もくじ
前編
ー 両雄相まみえる
ー ランエボ/インプレッサ発売の日
ー スクービーが英国に与えた衝撃
ー トミマキ誕生/RB5英国市場に
BTCC熱狂時代 中古で探す、アルファ155/BMW 3シリーズ/ボルボ850 前編
中編
ー インプ/エボ 英国仕様は?
ー 試乗開始 インプレッサRB5
ー 対するエボVI その走りは?
ー スペックはランサー しかしインプには……
後編(5月3日公開)
番外編(5月3日公開)
インプ/エボ 英国仕様は?
全日本GT選手権の厳しいエントリー制限のためか、あるいは紳士協定のせいか(これは議論が分かれている)、インプレッサもランサー・エボリューションも90年代になると出力がともに280psに抑えられていた。このデータは、今回採り上げたトミ・マキネン・エディションのものだ。エボリューションVIは1999年から英国で販売された。英国に正式に輸入され、販売された最初のエボリューションがこのクルマだった。
一方、エボリューションTMEが英国で販売されたのは2001年からだが、いくつか大きな変更点がある。最も顕著なのは、ワークスカーの真似をした攻撃的なフロントスポイラーやエンケイのアルミホイールなどのエクステリアだ。また非常に硬いターマックステージ用のサスペンションを履いているため車高が低く、ボンネットの下にはチタン製ターボを装備している。
日本市場向けのインプレッサもほぼ同じ性能だが、英国で販売されたターボ2000(RB5はそのバリエーション)は221psとやや出力が少ないが、多くのRB5はWRスポーツトリム仕様で、かつプロドライブ・パフォーマンス・パック(PPP)を装備している。これは、スバルのワールド・ラリー・チャンピオンシップチームのオペレーターの提供によるディーラーオプションとして用意されたもので、より上質なセンターおよびリアのステンレスエグゾーストサイレンサー、クイックシフトギアチェンジ、ピーク出力を241psまで強化する肝心のリマップECUなどが含まれた。
試乗開始 インプレッサRB5
パッセンジャーシート側のカーペットをめくると、スバルのチューニング部門、スバルテクニカインターナショナル(STI)のピンクの文字が入ったボックスが見える。444 RB5は全てブルースチールに塗装され、カラーコードの入ったミラー、ドアハンドル、スカート、ドライビングライトカバーを備えていた。
また17インチ6本スポークのスピードライン製アルミホイールを履き、ブルーのアルカンターラとスウェードでトリムが施され、エアコンを装備している。
インプレッサRB5は、パワーを強化する一方で、かなりの軽量化が施されている。ビスケットの缶のように薄いパネルや質素なインテリアのお陰で乾燥重量は、アクセサリーをフル装備したランサーよりも125kgも軽い1235kgだ。モータージャーナリストふたり(いや正確にはひとり半か?)分の重さの違いが、路上で分かるのだろうか。
その答えはイエスだ。
パワーが30ps近く低いにもかかわらず(三菱の280psという表示は控え目な気がする)、低速回転時にややラグは感じられるが、制限速度まで回転数をぐんぐん上げていく。加速性能ではランサーにひけを取らない。追い風だと、2速からシフトせずにわずか5.5秒で制限速度に達する。ただし、そこから先はやや息切れ気味になり、最高速度の226km/hに達するまで少し手間取る。
対するエボVI その走りは?
エボリューションVIはやや重いが、直進路ではその強大なパワーのため、0-97km/h加速はインプレッサRB5より0.8秒速い。しかし、エボリューションTMEがライバルを引き離し始めるのは、コーナーに入ってからだ。インプレッサの4輪駆動はメカニズムとしては安心感があるが、車輪に電子頭脳があると感じさせるのはエボリューションの方だ。
トラクションが弱まるのを感知すると、非常に賢いアクティブ・ヨー・コントロール(本質的にはコンピュータ制御のディファレンシャル)が各輪にそれに応じたパワーを再配分する。
インプレッサがチェスの名人カスパロフだとしたら、このエボリューションのアクティブ・ヨー・コントロールはその名人を打ち負かしたスーパーコンピュータ、ディープブルーのようなものだ。本当にこのエボリューションのグリップはこの世のものとは思えないレベルだ。必死にグリップを失わせようとしても、エボリューションは路面にしがみつく。電子システムのシナプスは、ドライバーの脳神経の1000倍の速度で信号を送り出す。
スペックはランサー しかしインプには……
インプレッサRB5はランサー・エボリューションのような驚異的なパフォーマンスを持ってはいないが、突っ走らせるのが本当に楽しいクルマだ。
4輪駆動システムがランサーのアクティブ・ヨー・コントロールほどインテリジェントではないため、グリップの限界がもっと簡単に分かり、またタイヤもランサーより20mm細いので、元気よく敏捷に走らせることができる。ギアボックスもより直感的だ。急かされるのを嫌うものの、ランサーのカクカクとしたギアボックスよりも滑らかに作動する。
データや数値の面ではランサーが勝るが、数字に換算できない分野ではスバルに分がある。例えば、美しさだ。どちらもまずニューヨーク近代美術館に展示されることはないだろうが、今回の写真撮影では、インプレッサの方がプロポーションが美しく、その滑らかなボディラインはより優雅に年齢を重ねた感がするというのが皆の意見だった。
5月3日公開の後編では、日本国外におけるTMEとRB5の相場をレポートする。
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