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ニューモデル 2018.12.7

ベントレー・ミュルザンヌ・スピード2019年モデルに試乗 新車の「クラシカル」

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もくじ

どんなクルマ?
ー ポルシェよりフェラーリより先輩格

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どんな感じ?
ー 触る、車内で過ごすだけでテイスティ
ー 飛行機か船のような巡航&旋回感覚

「買い」か?
ー 新車で味わえる「クラシカル」

スペック
ー ベントレー・ミュルザンヌ・スピードのスペック

どんなクルマ?

ポルシェよりフェラーリより先輩格

日本でのデビューは2010年。ユーロ6やポスト新長期規制といった型式認証の厳しさ増す時代に、まだ6.75ℓのV8ツインターボが新車として生き残っている、まずその事実に驚いた。

それがこのベントレー・ミュルザンヌ・スピードだ。

「ミュルサンヌ」はル・マンの南郊外の小村で、昔日のル・マン24時間で4kmにも及んだ伝説のストレート、ユノディエールの終わりとなるかのコーナーなかりせば、およそその名が知れ渡ることもなかっただろう。

アルナージの由来となった「アルナージュ」はその隣村で、かつて兄弟ブランドだったロールス・ロイスがコーニッシュやカマルグといった南仏寄りのネーミングを好んだことを思えば、ベントレーがル・マンでの戦績と伝統にいかに大切にしているか、うかがえるはずだ。

戦前に5勝、21世紀に1勝。ポルシェやアウディはおろかフェラーリやジャガーに先んじて、世界一有名な耐久レースのもっとも英雄的な時代に、ベントレーは最多勝コンストラクターの先駆となったのだ。

その現代のフラッグシップたるミュルザンヌ・スピードは、5575×1925(ドアミラー開)×1530mm、ホイールベースは3270mm、重量は2770kgという、堂々たる体躯を誇る。

現代の目で見直され気筒休止機構などを備えたとはいえ、基本設計は70年代に遡る6.75ℓのV8ツインターボはフロントボンネット下で600rpmのアイドリング時から、粛々と重量感あるビートを奏でている。

通常、クルマの重量は軽い方が好ましいことが多いが、静止から転がり出しのヌルリとした触感だけで、重さを正当化できる数少ないクルマ、それがベントレーだ。

だが走り出すと、さらに気づかされることが多々ある。

どんな感じ?

触る、車内で過ごすだけでテイスティ

この日は後席から乗り込み、ドライバーズカーであるベントレーのショーファードリヴン体験から始めた。

足が組めるほどの余裕、葉巻ケースまで用意されたアメニティなど、まるでホテルかラウンジのような感覚で、同門のコンチネンタルGTのリアシートのようにホルスタリーに乗員が嵌まりに行く着座感とは一線を画す。

決定的にルーミーで快適であることは間違いないが、リアシートでも横方向のサポートが優れている。

これがもっと市民的なホットハッチ辺りになると、ドライバーが飛ばし始めたら最後、後席の乗員は転がっているしかない。そうした欠くべからず部分、ミニマム・コンフォートの質が、ケタ違いに高いのだ。

同じくダイヤモンドキルト仕上げのドライバーズシートに収まってみる。肉厚のクッションながらサポート性に優れるという矛盾した心地よさは、変わらない。

液晶タッチパネル全盛のインターフェイスを経験している身からすると、ボタン類の多い内装はひと昔前に感じられるが、燃料計と時計、水温計の3連メーターが中央に配したダッシュボードからセンターコンソールの意匠、今や控えめといえるクローム使いは好感度ポイントだ。

ただしフライングBや、Bモチーフの意匠が、インスゥルメントパネル内にステアリングホイール、タッチパネルにシフトレバー、各シートバックのステッチなどなど、やや過多に感じる。

外装にもいえることだが、フロントフェンダー脇のBモチーフのエアベントなども、ややファンシー。だが文字ロゴが入るようになる直前の時代のデザインと思えば、これはこれで納得がいく。

ヘッドランプのリングや、フロントグリルといったブライトウェアはすべてダークティント仕上げで、2010年代の感覚なりに、アンダーステイトメントを意識した外観なのだ。

インターフェイスやデザインは、新車という見地で眺めたら旧さを感じさせるが、すでにヴィンテージ感というか貫禄を醸し出しているのは、その動的質感だ。

飛行機か船のような巡航&旋回感覚

6.75ℓのV8ツインターボは、数値的には112.2kg-mもの最大トルクを1750rpmの低回転域から発揮し、最大出力537psに4000rpmで到達する。100km巡航は1500rpmほどだった。

これがどういうことかといえば、タウンスピードから高速道路まで一貫した静粛性の中に、車内は保たれる。

一方で少しアクセルを深めに踏み込めば、ボンネット下で砲列の一斉射撃が轟くような感触とともにミュルザンヌ・スピードは力強い加速を始める。

ボア×ストロークは104.0×99.0mmという、ビッグボアのショートストロークだけに、爆発のツブの揃い方というか、適度な荒々しさとスムーズさが感じられるのだ。

アダプティブシャシー・コントロールも備わっていて、ベントレーモードを標準に、コンフォートとスポーツに切り替えられるが、適度に足が柔らかでステアングの手応えも増すベントレーモードでも、スポーツモードでも、たっぷりと一拍をおいた後に曲がり始める感覚は同じく。街ではステアリングの軽いコンフォートが走りやすい。

「買い」か?

新車で味わえる「クラシカル」

いずれ、この大時代的なエンジンで長大な体躯を押し出して、風の中を切り進んでいく感覚は、戦前車以来ベントレーが守り続けてきた特有のスポーツ・テイストといえるだろう。

それは地上を走る自動車が、飛行機や船と動力機関をまだ共有していた時代の名残りもある。これが新車で味わえるのだ。

参考までに品川~横浜の往復で燃料計は1/3ぐらい減っていたが、もはやおわかりの通り、ベントレー・ミュルザンヌ・スピードは買いか否かという、損得の問題ではない。

一度味わえたら幸運という甘露の一滴ではなく、無限の甘露そのものだ。

ベントレー・ミュルザンヌ・スピードのスペック

■価格 3855万円
■全長×全幅×全高 5575×1925×1530mm
■最高速度 305km/h
■0-100km/h加速 4.9秒
■燃費 6.7km/ℓ
■CO2排出量 342g/km
■車両重量 2770kg
■パワートレイン V型8気筒6752ccツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 537ps/4000rpm
■最大トルク 112.2kg-m/1750rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN 南陽一浩)

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