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ニューモデル 2018.8.4

アルピーヌA110新型、国内最速試乗 4C/エリーゼよりもケイマン寄り

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もくじ

ー アルピーヌA110とは
ー コクピットに収まる
ー 4Cよりもケイマン寄り
ー ひとつだけ期待外れなこと
ー ハンドリングはどうだろう?
ー 新型A110、「買い」なのか?
ー アルピーヌA110プルミエール・エディションのスペック

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アルピーヌA110とは

フランス北西部、大西洋に面した港町ディエップのルノーディーラーの息子に生まれたジャン・レデレなるモータースポーツ好きの男が、リアエンジンのルノーをベースに生み出したラリーやロードレースで勝つためのスポーツカー、それがアルピーヌだった。

その創立は1955年。代表作といえるA110は1963年にデビュー、70年代前半のラリーで大活躍したのち、77年まで生産された。その間にアルピーヌはルノーの傘下に入り、A110はその生産終了からおよそ40年後の今日、ルノーのバックアップをうけて甦った。

オリジナルのA110は、1.3~1.8ℓ直4エンジンをリアアクスル後方に縦置きしたリアエンジン後輪駆動。車体は金属製バックボーンフレームにFRPボディというレーシングカーに近い簡潔な構造で、車重は600-700kgしかない超軽量車だった。

新型A110は、ルノー-日産アライアンスによる1.8ℓ直4ターボをコクピット直後に横置きするミドエンジン配置を採用。車体はこのクルマのためだけに開発されたアルミフレームにアルミボディを組み合わせるという、現代的な軽量構造を採っている。

1.8ℓの直4直噴ターボエンジンは、アルピーヌとルノースポールの共同作業によってチューンされ、252ps/6000rpmのパワーと32.6kg-m/2000rpmのトルクを発生、7段DCTと組み合わせられて後輪を駆動する。公表されたパフォーマンスは、0-100km/h加速が4.5秒、最高速がリミッター制御250km/h。

ボディサイズは4205×1800×1250mm、ホイールベース2420mmで、オリジナルよりはだいぶ大きいが、今日の標準ではコンパクトな部類。車重は最軽量仕様で1080kg、豪華装備の初期モデル、プルミエールエディションで1110kgというから、これも今日的標準では充分にライトウエイトだ。ちなみに前後重量配分は44:56という良好な数字になる。

世界限定1955台、日本限定50台のプルミエールエディションのプライスは790万円だが、1021人から購入希望の応募があり、すでに抽選も終わっているので、購入はできない。

コクピットに収まる

約束の場所に着くと、想像していたブルーではなく、ちょっとパールがかった感じのホワイトのA110が待っていた。さすがアルミ製、と実感させる軽いドアを開けてコクピットに収まり、1脚13.1kgという軽量なサベルト製バケットシートに身体をはめ込む。

このシート、見た目のとおり身体をしっかりホールドするのに加えて、固定式バックレストのアングルも適切で、尻の部分のクッション性も多少ありと、かなり上出来な代物。半日乗っていても身体が不当に疲れたり、腰が痛くなったりすることはなかった。

ただし、クルマの雰囲気からすると着座位置が高めなのがちょっと残念だった。実はこのシート、ボルトの抜き差しで調整するハイトアジャストが3段階あり、試乗車はそのとき中間のポジションだったようだ。そこで、自分のクルマだったら一番下に固定、と納得。

ちなみにコクピットは現代車としてはタイトな部類だが、閉所恐怖症的に狭かったオリジナルA110と比べたらかなり広く、優に4畳半と6畳以上の違いがある。

4Cよりもケイマン寄り

都内の住宅街の裏道を抜け、東京インターから東名に入って厚木までクルージングした時点で、新型アルピーヌA110の基本的なキャラクターが読めた気がした。

オリジナルA110がアルプスを速く駆け抜けることに特化した単能車だったのに対して、新型は少々意外にも、必要なら日常の足にも使えるワイドレンジなスポーツカーなのだった。

現代の同カテゴリーのミドエンジンスポーツカーとの対比でいうと、アルファ4Cやロータス・エリーゼ/エキシージ系というよりも、むしろポルシェ718ケイマンの領域に足を突っ込んだクルマ、という印象をうけたのである。

例えば、コクピットへの乗り降りが比較的し易かったり、ステアリングがチルトとテレスコピックの両方調整可能でドライビングポジションを決め易かったり、自分の運転姿勢だとシートの後ろに手荷物を置くスペースが確保できたり、ボディ前後のトランクルームが予想していたより使えそうだったり、という意味の実用性がひとつ。

もうひとつは、クルージング時のメーター100km/hはDCTトップ7速で2200rpmにすぎず、背中のすぐ後ろにエンジンが収まっていることを忘れさせるほどコクピットが静か、というGT的資質を持っていること。さらに、ボディ剛性の高さもその点に寄与している。

エンジンが2000rpm前後の実用域から使えるトルクを捻り出すのも、ステアリングの直進状態の締まりがよく、高速でも軽く握っているだけで真っ直ぐに突き進んでいくのも、GT的要素の重要なポイントだろう。

ただしひとつだけ、期待外れなことがあった。

ひとつだけ期待外れなこと

ただしひとつだけ、期待外れなことがあった。

それは、AUTOCARのイギリススタッフによる南仏の国際試乗会などにおけるリポートが、スポーツカーとしては明らかにサスペンションがソフトで脚がしなやかに動くと、乗り心地の快適さを絶賛している点だ。

ところが僕らが乗った白いA110のサスペンションは、とりわけソフトにもしなやかにも感じられなかった。高速道路のスピードレンジになると乗り心地はフラットで快適だったが、都内で遭遇する低速域ではむしろ硬めの印象で、18インチのミシュランPS4の硬さも、まるで空気圧が正規より高いかのような感じで伝わってきた。

その理由としては、試乗車が走行1000kmに満たない新車だったことが災いして、ダンパーやブッシュ類の初期の硬さが取れていなかったのではないか、ということが考えられる。できれば後日、もっと走り込んだ状態の同車に乗ってみたいものだと思った。

とはいえ、東名と小田厚をGT並みの快適さでクルージングして箱根のワインディングロードに至ると、A110はその本領を遺憾なく発揮し始めた。

まずはエンジン。動力性能は必ずしもA110の見せ場ではないが、ノーマル、スポーツ、トラックの3パターンある走行モードをスポーツにセットして踏み込むと、弾けるような爆音を奏でながら軽く吹け上がり、ターンパイクのきつい上りも胸の透く勢いで駆け上がる。

パフォーマンスに関しては、普段どんなクルマに乗っているかで印象が異なるはずだが、当方としては充分満足できる加速が味わえた。ただし、スポーツモードだとDCTをパドルでシフトダウンしても自動的にシフトアップしてしまい、ワインディングでは走り難い。

そこで、スポーツボタンを長押ししてトラックモードにセット。すると、スロットルレスポンスが一段と鋭くなると同時に、自動シフトアップは起こらずエンジンは6700rpmから のレッドゾーンまで一気に吹け上がるので、がぜん走り易くなる。

ハンドリングはどうだろう?

一方、ハンドリングに関しては期待どおり、とてもよく曲がるクルマだった。まずはスロットルを閉じつつ、軽いけれども路面感覚を充分に伝えてくるステアリングを切り込むと、ノーズが素早く向きを変えてごく自然にコーナリング態勢に入っていく。

そういうレスポンスの鋭さではアルファ4Cも同様だったと記憶しているが、A110はそこからあとが違う。ターンインを終えて脱出態勢に入り、スロットルを踏み込んだときの安心感が、同カテゴリーのミドエンジンスポーツの多くと違う気がするのだ。

それは4Cより40mm長い2420mmのホイールベースなどのディメンションの採り方に加えて、リアサスペンションに依るところが大きいのではないか。4Cとケイマンの後ろ脚はストラットだが、A110は前後ともスパンの広いダブルウィッシュボーンを採用していて、脚の動きの自由度が大きい。

それらの結果、タイトコーナーからの脱出に際して後輪にパワーを注ぎ込むと、テールをジワジワッとアウトに流すこともできるが、そういった感触を4Cやケイマンで攻めたときのような緊張感をともなわずに、愉しむことができる。後ろ脚が適正に路面を捉えている実感が得られるからだ。

718ケイマンに対しては、300kg近く軽い車重が身のこなしの軽快さに結びついているのを感じさせるが、それでいて身動きが軽すぎて不安、という感触が皆無なところも、A110の巧妙さではないかと思う。

上記のようなドライビングは、走行モードをトラックにセットして得られたものだ。トラックではESCは完全にはカットされないが、介入が相当に制限されるため、コントロールの仕方によってはテールアウトの感触を愉しむことができるわけだ。ちなみにA110はLSDを備えていない代わりに、トルクベクタリングでトラクションを確保している。

もうひとつ、アルピーヌの名に相応しいと感じたのはブレーキだった。御多分に漏れずブレンボのキャリパーを備えるそれは、サーボ感の希薄なカツンと硬い足応えを持つが、絶対的な制動力は充分なものに感じられた。

新型A110、「買い」なのか?

というわけで新型A110、アルプスを駆ける超軽量スポーツというオリジナルの精神とスタイリングを受け継ぎながらも、都会の足にも使えそうな日常性を備えた、その気になれば毎日乗れそうなスポーツカーに仕上がっていると感じた。

いずれにせよ、日常使いできる高性能スポーツカーというカテゴリーで不動のポジションを確立しているポルシェの牙城に切り込める可能性を持ったクルマがフランスから登場したというのが、少々意外であり、痛快でもある。

それでいてA110、ちょっとヒルクライムにでも参戦してみるか、という気にさせそうなところも、アルピーヌの名に恥じない。

ポルシェの揺るぎない信頼感とバーターにライトウエイトの妙味を採ろうという勇気を持ったエンスージァストには、アルピーヌA110は「買い」だろうと思う。

アルピーヌA110プルミエール・エディションのスペック

■価格 790万円
■全長×全幅×全高 4205×1800×1250mm
■最高速度 250km/h
■0-100km/h加速 4.5秒
■燃費 14.1km/ℓ(JC08モード)
■CO2排出量 –
■車両重量 1100kg
■パワートレイン 直列4気筒1798ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 252ps/6000rpm
■最大トルク 32.6kg-m/2000rpm
■ギアボックス 7速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN 吉田 匠)

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