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レストモッド 至高の3台対決 アルファ vs ポルシェ vs ジェンセン 後編

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レストモッド 至高の3台対決 アルファ vs ポルシェ vs ジェンセン 後編

ポルシェ ライン選択は自由自在

インターセプターがその年齢を感じさせるのは思い切りスロットルを踏み込んだ時だけであり、その状態で素早くステアリングを切ると、このクルマはまるでボートのように大げさによろめいて見せる。

【画像】レストモッド 全8枚

もちろん、よりシャープなドライビングを楽しみたければ、調整式ダンパーを締め上げるとともに、リアにオプションのアンチロールバーを設置することも可能だ。しかし、ウェールズからのロングドライブでは、ジェンセンのロングツーリング性能とレザー張りのインテリア、そしてエアーコンディショナーの魅力に抗うことはできなかったのも事実だった。

公道における動力性能でアルファとジェンセンの間に位置することとなったのが911だった。この車両が創り出された目的は、可能な限りの実用性を備えた扱いやすいモデルにするということだが(インテリアは見事な仕上がりだ)、だからと言って決して退屈だという訳ではない。

極太のタイヤとワイドなリアフェンダーがこの上ない安定感をもたらすが、かつての911のように道路の起伏に合わせてノーズを上下させながら、ステアリングは常にドライバーの手の中で身もだえしつつ、路面の状況を伝え続ける。

アルファ同様、そのボディは非常にコンパクトに感じられるお陰で、ラインの選択も自由自在であり、レーンを逸脱する心配などまったくない。強力なグリップによってフロントはドライバーの意のままに向きを変え、ステアリングは徐々に重みを増していく。

レトロモッド お望みのままに

だが、もっとも驚いたのは中速コーナーで意図的に姿勢を乱そうとしなければ、このクルマにはまったく粗野なところなど見られないことであり、この911は見事にコーナーをクリアしていく。さらに、ブレーキも超一流であり、強固なペダルとリニアなレスポンスはGTA-Rさえ凌ぐほどだった。

物足りない点があるとすれば、それはこのクルマのエンジンだ。このクルマの後ろでは素晴らしいサウンドを楽しむことができるが、200psに満たないそのパワーには力不足を感じざるを得ない。

サーキットであれば、レッドライン近くまでエンジンを回すことでそうした不満も多少は改善されるかも知れないが、公道での低速からのレスポンスは決して力強いとは言えない一方で、時にむずかるような仕草を見せ、ヘアピンコーナーではアルファやジェンセンに簡単に引き離されてしまう。

だが、当然ながらエンジンに手を加えることで、力強さと扱いやすさを両立させることは可能であり、まさにそれこそがこの車両で次にやるべきことだろう。

そして、それがレストモッドの魅力でもある。基本的にベースとなる車両は真っ白なキャンバスのようなものであり、限界は想像力とセンス、そして予算だけだ。

もっとシャープなジェンセンが欲しい? まったく問題ない。

よりクイックで機動力に優れた911? もちろんだ。

エアコン付きのアルファ? 最高だろう。

ジェームス・ディスデール

各車のスペック

アルファホリックス GTA-R

この素晴らしいドライバーズカーにもっとも相応しいのはサーキットだが、公道でも十分に楽しめる。
価格:33万ポンド(4631万円)仕様により変動
エンジン:2.3L直列4気筒
パワー:243ps/7000rpm
トルク:27.7kg-m
ギアボックス:5速マニュアル
乾燥重量:830kg
0-100km/h加速:4.5秒(推定)
最高速:241km/h(推定)
燃費性能:na
CO2排出量:na

タットヒル・ポルシェ911 2.4E

魅力的で活気とキャラクターに溢れ、興味深いこのクラシックポルシェは、ドライバーを楽しませるのに時と場所を選ばない。
価格:25万ポンド(3508万円)仕様により変動
エンジン:2341cc水平対向6気筒
パワー:178ps/6200rpm(推定)
トルク:21.4kg-m/4500rpm(推定)
ギアボックス:5速マニュアル
乾燥重量:1075kg(推定)
0-100km/h加速:7.9秒
最高速:219km/h
燃費性能:8.9km/L(推定)
CO2排出量:na

JIAインターセプターR スーパーチャージド

巨大で荒々しく、一風変わった存在だが、日常を違ったものにしてくれるとともに、驚くべき速さを見せる。
価格:32万ポンド(4491万円)
エンジン6162cc V8スーパーチャージド
パワー:564ps/6100rpm
トルク:76.2kg-m/3800rpm
ギアボックス:6速オートマティック
乾燥重量:1600kg(推定)
0-100km/h加速:3.8秒
最高速:280km/h
燃費性能:6.0km/L(推定)
CO2排出量:na

番外編1:悪魔は細部に宿る

JIA ジェンセン・インターセプター

ベース車両:1973年式ジェンセン・インターセプター
ベース車両コスト:na
レストモディフィケーションコスト:32万ポンド(4491万円)
トータルコスト:32万ポンド(4491万円)

ボディシェルはショットブラスト処理された後、必要な溶接作業が行われ、交換用パネルが装着される。

インテリアはすべて取り外されたうえで、ブリッジ・オブ・ワイルのレザーで再トリムされ、オーダーメイドのダッシュボードとともに、スイッチ類や最新のインフォテインメントシステム、さらには新品のスミス製メーターが組み込まれる。

フロントサスペンションはオーバーホールを受けるとともにブッシュも新品へと交換され、ジオメトリーも再調整される。リアはライブアクスルに替えて、レートを上げたスプリングと調整式ダンパーを持つ独立懸架式へと変更される。

ホイールはキャストアロイかスリースポークのJIAオリジナルが選択可能だ。

エンジンは自然吸気のLS3かスーパーチャージャー付きLSAシボレーV8のいずれかを選ぶことができ、6速オートマティックギアボックス(新しい車両では8速となる)と組み合わされるとともに、レースロジック製トラクションコントロールとABS付きのAP製ブレーキが装着される。

総製作時間:3000時間

アルファホリックス GTA- R

ベース車両:アルファ・ロメオ105シリーズ・クーペ
ベース車両コスト:1万-3万ポンド(140万-420万円)
レストモディフィケーションコスト:31万ポンド(4350万円)
トータルコスト:32万-34万ポンド(4491万-4771万円)

アルファホリックスではオリジナルの状態を保った車両か、長年レストアなどを受けていない車両がベースとしては望ましいとしている。

ボディシェルのシーム部分は溶接され、12点式ロールケージが組み込まれるとともに、カーボンファイバー製のドアとボンネット、トランクリッドが組み合わされる。

75のアルミニウム製ツインカムエンジンは、2.3Lへとボアとストロークを拡大され、Motec製エンジンマネジメントシステムが装着される。

リアのライブアクスルはそのままだが、クロスレシオ化したギアボックスとリミテッドスリップディフェレンシャルにはアルファホリックス製パーツが組み込まれている。

フロントウィッシュボーンのアッパーアームはチタニウム製となり、調整式ガスショックとともに軽量スプリングも採用されている。

パワーステアリングはオプションだ。

総製作時間:3000時間

タットヒル・ポルシェ911 2.4E

ベース車両:1973年式ポルシェ911 2.4E(Eシリーズ)
ベース車両コスト:9万ポンド(1263万円)(推定)
レストモディフィケーションコスト:15万ポンド(2105万円)(推定)
トータルコスト:25万ポンド(3508万円)(推定)

ボディシェルは洗浄と再シールを行ったのち、再クローム処理と塗装が行われ、ワイドボディ化されている。

インテリアとトランクスペース、エンジンルームも再生と再トリムが行われ、コンペティションペダルボックスとシフト装置、ステアリングが取付けられた後、電子式エアーコンディショナーが追加設置される。

エンジンではキャブレターの再調整が行われ、新たなエグゾーストシステムが与えられており、低められレートを上げたトーションバー式サスペンションには、新たなダンパーとワイドホイールが組み合わされる。

さらに、ブレーキもレースグレードとなり、新品のマスターシリンダーが取付けられる。

総製作時間:1500時間

番外編2:(今回ご紹介した以外の)最高のレストモッドたち

イーグルEタイプ

間違いなくもっとも有名なレストモッドであり、ベースとなったのも世界一有名な車両の1台だ。

Eタイプとスピードスター、ロードラッグGTとスパイダーGTを選ぶことができ、いずれも素晴らしい仕上がりを見せるとともに、驚異的に高価なモデルでもあるが、見事なドライビング性能を発揮する。

MG LE50

MGBが見た目ほど運転して素晴らしいモデルであったことなどかつてなかったが、フロントライン・デベロップメンツによって生み出されたこのLE50は違う。

213psを発揮するマツダ製2.0Lエンジンに、6速マニュアルギアボックスとフル調整式サスペンションを組み合わせたこのクルマの価格は、6万5000ポンド(912万円)というものに留まっている。

ランチア・デルタ・フューチャリスタ

1980年代生まれというのはレストモッドに相応しい存在だろうか?

もしそうだとするなら、イタリアのコーチビルダー、アウトモビリ・アモスが創り出したこの335psを発揮するアルミニウムとカーボンファイバー製ボディを持つ3ドアのインテグラーレこそ、その先陣を切るに相応しい存在だろう。

わずか20台だけが生産されるこの車両の価格は、27万ポンド(3789万円)というものだ。

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