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ニューモデル 2019.5.17

スポーツカー不人気と草食系男子、意外な関係 性能や価格アップも不振の原因?

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もくじ

ー 走行性能が実用的な上限に達してスポーツカーの役目は終わった!?
ー クルマの価格が上昇 セカンドカーでの所有、困難
ー 大人しい男の子が増えたからスポーツカーが売れない!?

    まったくもって復活を期待しないクルマ7選 あなたは何台知っている?

走行性能が実用的な上限に達してスポーツカーの役目は終わった!?

乗用車の動力性能が進化していた時代は、先端を走るカテゴリーとしてスポーツカーが注目された。ツインカムエンジンやターボも、スポーツカーに採用されて普及した。だからスポーツカーは「走る実験室」であった。

ところが1990年頃になると、平凡なセダンやハッチバックでも、不満のない性能を得られるようになった。スポーティなグレードであれば、峠道を楽しく走ることも可能だ。本格的なサーキット走行でもしない限り、スポーツカーを購入する機能的なニーズは薄れた。

またスポーツカーも、数値で表現できる実用性能は上限に達していた。進化の焦点が、乗り心地を含めた感覚とか味わいに移っている。クルマ好きにしてみれば、数値で示される性能よりも感覚や味わいが大切だが、一般的な興味は引きにくい。最近はスポーツカーの華やかなイメージが薄れてきた。

そして1990年代に入ると、日本ではミニバンや背の高いコンパクトカー、1993年登場の初代ワゴンRで始まった空間効率の優れた軽自動車が人気を集めていく。1994年には初代RAV4が発売され、前輪駆動ベースの都市型SUVも注目され始めた。

これらの新しいカテゴリーが登場すると、第二次世界大戦前から存在するスポーツカーは、旧態依然とした印象になって若い人達から敬遠され始めた。

クルマの価格が上昇 セカンドカーでの所有、困難

スポーツカーには2人乗りも多いから、ファミリーカーとしては使えない。そのためにスポーツカーは、セダンやミニバンを所有するユーザーが、セカンドカーとして購入することが多い。

まさに趣味のツールだが、最近は安全装備の充実や環境性能の向上により、クルマの価格が上昇した。

1990年頃は、初代ロードスターの標準車が170万円で、併用するファーストカーがレガシィツーリングワゴンと仮定して、2.0VZは205万5000円だった。このファースト/セカンドカーの合計価格は約375万円だ。

しかし今は、ロードスターSが255万4200円、レガシィアウトバックは329万4000円だから、合計額は約585万円に達する。

世帯当たりの平均所得は、今も1990年頃と同程度だが、クルマの価格は1.2~1.5倍になった。そうなるとユーザーは、愛車を乗り替える時に、クルマのサイズを小さくするしかない。そこで「ダウンサイジング」が進んだ。

よくいわれる環境意識の向上も嘘ではないが、小さな車種が売れ筋になった一番の理由は、クルマの価格高騰だ。この状況でスポーツカーを買うのは難しいだろう。

そこでコンパクトで割安なスポーツカーが求められるが、メーカーにとっては難しい。スポーツカーの売れ行きが下がった今、大量な販売を必要とする低価格車の開発にはリスクが伴うからだ。

その結果、スポーツカーが売れず、求めやすい価格の車種も減り、さらに売れ行きが下がる悪循環に陥った。

大人しい男の子が増えたからスポーツカーが売れない!?

スポーツカーの販売が低調になった背景には、グローバリゼーションもある。1990年頃のスポーツカーは国内市場に合わせていたが、今は海外に重点を置く。その結果、サイズが拡大して性能も向上したが、価格も高まった。フェアレディZ、GT-R、NSXはこの典型だ。

またレビン&トレノ、シルビア、プレリュードといったコンパクトなクーペは販売を終えた。ロードスター、86&BRZ、S660、コペンは健在だが、以前に比べると日本向けの車種が減っている。

スポーツカーが売れ行きを伸ばしにくい背景には、ユーザーの変化もあると思う。かつては一生懸命に働いてお金を稼ぎ、カッコイイスポーツカーを乗りまわすライフスタイルが注目された。価値観がバブル経済に沿って、消費にも積極的だった。背景には競争に勝ち、バリバリと台頭していく人生観があった。

ところが今は「クリスマスイブを彼女と夜景の美しいホテルで過ごす」みたいなのは流行らない。少し前には「家呑み」という宣伝も受けて、お酒を扱う飲食店の売れ行きがますます下がった。クルマのトレンドも、スポーツカーから子育てに適した軽自動車へ移っている。「草食男子」という表現の是非はともかく、消費を抑え、アットホームな方向に向かっている。

見方を変えると、これらはいずれもエコロジーに結び付く。最近のトレンドを「エコか、エコではないか」に分類すると、大半が前者に入るのだ。

例えば「eスポーツ」は、少ない電力消費でスポーツ(といえるのか疑問だが)を楽しめる。わざわざクルマなどで移動して、体力を使うのに比べると、エネルギー消費は大幅に少ない。

これはもはや、人間が変革しているのかも知れない。バブル経済期やそれ以前の生産、消費、移動に積極的なライフスタイルを持ち続ければ、化石燃料の消費量と二酸化炭素の排出量は増えるばかりだ。そこでいよいよ、自然の力が人間の消費行動にブレーキを掛け始めた。スポーツカーもそこに含まれるのではないか。

今から10年以上前だが、小学生の愚息を見ていて妙なことに気付いた。わたしが子どもの頃に比べると、自転車の稼働率が明らかに低い。愚息の友達も自転車にあまり乗っていない。土曜日や休日に街中を歩いても、子どもが友達同士で自転車に乗っている姿をほとんど見かけない(わたしが子どもの頃は、友達と自転車で出かける週末が待ち遠しくて仕方なかった)。

そこで愚息に「目的地を決めず、自転車で遠くまで遊びに行ったりしないのか」と尋ねると「自転車には乗っている。でも移動の道具だから、目的地を決めずに出かけることはない。友達も同じ」と返答されビックリした。自転車が移動の道具だったら、将来、バイクやスポーツカーを好きになる可能性はきわめて低いのではないか。

スポーツカーの売れ行きが下がった背景には、いろいろな理由や事柄が潜んでいるように思う。

個人的には、電動化、運転支援、自動運転が話題になるほど、単純に運転の楽しさを追い求めるスポーツカーが愛しくなる。そんなわたしは、変革に乗り遅れた古い人間なのかも知れない。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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