現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 往年の名車 vs 現代の量販車(4) CLK63ブラックシリーズ vs C63 Sクーペ

ここから本文です

往年の名車 vs 現代の量販車(4) CLK63ブラックシリーズ vs C63 Sクーペ

掲載 更新
往年の名車 vs 現代の量販車(4) CLK63ブラックシリーズ vs C63 Sクーペ

もくじ

ー 高性能メルセデスのマイルストーン
ー ブラックシリーズはAMG版GT3
ー 負けず劣らず高性能。しかもリアシート付き
ー 万能性には隔世の感あり

AMG 50周年 連続ヒルクライム 歴代のAMGアイコンモデル登場

高性能メルセデスのマイルストーン

30年間の開発の積み重ねが生んだ違いが、どのようなものかはよくわかった。そして、今日では当たり前のことが、世代を遡れば途轍もないものだったのにも、もはや驚きはしない。そこで、次なる比較は、世代差をもっと縮めてみようではないか。そう、10年にまで。

2007年に登場したCLKのブラックシリーズは、1950年代のガルウイング以降、メルセデス・ベンツが試みてこなかったような方法でパフォーマンスカーを造ろうとしていることを、明確に示した最初のクルマだ。ブラックシリーズを名乗ったのはSLK55のそれが最初だったが、そのクルマにはあまり触れない方がいいだろう。また、当時最速のメルセデスはSLRマクラーレンだったが、欠点も多かった。

CLK63ブラックシリーズの意義は、その名にふさわしい初めてのクルマであり、先頃デビューしたハイパーカーのプロジェクト・ワンに続く道筋を築いた点にある。また、どのような基準に照らしても、これは過激なマシンだ。

ブラックシリーズはAMG版GT3

エンジン出力が通常のCLK63より29psアップして514psになったことなどは、大した問題ではない。このクルマは、その大パワーを持て余してはいない。もっとも目に付くのは、フロントが75mm、リアが66mm拡大されたトレッドと、それを収めるためのオーバーフェンダーを与えられたボディの方だ。その下にあるサスペンションは専用設計で、アジャスト機構をフルに盛り込まれており、このクルマがサーキット志向であることを強く示している。

さらに、超軽量の鍛造ホイールやリフトを打ち消すカーボンリアウイングなどのエアロパーツ、プログラムを変更したギアボックスを備え、リアシートは取り払われている。これはポルシェ911GT3にインスパイアされたクルマだということは、AMGが認めるところ。たしかにこれは、その手のマシンである。

今になってドライブしてみても、がっかりするところはまったくない。その速さは途轍もないなどという言葉さえ甘いものに感じられ、6.2ℓV8自然吸気のパワーフィールはレースカーを思わせる。その排気量にもかかわらず、本領を発揮させるには回転を上げる必要があり、しかし、いったん回してしまえば、ほかのいかなるメルセデスでも味わえない極上のサウンドに包まれる。

それにも増して、シャシーがまた秀逸。リアにはブラックシリーズ用のオイルクーラー付きLSDが備わるが、それがいかにハードな利きを見せても驚きはしない。後輪にちょっとばかり多くのパワーを送り込めば、スロットルペダルの踏み込み量に比例したテールスライドを生み出せる。10年経ってなおここまでものすごく、まったく失望を覚えないクルマというのはそうあるものではない。

負けず劣らず高性能。しかもリアシート付き

しかしながら、ブランニューのC63クーペも、カタログモデルでありながら、限定モデルのブラックシリーズに引けを取らない。V8ツインターボは、なかなかのサウンドを放ち、たった1750rpmでCLKブラックシリーズの最大値を凌ぐトルクを叩き出す。直線だろうがコーナーだろうが、速さはこちらが一枚上手だ。

ハンドリングについては、それほどスライドしたがるものではない。それは、ほとんどの場合には歓迎すべき性格だ。それでも、テールを振り回そうと求めた操作にはしっかり応えてくれるし、やってみれば素晴らしくコントロールしやすい。10年前には最大の悩みどころだったステアリングでさえ、精確さとリニアさ、満足のいくフィールを手に入れた。

しかも最新のC63は、乗り心地に優れ、スロットルが一定であれば静かで、装備が満載されているうえに、リアシートも備わるのだ。

万能性には隔世の感あり

10年前のメルセデスは、新しいC63に近いことができなかったわけではないだろう。単に、そうしないことで手を打たねばならなかっただけだ。ブラックシリーズは素晴らしいオモチャだが、あくまでもオモチャだということだ。一方で、C63を休日だけの遊び道具にしているのなら、これはもったいない。一番おいしいところを使っていないと言ってもいい。

もうひとつ、見逃せないのが価格だ。2007年当時、CLK63ブラックシリーズは£100,000(1511万円)をわずかに切るプライスタグをつけていた。しかし、今日のC63クーペはそれより£30,000ほど安い。これほど短い期間での進歩ぶりとして、これ以上のものにお目にかかったことはない。

こんな記事も読まれています

F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
AUTOSPORT web
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
くるまのニュース
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
レスポンス
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
AUTOCAR JAPAN
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
ベストカーWeb
日産R35「GT-R」にコスパに優れた本格派ブレーキローターが誕生! 12ミリと14ミリのハブボルトに対応したスグレモノでした
日産R35「GT-R」にコスパに優れた本格派ブレーキローターが誕生! 12ミリと14ミリのハブボルトに対応したスグレモノでした
Auto Messe Web
トヨタ、テンセントと提携 AI技術生かしたサービス提供
トヨタ、テンセントと提携 AI技術生かしたサービス提供
日刊自動車新聞
ホンダ『イエ GTコンセプト』が初公開、4ドアクーぺEVで中国トレンドに真っ向勝負…北京モーターショー2024
ホンダ『イエ GTコンセプト』が初公開、4ドアクーぺEVで中国トレンドに真っ向勝負…北京モーターショー2024
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(4/22~26)
バイクニュース今週のダイジェスト(4/22~26)
バイクブロス
予想が外れるマクラーレン、ピアストリも“浮き沈みのワケ”解明が急務と指摘。タイヤへの負荷が影響か?
予想が外れるマクラーレン、ピアストリも“浮き沈みのワケ”解明が急務と指摘。タイヤへの負荷が影響か?
motorsport.com 日本版
一度は乗ってみたい! サイドカーは、通常のバイクにつけることができる?
一度は乗ってみたい! サイドカーは、通常のバイクにつけることができる?
バイクのニュース
なぜ免許とマイナカード「24年度末」に一体化? 紛失時はどうなる? 一体化でどんな影響ある?
なぜ免許とマイナカード「24年度末」に一体化? 紛失時はどうなる? 一体化でどんな影響ある?
くるまのニュース
「出遅れ」「巻き返し」「反転攻勢」EVめぐる話題が目白押し【新聞ウオッチ】
「出遅れ」「巻き返し」「反転攻勢」EVめぐる話題が目白押し【新聞ウオッチ】
レスポンス
ボルボ XC40、豪華仕様の限定車「プラス B3 セレクション」発売
ボルボ XC40、豪華仕様の限定車「プラス B3 セレクション」発売
レスポンス
日本ミシュランタイヤが「ジャパントラックショー2024」にブースを出展! サステナブル素材を使用したタイヤなどを展示
日本ミシュランタイヤが「ジャパントラックショー2024」にブースを出展! サステナブル素材を使用したタイヤなどを展示
くるまのニュース
マツダ、電動SUVをサプライズ公開、コンセプトモデル『創 ARATA』とは…北京モーターショー2023
マツダ、電動SUVをサプライズ公開、コンセプトモデル『創 ARATA』とは…北京モーターショー2023
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

599.0807.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.0110.0万円

中古車を検索
CLK クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

599.0807.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.0110.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村