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ダイハツ 1.0Lターボのハイトワゴン「トール/トール カスタム」誕生 スズキ・ソリオにちょっと待った!

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ダイハツ 1.0Lターボのハイトワゴン「トール/トール カスタム」誕生 スズキ・ソリオにちょっと待った!

2016年11月9日、ダイハツは子育て世代にターゲットを合わせた「コンパクト・ファーストカー」を目指したAセグメントのワゴン、「THOR(トール)」を発売した。

■スズキ・ソリオに「チョット待った!」
車名の「THOR(トール)」は、背が高いトールと、北欧神話の雷神「トール」を掛け合わせたもの。子育てファミリーにターゲットを当てたハイトワゴンとはいえ、ダウンサイザー、熟年層のユーザーまでも視野に入れていることはいうまでもない。

トールは、軽自動車で開発した技術を投入し、ユーザーのニーズに合わせた生活密着型の提案とされ、Aセグメントのコンパクトカー市場を活性化させる役割を担っている。

サイズ的にはダイハツ・ブーン/トヨタ・パッソのハイトワゴン版だ。このクルマもダイハツが企画、開発、生産を担当するが、トヨタは4チャンネル(「ルーミー」はトヨタ店、カローラ店、「タンク」はトヨペット店、ネッツ店)で販売する体制を整えている。市場におけるライバルはスズキ ソリオで、ソリオの独走に待った!をかけるニューモデルということになる。

■商品開発コンセプトとターゲット
開発コンセプトは、「子育てファミリーにジャストフィットするコンパクト・ファーストカー」で、ゆとりのある室内空間と取り回しの良さ、あらゆるシーンに対応できる荷室とシート、家族に優しい工夫と思いやり装備、運転の楽しさと家族を守れる安心感、コンパクトなのに大きく見える堂々とした存在感あるデザインが開発の目標とされている。

開発に先立ち市場調査を徹底して行ない、両側スライドドア、車高が高く室内が広い、馬力の余裕、くつろげる室内といった要望が最も強かったので、全高の高いハイトワゴン、両側スライドドアというパッケージに絞り込まれた。

クルマ造りにあたっては、カタログスペックや数値に捕われず、使い易さや細部にまで心配りした丁寧な作り込みを行なったという。

車種は、標準モデルとカスタムの2種類を設定し、コンパクトクラスながら大きく見える「リトル・ジャイアント」をデザインテーマにしている。標準モデルは躍動感を、カスタムは品格、艶やかさ、重厚感を表現した独自のフロントマスクを備えている。

インテリアは、左右に広がり感のある水平基調のインスツルメントパネルを採用。標準モデルは深みのあるオレンジ色をアクセントにした上品で落ち着きのあるインテリアとし、カスタムはブラック内装色にブルーとシルバーのアクセントを加え、先進性を強調するデザインとなっている。

■1.0L3気筒ターボエンジンを搭載
プラットフォームは、ムーヴから発展させたブーン/パッソ用を流用し、ハイトワゴン用に補強を行なっている。従って搭載エンジンもブーン/パッソ用の1.0L・3気筒の1KR-FE型を搭載しているが、軽自動車を上回ることはもちろん、ダウンサイザーも満足できるように新たにターボ付きの1KR-VET型を開発。1.5Lクラスのトルクを引き出し、爽快な加速が実現している。

ベースエンジンの1KR-FE型も、ローギヤ化するとともに、スロットル開度特性をチューニングし、高速道路への合流や坂道でもストレスのない加速特性としている。もちろんアイドリングストップも装備する。トランスミッションはCVTのみの設定。JC08モード燃費は、NAの2WDで24.6km/L、4WDで22.0km/L、ターボ・モデルで21.8km/Lだ。

またフロントがストラット式、リヤがトーションビーム式のサスペンションも、フラットで快適な乗り心地、高速走行やカーブでもふらつき感が少なく、安定した走りを目指して開発されている。ターボ・モデルはリヤにもスタビライザーを装備している。

室内の静粛性も重視され、ボディパネルの取り付けの改良や、吸遮音材を最適配置することで、高速走行時でも会話しやすい室内としている。

■パッケージングと使い勝手、装備
トールのボディサイズは、全長3700mm、全幅1670mm、全高1735mm、ホイールベース2490mmで、ホイールベースはブーン/パッソと共通だ。室内高は1355mmが確保され、リヤシートの乗員もゆったり座われ、5人分の荷物もしっかり積めるスペースが確保されている。また最小回転半径は4.6mで、取り回し性も軽自動車に近いレベルだ。

リヤシートは、フォールドダウンでき、その状態では全長1540mmの長尺物や自転車も積載できる。リヤエンドのラゲッジスペースはデッキボードを組合わせることで多彩な使い勝手を実現している。

市場での要望も大きい両側ワンタッチの電動スライドドアを採用。地上高366mmの低床フロアのため、老人や子供でも乗り降りが楽にできる。またアシストグリップは子供でも握りやすい工夫が加えられている。

インスツルメントパネルでは、Xグレード以上は4.2インチのマルチインフォメーションディスプレイを採用。車両インフォメーション以外に、カレンダー、時計、記念日などの表示を切り替えて使用できる。

メーカーオプションではパノラマモニターを新採用している。車両周囲を4個のカメラの合成画像で表示し、駐車時などの運転をアシストする。

全グレードに衝突回避支援システム、スマートアシストIIが設定され、さらにXグレード以上にはクルーズコントロールも装備される。さらにオートライトも全車に標準装備化されるなど、装備も充実している。

日本には軽自動車という存在がある影響で、Aセグメントのクルマは多くないが、このトールは軽自動車で磨いてきた技術を使用し、新しい商品価値を追求する本格的なAセグメントのハイトワゴンだ。


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