■どんなクルマ?
スコダにしかできないこと
今年のゴルフGTI ワンオフ・モデル発表 FF、FR、4WDをアプリで選択
スコダは、フォルクスワーゲングループのヒエラルキーにおける自分たちの立ち位置をわきまえている。
フォルクスワーゲンはもちろん、アウディやセアトがプレミアム志向に走る中にあって、このチェコのブランドはコストパフォーマンスで勝負するという原則をストイックなまでに貫いているのだ。
それゆえ、高性能グレードの「vRS」は、最近まで軽視されてきた。現時点で、このスコダ最強モデルを示すバッジを与えられるのは、このオクタビアのみだ。
われわれは先日、ディーゼル版のvRSを試乗した。称賛に値するクルマではあったが、ライバルが見せるような運動性の繊細さに欠けるのも事実。
そのあたり、今回の試乗車であるガソリン版はどうなのか、気になるところだ。
マイナーチェンジ前、ガソリン版の最上級車種は限定生産車のvRS230で、それと同じ最高出力230ps/35.7kg-mの仕様が、マイナーチェンジ後はvRSの標準モデルとなった。
今回のvRS245は、ターボやピストン、インジェクター、燃料とオイルの各ポンプ、マニフォールド、タイミングチェーンを刷新。
245ps/37.7kg-mにアップし、レギュラーモデルとして設定。ハッチバック(セダンのようだが5ドアだ)のほか、ワゴンも用意される。
外観は各部がブラックアウトされ、力強いデザインの19インチホイールを履く。
メカニズムでは、フロントアクスルに電子制御デフを備え、トランスミッションは6速MTか7段DCTが選択できる。今回の試乗車はDCT仕様だ。
これらを含め、この245仕様の価格は、標準仕様のvRSに対して£2,500(36万円)ほど高い設定となっている。
■どんな感じ?
とっても優等生
おおよそのテイストは、これまでのvRSシリーズとほぼ変わらない。心地よくしなやかな乗り心地、造りのいいインテリア、広いキャビンなど、長所はそのまま残っている。
出力向上はわずかで、6.6秒の0-100km/h加速のタイムはベースモデルより0.1秒短縮したのみだが、パワフルで回転のいいフィールは健在。
ただし、低回転域からの速度上昇はややスロー。今やこの価格帯には、300ps級の4WDマシンも少なくない。それらに比べれば、やや印象が薄いのはやむを得ないところだ。
通常のvRSと大きく異なるのは、電子制御デフの採用で、これが運動性にも顕著に影響している。外輪側へのパワー伝達が、大幅に改善されているのだ。
依然としてアンダーステア傾向にあるが、スタンダードモデルほどではなくなっている。鼻先の動きは敏捷で、ステアリングは精確で軽くクイックだが、フィールが豊かとは言えず、それが運転の楽しみをスポイルしているのが残念なところだ。
選べる4つのモード
センターコンソールのスイッチで選べる走行モードはエコ/コンフォート/ノーマル/スポーツの4通りで、ステアリングやスロットル・レスポンス、変速を変化させる。
スポーツ・モードでは実に活発で、245仕様に装着されるアップグレードされたエグゾーストは素晴らしいサウンドを聞かせてくれるが、これには人工音による演出も加えられている。
4つのプリセットとは別に用意されたインディビジュアルモードを選べば、各部を個別に選んでセッティングすることも可能。
ダンパー、ギアボックスはどう変わる?
アダプティブ・ダンパーは標準装備で、流しているときにはソフト、攻めるときにはハードなダンピングをセレクトできる。コンフォートモードでもやや硬めだが、フォード・フォーカスSTほど辛い硬さではない。
DCTが7速になるのも、245仕様のみのトピック。それ以外が積む6速ギアボックスと同じく、シフトは通常の走りではクイックで穏やかだが、スポーツモードではアグレッシブになる。それでも、キックダウンはあまり使いたがらない。
1段増えたギアはパワフルな走りだけでなく、効率アップにも貢献し、通常のvRSで15.2km/ℓの燃費は、15.6km/ℓへとわずかながら向上。より洗練されリラックスした巡行が可能になったのも、多段化の恩恵だ。
基本的な要素は間違いなくオクタビアのそれ。堅実なドライビングポジション、荷室のアジャスト性、優れた視認性、完成度の高いインフォテインメント。もちろん、室内は広く使いやすい。
楽しさと実用性を高い次元で両立しているという点では、これに並ぶものはそうそう見つからない。
■「買い」か?
「最も速くパワフルで、完成度が高い」
vRSシリーズのエントリーモデルとして、標準仕様の存在意義はいまだ大きい。しかし245仕様は、使い勝手とレベルアップした走りを併せ持つものとして、検討する価値が十分にある。
安いクルマではないが、それでもゴルフGTIより安く、フォーカスSTよりわずかに高いだけだ。速さではそれらにわずかながら及ばないが、日常遣いの利便性ではダントツのトップである。
230ps版より£2,500(36万円)のアップは無視できるものではないが、出費を抑えたいならMTを選ぶという方法もある。むしろそちらの方が、走りを楽しむなら得策かもしれない。
どちらのギアボックスを選んだとしても、間違いなく言える。これは最も速くパワフルで、完成度の高いオクタビアvRSだ。
スコダ・オクタビアvRS 245 DSG
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