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【試乗】ボルボファン待望! V70の正統な後継車V60のPHEVは死角なし

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【試乗】ボルボファン待望! V70の正統な後継車V60のPHEVは死角なし

 フロントはマイルドハイブリッド駆動でリヤはモーター駆動のAWD

 ボルボのプレミアム・ミッドサイズステーションワゴンであるV60のプラグインハイブリッド(PHEV)に試乗してきたのでリポートしよう。ボルボのステーションワゴンというと以前は「エステート」として1990年代半ばには850が大人気を博し、2000年前後にV70で2世代、3世代と進化していた。とくに850時代には「T—5R」というスポーティグレードをラインアップし、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシングチーム)がレースカーに仕立ててBTCC(イギリスツーリングカー選手権)に参戦し優勝を記録するなど話題となった。

安全神話だけじゃない? 世界的に見れば小メーカーのボルボが日本で伸びる理由とは

 そのボルボ・エステートの系譜を現代に引継いでいるのがV60なわけだが、今回紹介するのはスポーツモデルではなく環境性能に優れるPHVモデルである。ボルボはPHEVを「ツインエンジン」と呼び、他社と区別化している。さらにモデル名にT6、T8とパワーレベルに応じた識別記号を付けているのが特徴だ。今回試乗に供されたのはT6のインスプリクションモデルである。

 T6に採用されるパワートレインは、まず2リッター直列4気筒にターボ&スーパーチャージャーを装備し最高出力253馬力/6000rpm、最大トルク350N・m/1700~5000rpmを発生するガソリンエンジンをフロントに搭載。これにCISG(クランクマウンテッド インテグレーテッド スターター ジェネレーター)モーターを装着。いわゆるマイルドハイブリッド化している。CISGにより通常のスターターモーター(セルモーター)は不要となり、エンジンのパワーブースターとしても活用している。これに8速ATを連結しパワーマネージメントしながら前輪を駆動させている。

 一方、リヤアクスルには最高出力87馬力、最大トルク240N・mの電動駆動モーターを搭載。車体中央の通常ドライブシャフトが通るフロアトンネルに搭載される総電力量30Ahのリチウムイオンバッテリーから給電し125km/hまでピュアEVとして後輪を駆動させてもいる。これらをボルボが誇るSPA(スケアラブル プロダクト アーキテクチュア)プラットフォームに搭載しAWD(全輪駆動車)として構成しているのだ。

 運転席に乗り込むと最近のボルボ車らしく明るいツートーンカラーでハイセンスなデザインのインテリアに好印象を受ける。メーター内には速度計とエネルギーモニター、バッテリー残量などが示されるがエンジン回転計は表示されない。スタートスイッチボタンを捻ってシステムを起動する。ドライブセレクターは水晶様の美しい仕上げのレバーを採用。ブレーキを踏んでDレンジにセットすれば走行準備は完了だ。

 優れた重量バランスが軽快かつオンザレールのハンドリングを実現

 走り始めはEVとしてスムースに動きだし、市街地の流れに乗るのもラクだ。電動モーターのトルクの立ち上がりは力強く発進や加速時は特に頼もしく感じる。アクセルを全開にしなければそのままEVとして約30kmを走行できるという。速度も125km/hまでカバーしているので高速道路もEVのまま走れるわけだ。

 センターコンソールのドライブモードトグルスイッチを操作すれば「Pure」「Hybrid」「Individual」「Power」そして「Constant AWD」の5モードから選択可能だ。Hybridモードを選択すればエンジンも併用しながらの走行となるが、エンジン始動時のショックが小さく、遮音も優れていてエンジンの作動に気がつかないほうが多いだろう。

 Constant AWDは常にAWDとなり、雪道や雨天など低ミュー路走行時に積極的に選択すべきモードだ。さらにバッテリーセイブモードが別にありバッテリー残量を残してHV走行するとか、充電モードを選択すれば走行中はもちろん停止中でもエンジンを回して発電し充電することが可能だ。じつはこのT6ツインエンジンには充電システムとしてチャデモの急速充電に対応するジャックが装備されず、200Vの普通充電にのみ対応している。これはCISGによる積極充電を活用し、環境に優しく使い勝手上の不便も感じさせないという配慮の現れだ。

 サスペンションはボルボ特有の横置き配置のリーフスプリングをリヤに採用。約70kgの重量があるリヤモーターと車体中央の約113kgのバッテリー重量が良好な前後左右重量配分と低重心化を実現していて、ライントレース性に優れ安定していながらも軽快感のあるハンドリングフィールに仕上がっていた。

 ステーションワゴンとして非常に大きな容量の荷室を備え、後席の足もとスペースも驚くほど大きく室内は全席快適だ。セダンのS60も今後登場させられる予定で、今年もボルボから目が離せない状況が続きそうだ。

 ちなみにボルボは2019年以降に発売するすべてのボルボ車をMHV(マイルドハイブリッド)、PHEV、EVなど電動化する計画でICE(内燃機関)のみを搭載した車の歴史的な終焉になると発表していて、2021年までには5台のピュアEV を登場させるとしている。

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