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ニューモデル 2019.1.8

アルファ・ロメオ 後輪駆動へ回帰 「操舵の王者」奪還へ 技術詳細を解説

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もくじ

ー 正確なハンドリングでふたたびクラストップに
ー 1 トルクベクタリング/リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)
ー 2 ブレーキ・バイ・ワイヤ
ー 3 オンデマンド式四輪駆動システム「Q4」
ー 4 独自の「アルファ・リンク」サスペンション

    アルファ・ロメオ、大型SUV/ジュリア・クーペ導入へ ハイブリッドも

正確なハンドリングでふたたびクラストップに

セダンのジュリア、そしてSUVのステルヴィオ。いずれも、すぐれた正確なハンドリングでふたたびクラストップに君臨すべく、アルファ・ロメオが世に送りだした肝入りのモデルだ。

両車の登場よりこの方、その白紙新設計されたシャシー技術の詳細は公にされてこなかった。だが、最近になってようやく興味深い全貌があきらかとなったので、ここでお伝えしよう。

1 トルクベクタリング/リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)

新設計シャシーの構成要素のうち、駆動系には2種類の後輪用ディファレンシャルが用意される。

ひとつは在来の機械式LSD、もうひとつはトルクベクタリング機能を与えられた左右それぞれ1組の電子制御クラッチだ。

トルクベクタリング、すなわちコーナーで外側の駆動輪により大きなトルクを配分することでアンダーステアは17%低減し、横方向加速度は4%増加するとともに機敏さは2割増になるという。

また逆に、ドライバーの行きすぎた操作に対して車両を安定方向へむける働きももつ。

英国では、機械式LSDは両モデルのパフォーマンス・パックにふくまれる。トルクベクタリング電子制御クラッチは510ps後輪駆動のジュリア・クアドリフォリオに「Q2」システムとして、また四輪駆動のステルヴィオ・クアドリフォリオに「Q4」としてそれぞれ標準装備となる。

2 ブレーキ・バイ・ワイヤ

アルファは新開発のインテリジェント・ブレーキング・システム(IBS)として、コンチネンタル製のブレーキ・バイ・ワイヤシステム「MKC1」を世界ではじめて採用した。

ブレンボ製キャリパーそのものは従来の油圧作動だが、異なるのははじめの工程だ。ブレーキペダルが直接油圧マスターシリンダーを動かす従来の方式に対し、こちらはペダル踏力がまず油圧の変化として電子制御ユニット(ECU)に送られるしくみだ。

従来のシステムでは1輪あたり10kgの重量となっていたのが、6kgの単一ユニットで済むうえに占有空間も小さくなる。

またペダルの操作感も、ブレーキ温度がどれだけ上昇しようと一貫してしっかりと保たれる。つまり、サーキット走行でもスポンジーにならないということだ。

標準のキャリパーはフロントが4ピストンのアルミ製、リアが単一ピストンの鋳鉄製だ。クアドリフォリオについては、走行試験調整担当のフェデリコ・ランガレッリ・セラーニがいう「平日の通勤も、週末のサーキット走行も両方満足できる設計」を反映して、リアも4ピストンのアルミ製となる。

フロントが6ピストンとなる4輪カーボンセラミック(CCM)ディスクブレーキもオプションで用意される。こちらは1輪あたり5kgも軽量なうえ、制動力/耐フェード性も飛躍的に向上する。

3 オンデマンド式四輪駆動システム「Q4」

アルファ・ロメオはマグナ・パワートレインと共同で独自のオンデマンド式四輪駆動システム「Q4」を開発した。これは英国ではステルヴィオにのみ用意される。

Q4の設計責任者アレッサンドロ・アヴァッローネは「Q4は性能を追求したシステムで、通常は後輪へすべてのトルクを伝えます。後輪駆動とおなじ感覚で運転できることはもとより、燃費にも有利です」と語る。

システムの鍵となるのは、前後にトルクを振り分ける湿式多板クラッチのアクティブ・トランスファー・ケース(ATC)だ。フロントデフは11kgと軽量小型で、システム全体でも重量は50kgに満たないという。

システムの作動を電子制御するシャシー・ドメイン・コントロールが、ヨーレート/車輪回転速度/舵角/スロットル開度を監視する。

その指示をうけるトランスファー内のクラッチは、150ms以内に最大122.4kg-mのトルクを前輪へ振り向ける能力をもつ。実際の分配量はそれこそアヴァッローネのいう「心拍数の変化なみ」に緻密に調節され、駆動力のバランスを保つ。

リアの減速比はフロントよりわずかに低く、機械的トルク配分が標準でリア優勢となるよう設定されている。

間にはさまれたクラッチの熱負荷が懸念されるところだが、アヴァッローネによると「熱対策はじゅうぶんに施しています」とのことだから、オーバーヒートなど気にせず思う存分オーバーステアを楽しめそうだ。

4 独自の「アルファ・リンク」サスペンション

主任設計者フィリッポ・エピファーニが「完全にジュリアとステルヴィオ専用です」と胸を張るシャシーは、軽量に仕上がっている。「何の制約もなく、思いのままに設計できました。まず性能を最優先にサスペンションを設計して、そのまわりに他の構成要素を付けていったというところです」

その結果、部品の45%がアルミ製となった。

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーンの1種だが、細部に特徴がある。三角形のアッパーアームはちょうど片手で反対側の肩をつかんだときの腕のような形状で、その肘にあたるところにハブキャリアとの接合部がある。

前後分割式のロアアームは、転舵時にはハサミのようにたがいに交差する軌跡をとる。エピファーニはこの変わった動きについて「キャスタートレイルを一定にたもてるため、リニアで漸進的な操舵感が得られる」と説明している。

リアはいわゆるマルチリンク式で、スパンを大きくとったアルミ製の中空ロアアームと、ストローク時のアライメント変化を最小限におさえる設計のアッパーアームで構成される。

またインテグラル・リンクの採用によって、乗り心地や後席居住性の向上につながる車体前後方向の空間設計における自由度が高まるとともに、コーナリング時のじゅうぶんな横剛性も確保できたという。

前後の重量配分をなるべく50:50に近づける配慮はリアのサブフレームにもあらわれ、ステルヴィオのアルミ製に対してより車重の軽いジュリアでは鋼鉄製とされている。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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