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ニューモデル 2019.4.16

【1200km徹底取材】新型3シリーズが切り拓くBMW新時代はどっちだ!?

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1975年に産声を上げて以来、40年以上に渡ってスポーツセダン・カテゴリーを牽引してきたBMW3シリーズがついにフルモデルチェンジを果たした。新型はワイド&ローボディとしながらも約55kgの軽量化を実現したほか、日本初導入となる3眼カメラを使用した最新の運転支援システムを採用している。その性能を確かめるべく、上位グレードの330i Mスポーツで1200kmの旅に出た。REPORT◉高平高輝(TAKAHIRA Koki) PHOTO◉田村 弥(TAMURA Wataru)※本記事は『GENROQ』2019年4月号の記事を再編集・再構成したものです。

 左右一体型となったキドニーグリルや新形状のヘッドライトユニットの他にも、何かが違うと思ったら、グリルの奥のラジエーターコアやブレースバーが見えないことに気がついた。新型のラジエーターグリルには自動シャッターが備わり、必要な場合のみ開くようになっている。効率のためには冷やし過ぎないのが最新のトレンドだ。Mスポーツゆえにフロントバンパーやスポイラーの形状がアグレッシブだが、それを除けばこれまで通り、間違いなく3シリーズに見えるとはいえ、新しいG20型3シリーズは全体的にまた一段と立派に成長したようだ。

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 実際、ボディの外寸は全長が70mm伸びて、サイズは4715×1825×1430mmとなり、ホイールベースも40mm延長されて2850mmになっている。中でも注目は全幅である。ご存知のように従来型3シリーズは日本向けにドアハンドルの形状を工夫してまで1800mmに抑えていたが、今回の新型ではトレッド拡大の影響で明確にその枠を超えてきた。それでも、BMWとしては使い勝手を考慮したサイズだという。これでCクラスを逆転し、3シリーズのほうがわずかに大きくなった。


 外観以上に様変わりしたのがインストゥルメントである。全体的なインテリア配置は従来通りのBMW流だが、計器類はフルデジタルスクリーン(12.3インチ)にアナログメーターを映し出すタイプとなり、しかもその表示スタイルはBMWが長年こだわってきた円形ではなく、六角形を半分に割ったような左右のフレームが速度計と回転計に当てられ、真ん中のスペースはナビゲーションなどを表示するウインドウになっている。さらに回転計はプジョーのような反時計回り表示に変更されている。レブリミット付近が中央上部に位置するため、なるほどトップエンドを使う場合には見やすいかもしれないが、他はなかなか当初は馴染めず、たとえばオドメーターを呼び出すのさえまごついた。長年BMWに慣れ親しんだ人ほど、最初はちょっと戸惑うかもしれない。

 新型では運転支援システムも一新され、ウインドシールド上部の3眼式カメラとレーダーによって前方周囲の環境を検知する。走り出した当初にびっくりしたのは、車線に近づいた瞬間、グイッと引き戻す強力なアシストである。もちろん、設定を変更することはできるが、BMWはあえて律儀にレーンをキープする方針のようだ。とはいえ前走車への追従、車間コントロールのための自動ブレーキの作動具合などは滑らかで違和感がなく、一気に高速道路を駆ける今回のようなドライブでは大変楽ちんで役に立った。

 また「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」なる対話型インターフェイスが搭載されたのもトピックだ。これはメルセデスのMBUXのように自然言語で様々な機能をコントロールするシステムで、呼びかけのキーワードもドライバーが設定可能という。新機能が多すぎて色々と試す余裕はなかったが、少なくとも走行中にナビの目的地を設定する場合の音声認識の正確さは新型Aクラスよりも優れているのではないかと感じた。ちなみに「ヘッドライトを点けて」などという重要操作に関する呼びかけには「その操作には対応していません」とSiriのように若干冷たく答える。この種の呼びかけには無言を通すMBUXとは違った思想だが、BMW方式のほうが「発音が悪かったのか?」と悩まずにすみそうだ。



 新型3シリーズの日本仕様は今のところ320iが3車種、330iはMスポーツのみで計4車種設定されているが、エンジンはすべて2.0ℓ4気筒ターボとなる。その中で現状のトップモデルとなる330iMスポーツは同じB4B型2.0ℓ4気筒直噴ターボながら、320i用(184ps/300Nm)よりも格段に強力な258ps/400Nmを生み出す。基本的に従来型を踏襲したものだが、新型燃料ポンプを採用して燃料の噴射圧力を従来型の倍以上の350barに高めたほか、フリクションの低減、軽量クランクシャフト、熱管理の最適化など細部にわたって改良を加えたユニットで、パワーアップのみならず(従来比+6ps/+50Nm)当然ながら燃費も向上しているという。トランスミッションはスポーツタイプの8速ATである。

 事実、4気筒とは思えないほどスムーズにストレスフリーに回るうえ、静かである。淀みなく滑らかに湧き出るトルクは逞しく、さらに最近のダウンサイジングターボとは異なり、トップエンドまで回しても頭打ち感がなく、最後まできっちり使い切れるのが特徴的。330というモデルナンバーもあって、知らされなければ6気筒と勘違いしたままの人もいるのではないかと思う。そのぐらいパワフルさと洗練度を併せ持った、現状ベストな2.0ℓ4気筒と言えるだろう。ちなみに0→100km/h加速は5.8秒という。しかもMスポーツということで特に燃費走行はしなかったにもかかわらず、燃費も優秀だった。高速道路区間だけなら17km/ℓに届くうえ、市街地の渋滞や山道を含めて1200kmほどを走った総平均でも14.5km/ℓという実に立派な数字を記録した(車載コンピューターの数値)。燃料タンクは59ℓ入りというから東京~大阪無給油往復も現実的だ。



頑丈なスポーツシューズのように

 メルセデスやアウディがスポーティ志向を強めてBMWに寄せていることは衆目の一致するところだが、俊敏さを掲げる彼らとはBMWは依然としてちょっと方向性が違う。スタンダードモデルの乗り心地はむしろCクラスやA4よりも穏当であり、姿勢変化を無理矢理抑えるタイプでもなかった。ただし、この新型はMスポーツであり、明確にフラットで引き締められた足まわりを備えていたが、それについてはちょっと説明が必要だろう。

 ビシッというハーシュネスと無縁なことは言うまでもないが、ソリッドというよりは何だかモコモコした分厚いラバーソールのスニーカーを履いているような、ダイレクトではない感触がある。それでも接地感は十分で丸い小石を踏んだことが分かるようなインフォメーションは伝わるものの、路面が荒れた部分ではゴロゴロした感覚があるのはランフラットタイヤを履いているせいか、あるいはMスポーツ専用のサスペンションのせいなのか、ちょっと奇妙な感覚だ。

 Mスポーツは本来18インチが標準だが、この車にはオプションのファストトラック・パッケージ(28万3000円)が備わっており、タイヤは19インチサイズにアップ(ブリヂストン・トゥランザT005ランフラット)、さらに同パッケージにはアダプティブMサスペンションとMスポーツディファレンシャルが含まれている。BMWが言うところのドライビングパフォーマンスコントロールでモードを切り替えても基本的には同じであり、コンフォートやエコプロモードではもう少しソフトな設定でも問題ないと思うのだが、こういうところでスポーツ性を鮮明に主張したかったのかもしれない。



 もっとも、飛ばすと頑丈なスポーツシューズ感覚は実に頼もしい。BMWらしく、ステアリングレスポンスはピーキーすぎない。CクラスやA4のほうが初期応答は鋭く、敏捷であることを意識して強調しているようだが、BMWはそこまでスパスパ切れる回頭性を追求するのではなく、よりリニアな反応を重視している。コーナリング中にさらに切り込んだり、戻したりする場合でも正確なステアリングインフォメーションを伝えてくれるのが美点。

 どんな場合でもフロントタイヤを望む場所に置けるという自信が、道幅一杯を使う気にさせてくれる。しかもスポーツディファレンシャルの効果か、グイグイ路面を蹴り出すトラクションは強力で、もう「M」に近いのではないかと感じたほどだ。ひとつだけ注文をつけるならば、ステアリングホイールのリムはもう少し細いほうがリニアなコントロール性が際立つのではないかと思う。

 これでスタンダードシリーズのMスポーツなら、今後登場するであろうMパフォーマンスモデルや本当の「M3」はどのような性能を持つのか、と要らぬ心配(と期待)をしたくなるほどだが、同時により滑らかなはずの標準サスペンションも試してみたいと思う。色々と楽しみな新型3シリーズの登場である。

SPECIFICATIONS BMW 330i Mスポーツ
■ボディサイズ:全長4715×全幅1825×全高1430mm ホイールベース:2850mm
■車両重量:1630kg
■エンジン:直列4気筒DOHCツインターボ 総排気量:1998cc 最高出力:190kW(258㎰)/5000rpm 最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1550~4400rpm
■トランスミッション:8速AT
■駆動方式:RWD
■サスペンション形式:Ⓕダブルジョイントスプリングストラット Ⓡ5リンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ(リム幅):Ⓕ225/45R18(7.5J) Ⓡ255/40R18(8.5J)
■環境性能(JC08モード) 燃料消費率:15.7km/ℓ
■車両本体価格:632万円 

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(MotorFan GENROQ編集部)

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