「セナ」という名前以上に重要な意味
マクラーレン・オートモーティブの大胆さに敬意を表するべきだろう。当のマクラーレンも、設立後10年に満たないというのに、最新モデルにあの伝説的なF1レーサー、アイルトン・セナの名を冠するとは余程の自信があるに違いない。
大阪オートメッセ2018 コンパニオン特集(2) 画像43枚
来月のジュネーブ・モーターショーで発表予定の、この75万ポンド(1億1388万円)のプライスタグを掲げるスーパーカーに与えられた名前が意味するものはとてつもなく大きい。もしこの偉大な名前をクルマに付けるとしたら、それに相応しい出来でなければならない。
失敗すれば2度目のチャンスなどないのだ。
ご覧の通り、このクルマには鋭いボディワークやスポイラーを纏った、サーキット向けの攻撃的なルックスが与えられている。一方でヴィークルラインの責任者であるアンディ・パーマーは、この公道走行可能なレースカーは「その辺の店へと乗り付けることもできる」と言う。
マクラーレン・オートモーティブにとって、セナの名は単なる文字や数字の組み合わせなどではなく、このクルマ(この秋から生産が開始され、既に500台全てのオーナーが決まっている)は、セナという相応しくも象徴的な名前を最初に与えられたモデルとして重要な意味を持つ。
マクラーレンは、F1界最高のドライバーの姉であるヴィヴィアン・セナから、セナ家の名前を使用する許可を得ている。彼女の息子で経験豊富なレーサーでもあるブルーノはマクラーレンのアンバサダーであり、テストと開発にもかかわっていた。
しかしなぜ、このタイミングでサーキットを走るために開発されたスーパーカーにセナの名を与えることにしたのだろうか?
セナの名を冠するに相応しいクルマ
「ヴィヴィアン・セナとブルーノとはこれまでもコラボレーションについて話をしていましたが、決して既存モデルのバリエーションとしてセナの名を使ったり、その名前だけにこだわるということはしたくありませんでした」
「セナの名を冠するに相応しいクルマである必要があったんです」とCEOのマイク・フルイットは言う。
「このクルマはサーキットでのパフォーマンスを念頭に開発され、アイルトンの名に相応しい、ユニークで特別なモデルになりました」
基本は720Sと共有するが、セナはマクラーレンのモデルラインアップの中でさらに上位に位置付けられており、その価格、希少性と驚くべきパフォーマンスによって、P1ハイブリッドと並んで最も高価なアルティメット・シリーズに属する1台となる。
その名に相応しく、セナの全てにおいて一切の妥協など見出すことはできない。ではアイルトンが生きていたらこのクルマを認めただろうか? このクルマが彼にサーキットで他のライバルたちを凌ぐ武器になる存在だと知れば、恐らく。
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