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日産エクストレイル:オンロードを意識した変身だが、悪路走破性は健在

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日産エクストレイル:オンロードを意識した変身だが、悪路走破性は健在

旬なクルマの情報を網羅した「モーターファン別冊 統括シリーズ」。今回は「Vol.106 2018-2019年国産&輸入SUVのすべて」から「日産・エクストレイル」を抜粋してご紹介。レポート=石井昌道[本文]/山本晋也[写真解説] フォト=井上 誠/中野幸次

待望のプロパイロットを採用 3列シート車の設定も好印象

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 先代までの四角くて武骨なスタイリングから一変し、都会的でスタイリッシュに生まれ変わった三代目エクストレイルが登場したのは2013年12月のこと。当初はその変身ぶりに戸惑いの声も聞かれたものだが、セールス的には成功していて先代を上回った。アウトドアでの使い勝手が良いタフギアというキャラクターはそのままで、今風の肩肘張らない装いというバランスが良かったのだろう。また、手頃なサイズながら、ガソリン車には3列シート仕様が用意されているのもひとつの強みだ。

 パワートレーンはガソリン車が2.0ℓ自然吸気+CVT、ハイブリッド車は同エンジンにひとつの電気モーターを組み合わせ、CVTにふたつのクラッチを追加した1モーター/2クラッチ式システム。エンジン車は最高出力147㎰だが、ハイブリッド車ではシステム総合で182㎰。エンジンとミッションの間に電気モーターを直接挟み込む1モーター式はEV走行不可だったり、極狭い範囲に限られるものだが、エンジンを切り離すクラッチを持っているエクストレイルのシステムは100km /h程度でもEV走行を実現している。2モーター式のストロングハイブリッドとほぼ変わらぬ機能でありながら、低コストで軽量なのが特徴だ。

 17年6月のマイナーチェンジでは待望のプロパイロットを採用。アクセル、ブレーキ、ステアリングがクルマによって制御されるため、自動車専用道路の同一車線上での自動運転技術と謳われている。

 本格オフローダーではないもののインテリジェント4×4と呼ばれる賢い4WDシステムも自慢。2WDモードではFF状態、AUTOモードではリヤに最大50%までの駆動配分を自動的に行ない、LOCKモードでは前後50対50の固定で悪路走破性を高める。

 ほとんどがオンロードユースになるだろうが、乗り心地はまずまずだ。ガソリン車の「20X」や「20Xi」は18インチタイヤを履くがゴツゴツすることはなく、街中などでは快適。ただし、高速域で路面が荒れていたりすると少々バタ付くこともある。それに比べると17インチで車両重量が120kgほど重たいハイブリッド車の方が動きはゆったりとしていて、より快適に感じられる。

 ガソリン車の動力性能は必要十分。CVTもエンジン回転数が先行して上がり、後から速度が付いてくる、いわゆるラバーバンドフィールが感じられないような制御がなされている。だが、エンジン常用域のトルクはさほど充実しているわけではないのに回転を上げ過ぎないようにしているので、ちょっとかったるく感じることもある。そこは電気モーターによって低回転域のトルクが大幅に増強されたハイブリッド車が有利。発進時から頼もしく、急加速時もグイグイとしたアシストが効果的。エンジンが停止する頻度も高いので静粛性が高まるのも魅力だ。ハイブリッド車は電気モーターが追加された分、走りでも燃費でも実力が高まっていて価値がある。

 プロパイロットは“自動運転技術”という言葉から連想するほどの完成度ではないが、高速ドライブでの疲労を軽減し、安全性を高めてくれるので、選択する意味はあるだろう。

20X ハイブリッド
全長×全幅×全高(mm):4690×1820×1730
室内長×室内幅×室内高(mm):2005×1535×1270
ホイールベース(mm):2705
トレッド(mm) 前/後:1575/1575
車両重量(kg):1640
エンジン種類:直列4気筒DOHC+モーター
総排気量(cc):1997
エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):108[147]/6000
エンジン最大トルク(Nm[kgm]/rpm):207[21.1]/4400
モーター最高出力(kW[㎰]):30[41]
モーター最大トルク(Nm[kgm]):160[16.3]
燃料タンク容量(ℓ):60(レギュラー)
トランスミッション形式:CVT
駆動方式:4WD
タイヤ・サイズ:225/65R17
最小回転半径(m):5.6
JC08モード燃費(km/ℓ):20.0
車両本体価格:309万8520円

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