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桜咲く中で味わう「アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ」の世界【動画レポート】

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桜咲く中で味わう「アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ」の世界【動画レポート】

ASTON MARTIN DBS Superleggera

アストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ

桜咲く中で味わう「アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ」の世界【動画レポート】

スーパーGTとして位置づけされる、DBシリーズ最高峰

アストンマーティンは今、過去にない勢いでラインナップを拡大している。その方向性を定めたロードマップとなっているのが、現CEO兼会長のアンディー・パーマー氏が創立100周年をすでに迎えた同社の次なる100年にさらなる成功を導くために策定した「セカンド・センチュリー・プラン」。7年間のライフスパンで、7タイプのモデルを投入していくというそのプランの骨子は、きわめて戦略的であり、またそれらを見守る者を期待させる。

今からドライブするのは、そのセカンド・センチュリー・プランから3番目に誕生した、DB11、ヴァンテージに続いて誕生した「DBSスーパーレッジェーラ」だ。ちなみにこの各々をアストンマーティン流のポジショニングに置き換えると、DB11=GT(グランド・ツーリング)、ヴァンテージ=スポーツ、DBSスーパーレッジェーラ=スーパーGTという位置づけになる。すなわちDBSスーパーレッジェーラとは、DB11よりもさらに高性能なアストンマーティンのGTシリーズの頂点を極めるモデルとポジショニングすることが可能だ。それはDBSという称号が伝統とするものでもある。

725ps&900Nmを発するV12ツインターボ

カスタマーにとって最も気になるのは、DBSスーパーレッジェーラと前後してDB11のV12モデルとして誕生したAMRとの差別化だろう。搭載されるパワーユニットは、いずれも5.2リッターV型12気筒ツインターボで、最高出力&最大トルクは、DBSスーパーレッジェーラが725ps&900Nm。DB11AMRは639ps&700Nmと、その差は80ps&200Nm。ちなみにウエイトは、DBSスーパーレッジェーラの方がそのネーミングが示すとおり(スーパーレッジェーラとは、イタリア語で超軽量を意味する)、DB11 AMRに対して70kg強も軽量だから、すでにこの段階で両モデルの走りには絶対的な差があると客観的には感じる。

ワイド&ロースタイルはDBSならでは

日本で改めて見るDBSスーパーレッジェーラのボディは、DB11以上に低く、そしてワイドな佇まいを第一印象から感じさせる。スペックシートを見れば、DBSスーパーレッジェーラのトレッドは、フロントで10mm、リアで20mmほどDB11から拡大されていることが分かるが、フェンダーの造形から感じるアピアランスは、それ以上のものがある。フロントフェンダーに備わるルーバーは、スポーツカーのような派手な演出を嫌うこのモデルの中では、ボンネットの造形とともに強いアイキャッチとなっている。もちろん、それらには冷却を含めたエアロダイナミクスの向上という確かな機能がある。

高性能を誇るもインテリアはGTらしい仕立て

いつものように仕立ての良い、高級なスーツを身にまとったかのようなコクピットのDBS。インテリアのフィニッシュは、もちろんアストンマーティンによるひとつの作例にすぎず、カスタマーはほかの仕様を選択できるし、さらにインディビジュアル・プログラムとして用意される「Q by Aston Martin」を活用すれば、カスタマーの好みはさらに忠実に反映できる。リアにはプラス2シートが備わっているが、キャビンはやはりフロントのドライバー&パッセンジャーシートがメインのデザイン。ここに身を委ねるかぎりは、GTらしく長時間にわたる移動もまったく苦にはならない。

かつてのモデルが採用していた、クリスタル製のキーを差し込むという儀式こそなくなってしまったが、センターコンソール上のスイッチでドライブ等のポジションなどを選択するのは、すでにアストンマーティンのオーナーには十分に慣れた操作になった。

あくまでもスーパーGT!

まず試してみたのは、Dポジションでのオートマチック・シフト。フロントのV型12気筒エンジンに組み合わされるのは、重量配分を最適化するためにリアに搭載される8速ATのギアボックス。ステアリングホイールの左右には、パワーユニットとシャシーを別々にセッティングできるスイッチが備わっており、各々「GT」、「スポーツ」、「スポーツ・プラス」のモード選択ができる。Dポジションのオートマチックで、パワーユニット、シャシーのいずれもがGTというセッティングは、最もラグジュアリーな設定となる。

この設定が想像していた以上に良いのは、やはりDBSスーパーレッジェーラがスポーツカーではなく、スーパーGTであるがゆえなのだろう。新世代へと進化したアルミニウム接着構造によるシャシーの剛性感、フロントにダブルウイッシュボーン、リアにマルチリンクという伝統的なデザインを継承したサスペンションのしなやかな動き、そしてなにより、前で解説した前後トレッドの拡大がDBSスーパーレッジェーラの走りに魅力的な安定感を生み出している。

スポーツモードでも節度ある乗り心地

ドライブモードを一段スポーティな方向に移行させて、パワーユニットもシャシーも「スポーツ」を選ぶ。まず、その違いが最も明確に表れるのはシフトスケジュールで、Dレンジのオートマチックでドライブしていると、ブレーキングに応じてかなり積極的にシフトダウンを実行する。もちろん、DBSスーパーレッジェーラには、長めのシフトパドルが装備されているから、スポーツ、あるいはスポーツ・プラスといったモードを選ぶ時には、このパドルでマニュアル・シフトを行うほうが、より“マン・マシン”の一体感が楽しめるようになる。

前後ともに21インチ径というタイヤを装着しながら、スポーツ、スポーツ・プラスといったモードを試しても節度のある乗り心地に終始するのは、DBSスーパーレッジェーラのサスペンション・チューニングが素晴らしいからだろう。タイヤから入力されたショックをサスペンションとボディの剛性が、そして最終的には快適なシートが巧みに吸収してくれるからドライバーの疲れは最小限に抑えられる。

これが“スーパーGT”の世界なのか・・・。アストンマーティンの演出するスーパーGTの世界に初めて触れた者は、誰もがそう思うに違いない。

フロントに積まれるV12ツインターボエンジンは、最大トルクをわずかに1800rpmで発揮してしまうから、日常的なライフスタイルの中で、このスーパーGTでフルスロットルを必要とするようなシチュエーションに出会うようなことは稀だろう。いや、前方にトラフィックがないことを確認してから、意識的にアクセルペダルを踏み込まなければ、3.6秒という0→100km/h加速や、それに近いパフォーマンスを味わうことなど不可能に近いし、またそれを望む必要性さえ感じさせない。DBSスーパーレッジェーラというモデルは、常にジェントルでスムーズなドライビングを提供してくれるスーパーGTにほかならないのだ。

ドライバーが期待する通りに応える

2019年1月、東京オートサロンのために来日した、アストンマーティンでビークル・エンジニアリング・チームのトップを務める、マット・ベッカー氏にインタビューする機会を得た。話は多岐にわたったが、その中でも特に興味深かったのは、氏がコンセプトとする、優秀なビークル・エンジニアリングとは、カスタマーが期待するとおりの動きを実現することだ、というコメントだった。

DBSスーパーレッジェーラの走り、それはまさに走行中に違和感や不安とは無縁の、ドライバーが期待するとおりの動きを常に感じさせてくれるものだった。アストンマーティンのセカンド・センチュリーは今始まったばかりだが、それに大きな期待を抱いていいことを、このDBSスーパーレッジェーラは我々に伝えてくれているように思えてならない。

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

PHOTO & MOVIE/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

https://www.youtube.com/watch?v=1kSZ54WkDjE

【SPECIFICATIONS】

アストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ

ボディサイズ:全長4712 全幅1968 全高1280mm

ホイールベース:2805mm

トレッド:前1665 後1645mm

乾燥重量:1693kg

前後重量配分:51:49

エンジン:V型12気筒DOHCツインターボ

総排気量:5204cc

圧縮比:9.3

最高出力:533kW(725ps)/6500rpm

最大トルク:900Nm/1800 – 5000rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン(電動式)

サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセミラック)

ディスク径:前410 後360mm

タイヤサイズ:前265/35ZR21 後305/30ZR21

最高速度:340km/h

0 – 100km/h加速:3.4秒

CO2排出量(EU):285g/km

燃料消費料(EU複合):12.8L/100km

車両本体価格:3503万円(消費税8%込み)

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