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AUTOCARアワード発表目前 これまでの5つ星獲得車 前編

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AUTOCARアワード発表目前 これまでの5つ星獲得車 前編

アリエル・ノマド

このクルマ、たしかに4ゾーン・オートエアコンも、アダプティブLEDヘッドライトも、レベル3自動運転機能もないけれども、間違いなく5つ星に値する。ご存じのとおり、5つ星はかならずしも完全無欠のクルマだけのものではない。

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だいたい、乗員の顔にバシャバシャと泥をはね飛ばしてくるノマドのようなクルマに、「完全」などという表現はありえないだろう。そういうことではなく、本来の目的を完全に果たし、その結果星を削る理由がみあたらなければ、そのクルマは5つ星なのだ。合目的性しだいだ。

ノマドは純粋に楽しみのためにつくられたクルマだ。ずんぐりしたオフロードタイヤや長いストロークをもつサスペンションをみても、泥だらけの原っぱや森の中の岩だらけの道を主眼におくことはわかるだろう。そう、ラフプレーこそノマドの真価だ。

だが、アリエルの2作目でもあるこのクルマ、じつはオンロードでも、ひいてはサーキットでも全くおなじように楽しいのだ。ロードテスト記事にも「おおくのテスターが、並みいる高性能スポーツカーやスーパーカーよりも、サーキット走行にはノマドを選びたいといった」と書いたとおりだ。

ノマドの新車価格は3万3000ポンド(488万円)。発売から3年たつがいまだ需要は高いので、いまのところは中古車を探すのもたいへんだろう。われわれもアリエルのウェブサイトでやっと1台見つけたにすぎない。2016年式で走行3540kmだが、価格はなんと5万4995ポンド(813万円)だった。これなら14か月待ちでも新車を注文したほうがあきらかにおトクだ。

そうそう、あとは数ヘクタールばかりの農地の所有権を買う段取りもしておいたほうが賢明だろう。

テスターの意見

ときどき、まったく新しいものにふれて世界が変わったと思わされることがある。イギリス西部の田舎道を、車輪がひょいひょいと上下するのを視界のすみにとらえながら、世界のありのままを体で感じつつノマドで走ったときも、まさにそうだった。

ダンパーの動きだけはたしかにスムーズとはいいがたかったが、あれほどサスペンションがよくコントロールされたクルマがほかにあるだろうか。

モーガン3ホイーラー

完全無欠かという評価軸でいくと点をとれないのはアリエル・ノマドとおなじだ。だが乗っていると頭に石が当たろうが口に虫が舞いこもうが、口もとはゆるみっぱなしになる。

新車では3万ポンド(443万円)をやや越えるこのクルマも、6年落ちなら2万8000ポンド(414万円)からある。

テスターの意見

3ホイーラーでいちばんのドライブだったのはテストの数年後、身も凍るクリスマスシーズンにウェールズ地方のウェルシュ海岸を走ったときだ。暗くて不安になるし、道は悪くてヘンなニオイまでするし、なにより寒かった。

それでもすごく楽しかったのだ。年を経ると見るにたえなくなるクルマも多いが、3ホイーラーにそんな心配は無用だろう。

フォード・フォーカスRS

3代目フォード・フォーカスRSには、たしかに素性ゆえの欠点がつきまとう。エンジンは平均点だし、低速では乗り心地も硬いうえ着座位置も高すぎる。だがそんなことなど吹っ飛ぶ。

ひとことでいえば、RSは「いまいちばんおもしろいホットハッチ」だったのだ。登場から1年半がたったが中古車相場は堅調で、2万4000km走行のクルマでもまだ2万6000ポンド(384万円)する。おおくのオーナーからヘッドガスケットの欠陥が報告されるにもかかわらずだ。これについてはフォードも、2015年8月から2017年7月の生産車について無料で修理するとしている。

ポルシェ918スパイダー

5年ほど前にそろって登場したハイパーカー3台のうち、いまではこの918スパイダーがいちばん買いやすくなっている。もちろんそれはあくまで「比較的に」ということで、まだ120万ポンド(1億7745万円)もする。

5つ星の理由は、弩級の直線加速、そしてサーキットでの驚異的な速さと扱いやすさだ。

ポルシェ・パナメーラ4Sディーゼル

新型パナメーラのスタイルについては「まだ美しいとはいえない」と評した。でもそれを除けば、非の打ちどころはなかった。われわれのいち押しはこの4Sディーゼルだったが、すでにカタログ落ちしてしまった。だが中古車なら7万3000ポンド(1079万円)から買える。

テスターの意見

パナメーラ4Sディーゼルがカタログから消えたのはとても残念だ。わたしにはディーゼル車として画期的な性能におもえたし、あいにくの霧雨だったテストコースではそれがいっそう明らかだった。答えがでなかったのは、われわれの「2名乗車、燃料満タン、2方向平均」という加速性能に関する測定条件以外の状況でどれほど速いかということだけだった。

ミルブルックでは0-97km加速に平均わずか4.1秒しかかからなかったが、後日、アンドリュー・フランケルがブランティングソープ飛行場の乾いた路面で1名乗車で試してくれた。ミルブルックの直線路とはちがって若干の傾斜があったとはいえ、0-97km/h加速を3.7秒、0-161km/hも9.5秒でやってのけたのだ。おどろくべき性能だ。

ポルシェ911 GT3 RS(991型)

デュアルクラッチ式ATがMTにとって代わり、あのハンス・メツガー設計の名エンジンもなくなってしまった。油圧のパワーステアリングユニットもゴミのように捨てられ、電動アシストになった。だがさいわい、ハンドリングと乗り心地の魔法のようなバランスはしっかりと残った。

テスト記事でも「GT3 RSはまさに飛びぬけたクルマ。手放しでほめちぎりたい」と書いた。いまや、19万ポンド(2809万円)以下の個体にはまずお目にかかれない。

ポルシェ・ケイマンGT4

こんなクルマはもう2度とできないだろうとポルシェはコメントしたことがある。そしてついに2015年登場したとき、世界中で賞賛をもってむかえられた。

とはいえあまり言いたくはないが、どうしても911 GT3ほどにはあがめられないところもある。たとえば、911カレラからもってきた3.8ℓエンジンは気持ち良いのはたしかだが、GT3にはかなわないのだ。たとえこの辛口ケイマンがそれなりに売れたといっても、何よりもこれは911ではないのだ。

とはいえ、中古車相場は新車価格に近い8万ポンド(1183万円)をキープしている。

フェラーリ458イタリア

「画期的なクルマ」、8年前われわれは458イタリアをそう評した。MTの用意がなくなったことと、かなりふところにズシンとくる価格―先代のF430より5万ポンド(739万円)も高い17万8000ポンド(2632万円)をつけてきたのだ―は疑問なしとはしなかったが、それ以外はこのマラネロから来たばかりのV8ベルリネッタにはケチのつけようがなかった。

記事にもこう残っている。「これまで乗ってきた傑作にもハンドリングでは負けない。とくにロータス・エヴォーラやノーブルM600のような比較的最近の超高価格・高性能スーパーカーが相手でも、性能は匹敵するどころかおおくの場合うわまわる」

こんにちのスーパーカーがくり広げるパワー競争の中でも、458イタリアは光っていた。先代を80psほども上まわる570psをほこり、持ち味のピークへむけた指数関数的な加速の伸びは、670psの488 GTBや720psのマクラーレン720Sといった絶対パワーでは上手をいくターボ車ではえられない。

458は残存価値もすこぶる高い。イギリスでは左ハンドルなら12万ポンド(1775万円)以下でも見つかるが、右ハンドルとなれば14万ポンド(2070万円)はみておかないといけない。信頼性もフェラーリの市販車で随一のようで(生き残りが多いともいえる)、大きな不具合の報告はみあたらない。

維持費の安くてすむミドシップのスーパーカーなどないが―タイヤ4本だけでも1000ポンド(14万7000円)は下らない―、458は新車の時点で、数々の引きつぎ可能なメンテナンス・パッケージ込みで売られている。

まだ新車から7年間のフェラーリ純正メンテナンス・プログラムで毎年の点検をまかなえるクルマも多いだろう。追加料金を払えば、無料点検期間を12年まで延長することもできるので、まだ保証期間内の個体も多数あることになる。

テスターの意見

いろいろきいてみた限り、わたしのようにスペチアーレよりもイタリアのほうを好むのは少数派らしい。こっちだって運転の楽しさはスペチアーレの95%くらいはある。

走りっぷりはあざやかとしか言いようがないのに、ふだん使いにこたえられそうなくらい静かで快適でもあるのだ。スタイルも、現代のフェラーリでもっとも魅力的だとおもう。

ポルシェ911 GT3 RS(997型)

最高のGT3 RSは2代目の997型だというひともおられよう。MT、油圧パワーステアリング、丸鋸のようにまわるメツガーのフラット6がそなわった最後の型式だから。

そして、それは今にいたるまで高い中古車人気をほこる理由でもある。登場から8年たっても、まだ16万ポンド(2366万円)もするのだ。

テスターの意見

911が世界最高のスポーツカーというわけではないが、RSは最高の911だとすることに異をとなえる、あるいはとなえようとするひともいないだろう。昨年もスコットランドで乗る機会があったが、その考えはいささかも変わらなかった。エンジン、ステアリング、ギアボックス、シャシー…どれをとってもホンモノだ。

マクラーレン570S

P1からバッテリーやモーターといっしょに300ps以上を引き算したクルマじゃないかというかもしれないが、この570Sだって乗ってみればハイパーカーならではの醍醐味はそうとうなものだ。もちろん、カーボンファイバー製のバスタブ型基本構造と3.8ℓツインターボV8だけをとってみればP1とかわりない。570Sはそれ単体でみてもおそろしく速いし、ステアリングの正確さはまったくのP1ゆずりだ。

ハイパーカーなんて一生縁などないよと諦めているひとに、耳よりなしらせがある。はした金で570Sはたしかに買えないが、初期型ならなんとP1の10分の1、13万ポンド(1922万円)くらいで買えるのだ。

トヨタGT86

今回の5つ星リスト中、このトヨタ製軽量級クーペよりも安価なのは、おせじにもスポーツカーとはいいがたいBMW 320dスポーツだけだ。トヨタはこのGT86で、たとえ性能がほどほどでも目的にピタリとはまりさえすれば、5つ星に値する高い評価がつくことを証明した。テスト記事でも「トヨタGT86は、尊敬に値する珠玉のクルマだ」と評した。

中古車価格も、デビューから数年がたってしだいにこなれてきている。「待ちに待った、価格も性能もお手ごろなクルマ」が現状では1万2000ポンド(177万円)からみつかるのは、まさにバーゲンとしかいいようがない。

テスターの意見

ドイツの飛行場ではじめて乗ったとき、GT86には擬装がほどこされ、多田哲哉開発主査ら数人もいっしょだった。彼は、おもに軽量化と慣性モーメントの低減についてグラフやスケッチや図解を見せて説明してくれたあと、われわれに86でコーナーをいくつか回らせてくれた。そのとき確信した。こいつは特別な個性をもつスポーツカーだと。

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