以前からホンダが2018年に「新型ハイブリッド専用車」を投入する、というニュースは入っていました。その新型車の車名が先日発表。まさかの「インサイト」です。
インサイトといえば初代、2代目ともに、トヨタプリウスに果敢に挑んで生産中止となった車名。しかし今回の新型インサイトは「ホンダの世界戦略車」として大々的に売り出すもよう。大丈夫なのかホンダ。今度こそプリウスに勝てるのか。
「どうすればプリウスに勝てるのか」を、自動車ジャーナリストの片岡英明氏に伺いしました。
文:片岡英明
■日本市場にも2018年秋に復活登場する新型インサイト
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2018年の幕開けを告げる北米国際自動車ショー(デトロイトショー/2018年1月14日~28日)に、アメリカンホンダモーターは新型インサイトのプロトタイプを参考出品すると発表した。
デトロイトショーに出品される新型インサイトのプロトタイプ(日本では別の車名になる可能性もある)。2018年夏に市販するとも公表された
初代インサイトがデビューしたのは1999年だ。ホンダ初のハイブリッド車で、優れた燃費を実現するためにエアロダイナミクスを徹底追及した個性的なクーペボディを採用している。
これに続く2代目は、5人乗りのファミリーカーに生まれ変わった。2009年2月に日本で発売を開始した後、北米市場にも送り込まれている。
が、日本でもアメリカでもプリウスの牙城を切り崩すことはできなかった。第3世代のインサイトはスタイリッシュなデザインと革新的な2モーターのハイブリッドシステム、スポーツハイブリッドi-MMDを売りにする。
リアフォルムも発表された。最近のホンダ車のテイストがこれでもかと盛り込まれたフォルム
生産するのは、アメリカのインデアナポリス工場だ。発売は2018年夏を予定し、北米での販売が軌道に乗った後、日本市場にも送り込まれる。
クーペ風の躍動感あふれるフォルムだからアメリカではウケるだろう。キャビンも広く、快適なはずだ。インテリアの質感も、プリウスより上質だと思う。
だが、気になるのはボディサイズだ。車格はシビックの上になるというから、全長は4600mm程度でも全幅は1800mmを超えるだろう。最大のライバルと目されるプリウスは、全幅を1760mmにとどめた。日本ではギリギリ運転に苦労しないサイズである。全幅が1800mmを超えると、多くの人は腰が引けてしまう。これが不安材料のひとつだ。
■走行性能はシビックと同等以上
パワートレーンは、ステップワゴンスパーダに追加されたハイブリッドシステム、2モーターのスポーツハイブリッドi-MMDを採用した。
排気量はプリウスより200cc大きいから、多人数乗車や登坂路でも余裕ある走りを見せるだろう。ダイレクト感のある気持ちいい走りはインサイトの魅力のひとつだ。実用燃費はプリウスに及ばないが、これも走りの実力を考えれば納得できる。ハンドリングと乗り心地も評判のいいシビックと同等以上のレベルにあることは間違いない。
内装のスケッチデザインも発表された。シフトノブがない……
だが、プリウスは手強いハイブリッド車だ。プリウスは販売力も強力だから、初代と2代目は完敗だった。3代目も苦戦を強いられそうだ。が、質感が高く、センスのいいインテリアなど、ファッション感覚を研ぎ澄まし、快適装備もケチらなければ女性層やダウンサイジング派もなびいてくる。ヒーター付きパワーシートやセンターアームレスト、サンシェードなどの快適装備は不可欠だ。
また、チョー厳しい北米の安全基準に余裕でパスしていることを強くアピールしたほうがいい。先進安全装備、これもてんこ盛りすれば勝機が見えてくるだろう。
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