MotoGP2020年シーズンの開幕に向けたプレシーズンテストにおいて、レプソル・ホンダのマルク・マルケスは順調な滑り出し……とはいかなかった。
彼は昨年受けた右肩の手術の影響が、セパンテストでも依然として残るなど万全の体調とは言い難かった。しかしマルケスは自分の怪我よりも、新型マシンについてのほうが心配だとセパンテスト後に認めていた。
■カタールテスト3日目:ビニャーレスが首位でテスト終える。マルケス、前年型マシンを試す
2020年型のRC213Vはコーナー進入と旋回に問題を抱えており、LCRホンダのカル・クラッチローに至っては“アマチュアのように”乗らなくてはならなかったと語っていたほどだ。
そしてカタールテスト3日目に、マルケスは中上貴晶(LCRホンダ)のガレージから前年型のマシンを持ち出して使用。様々なパーツを試した後、マルケスはマシン開発を進める方向性を見い出したと考えている。
「テスト最終日だけど、2016年にも僕らは同じようなことをしていたと思う」と、マルケスは言う。
「でも僕らは道を見つけたんだ。マレーシアでは既にいくつか僕が気づいていない問題があった。普段ならセーブできる高速コーナーでの妙な転倒があって、苦戦した。そして昨日、また妙なクラッシュがあった」
「恐らく自分の身体の状態については常に考えていると思う。『いつもと同じように乗っている』と自分に言い聞かせているけど、他のホンダ勢、僕のチームメイトだけじゃなくカルも苦戦しているのを見た」
「ホンダ、そして僕のチーム全てのメカニックに感謝したい。彼らは素晴らしい仕事をしてくれた。僕のボックスの中で、彼らは全ての力を注いでくれた。そして僕らは解決の道を見つけたんだ」
「どこが問題なのかを理解するために、いくつか2019年のパーツをテストした。そして問題を発見したんだ」
「昨日はトップから離れていたし、バイクに乗るのを楽しめていなかった。でも今日は楽しめたし、(トップに)近づけた。それが単にこの1日だけじゃなくて、プレシーズンテストとして最も重要なことだ」
そう語るマルケスに、問題とされていたコーナリングは改善されたのかを訊くと、彼は次のように答えた。
「僕らフロントタイヤのフィーリングを失っていた。コーナー進入はあまり良くなくて、コーナリングのスピードも出なかった。それで(コーナー進入でスピードを失っていたから)コーナー出口のグリップを取り戻そうとして、そしてグリップを失っていた」
「でもコーナー進入が改善されて、コーナー中盤も良くなった。結果的にコーナー脱出も速くなったんだ」
テスト3日目、マルケスは旧型エアロカウルもテストしていた。加えて以前試したものの、あまり利点を見いだせなかったシャシーも再びテストした。
マルケスは、進むべき方向を見つけた今、開幕戦カタールGPの際に多くの作業に再び取り組むことになるだろうと語った。
「3日目には違うシャシーも試した」
「問題はプレシーズンに行なった全ての仕事が機能していなかったことだ。ある地点から始まって、多くのことを試す。そしてスタート地点と同じ場所で終わるんだ」
「だから問題を見つけた今、僕らはすべてのことをもう一度やり直す必要があるんだ」
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