海外メンバー 富士スピードウェイをどう思う?
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
10月5~6日、2019~2020 FIA WEC第2戦が富士スピードウェイで行われた。TOYOTA GAZOO Racingが1/2フィニッシュを飾って幕を閉じた。
今回は世界8か国から24チーム、24か国のドライバーがエントリーした。
国際レースらしい華やかな雰囲気の中、パドック前には車両やパーツ類を運んできたコンテナがずらっと並び、大勢の海外チームのスタッフが作業をしていた。
プレスルームも海外から来た報道陣が半分以上を占めている。海外の人々から見た富士スピードウェイはどのような存在なのだろうか?
海外のプレス担当者に富士スピードウェイの印象と日本のファンについて聞いてみた。
ポルシェチーム 広報担当者 Roman Wittemeierさん
「人々はフレンドリーで、非常に効率的です」
「わたしたちドイツ人も同じく効率的で全てにルールがあるので日本人にはシンパシーを覚えアットホームな雰囲気を感じます」
「富士山が近い地理的条件も素敵でサーキットも非常に歴史があります。施設もよく、仕事をするのに最適で完璧な場所です」
「富士に来たのは初めてですが、10年以上モータースポーツのジャーナリストをやってきたので、別の角度からの富士を知っています」
「非常に長いストレートがあり、他のセクションも複雑でユニーク。まさに特別で魅力的。ドイツには『オシャースレーベン』(Oschersleben)という全く魅力がないサーキットがありますが、わたしは特徴あるサーキットが好きですね」
「ルマン、デイトナ、セブリングなど世界には歴史的なサーキットが多くありますが、富士もその1つ。中でもトップに位置すると思います」
「ホスピタリティも素晴らしく他のサーキットに比べたら完璧。アメリカの昔からあるサーキットで取材することもありますが、そこでは古めかしく狭い木造の小屋のようなメディアセンターで驚きました(笑)」
フェラーリチーム広報担当者 Luca Giraldiさん
「日本は非常に素晴らしい自動車文化を持っています。トヨタ、ホンダ、日産などの著名ブランドもすべて日本の会社です」
「日本人は自分の国にそれらの自動車メーカーが存在することを誇りに思うべきですね。この国に来ると違う場所、違う文化、違うアプローチを体験できるので本当に『凄い』と思います」
「富士は非常にテクニカルなサーキットです。レイアウトを見れば簡単に見えるが、実は異なるエアロダイナミクスを駆使して走る複雑なコースとなっています」
「ストレートも世界有数の長さで、後に続くカーブやコーナーも高い技術が必要。空力も非常に重要となっており、バランスが取れないと難しいです」
「わたしは13年以上この業界に携わって様々なサーキットへ行ってきたが、富士はメディアへの対応も非常に品質が良いです。よく日本での通信速度は遅いだとか、ローミングの費用が高いなど言われますが、ここのメディアセンターの通信環境は多くの人が接続しているが全く問題ないです」
「本当に完璧です。食事はそこのレストラン(オリヅル)で食べました。和風というよりも洋風のものを食べましたが、美味しかった」
「チームのメンバーも日本に来られることを非常に嬉しく思っています。日本には情熱的なファンが多くおり、今朝もわれわれのチームのために歌を歌ってくれて歓迎してくれました」
「サインを求める際も、そのドライバーがどんな人かを熟知している。言語の障壁があろうとも、日本人のファンは一生懸命ユニークな質問をしてくれます」
アストン マーティン モータースポーツ広報担当者 Simon Strangさん
「チームはいつも日本に来ることを楽しみにしています。ファンが非常に熱狂的で、FSW自体も非常に歴史があり雰囲気がすばらしいからです」
「そしてアストン マーティンとの相性もよく戦績をあげやすいことも大きな魅力。新しく投入しているヴァンテージGTEも昨年初めてポールポジションを獲得することができ、今年も続きました」
「ドライバーは富士を気に入っています。チームはさまざまなサーキットに行きますが、FSWは最後にかけてのスピーディーなカーブや連続するカーブが特徴的で、チャレンジング」
「そしてそれらに対応するためにも車のセッティングなどが重要となってきます」
「日本は初めてではない去年のWECも来た。大好きな場所です。日本は自分の歴史をよく理解しており、トラディショナルな面が残されています」
「日本に西洋人として来たときに、ここはまるで別世界だと感じます。人々は皆丁寧で食事も美味しく、常に何か新しいことを吸収できる。電車も恐ろしい精度で運行しています」
「今年は観光しないが、去年は富士山が綺麗に見えるスポットへ行きました」
「FSWのホスピタリティも、大変素晴らしい。言語の問題はあるが、みんな一生懸命コミュニケーションを取ろうとしてくれるのでわたしたちは大きな問題に遭遇したことはないですよ」
「サーキットはどこもクリーンで観客もスタッフもみなフレンドリー。素晴らしい。富士山自体もいつもは天候が悪くて隠れていることも多いのだが、今年は綺麗に見られたのでラッキーでした。
FIA WEC主催者はどう思っている? FIA WEC 広報担当者Fiona MILLERさん
「FSWは非常に素晴らしいサーキットで世界でも有数の長さを誇る約1.5kmのストレートをはじめ、実にチャレンジングなレイアウトでテクニックを持ってないと難しいです」
「富士山周辺とのことでいつも天気が晴れになるとは限りませんが、そこもまたチャレンジングな要素だと思います」
「わたしたちの視点からだと日本人は耐久レースに対して素晴らしい理解があります。特にメーカーとして参戦しているトヨタは盛り上げるのが上手で情熱的で熱狂的なファンがいつも集まってきます」
「FSWはホスピタリティも最高です。わたしたちは毎年、ここに来ることを嬉しく思いFSWの担当チームと協力して仕事が出来ること本当に楽しんでいます」
「彼らの仕事は効率よくそしてフレンドリーだ。一緒に仕事を始めてから8年経ち良好な仕事関係を築けています」
「彼らはわたしたちが何をしたいかを理解しており、わたしたちは彼らの仕事ぶりを理解している。みんなが仕事を楽しむ環境の中、WEC富士は開催されている」
「文化や食事など、さまざまな面で違うことがあるがそれもまた日本に来る楽しみの1つ。日本のどこでも人々はフレンドリー、みな笑顔で接してくれます」
「誰も日本に来て楽しまない人はいないと思う。それほど魅力的な場所だ」
「日本のモータースポーツはより国際的になっており、スーパーGTやスーパーフォーミュラなどのチャンピオンシップなどによって日本のモータースポーツ文化は強固なものとなっています」
「ルマン24hでもより多くの日本チームやドライバーが参戦して来ており、日本のモータースポーツ文化が盛り上がっているのが受け取れます」
「ところで昨日、寿司を食べに行きました。『はま寿司』というお店でした。格式ある店ではなくファストフードのようなものだとは思うが、それでも非常に美味しかった!」
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