SUV『ID.CODE』を発表
レスポンス
ホンダ ヴェゼルをマイナーチェンジし新グレードも設定
ホンダ ヴェゼルをマイナーチェンジし新グレードも設定
Auto Prove
最近、スズキのデザインが尖ってきたワケ「キーワードはGSX-R DNAとプラットフォーム」
最近、スズキのデザインが尖ってきたワケ「キーワードはGSX-R DNAとプラットフォーム」
モーサイ
鉄道はあれど重い荷物にはバスのほうがラクだが……運休!? 空港行きの高速バスで2024年問題を痛感した!
鉄道はあれど重い荷物にはバスのほうがラクだが……運休!? 空港行きの高速バスで2024年問題を痛感した!
WEB CARTOP
全長5m超えのトヨタ「大型バン」登場! 斬新“観音ドア&縦4灯テール”採用!? 特許庁が「新ハイエース」公表、反響は?
全長5m超えのトヨタ「大型バン」登場! 斬新“観音ドア&縦4灯テール”採用!? 特許庁が「新ハイエース」公表、反響は?
くるまのニュース
これ全部ベスパ!? 1万5000台による大パレードが行われたベスパワールドデイズ2024
これ全部ベスパ!? 1万5000台による大パレードが行われたベスパワールドデイズ2024
バイクのニュース
[カーオーディオ 逸品探究]実力ブランド「モレル」の最新ハイエンド機『イレイト カーボン』の魅力に迫る!
[カーオーディオ 逸品探究]実力ブランド「モレル」の最新ハイエンド機『イレイト カーボン』の魅力に迫る!
レスポンス
7代目フォルクスワーゲン パサートは中身の濃い変更が行われていた【10年ひと昔の新車】
7代目フォルクスワーゲン パサートは中身の濃い変更が行われていた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
決算期3月は乗用車全セグメントで前年実績割れ!SUVマーケットはどうなっている?(24年3月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
決算期3月は乗用車全セグメントで前年実績割れ!SUVマーケットはどうなっている?(24年3月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
カー・アンド・ドライバー
ホンダが新型「5ドアスポーツクーペ」を世界初公開! 流麗デザイン×斬新ハンドル採用! 25年内に登場予定の新型「GT コンセプト」 北京で初披露
ホンダが新型「5ドアスポーツクーペ」を世界初公開! 流麗デザイン×斬新ハンドル採用! 25年内に登場予定の新型「GT コンセプト」 北京で初披露
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • タイヤ太いなwww
    スタッドレスタイヤだけで何かの中古車が買えそう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1525.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

359.81578.0万円

中古車を検索
GLEクラス (クーペ)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1525.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

359.81578.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村