2018年、2019年は大物ライダーの引退が続いた。18年末にはダニ・ペドロサが、そして19年末にはホルヘ・ロレンソといった近年のMotoGPにおける“主役の一画”を務めたライダーが立て続けに現役を退いたのだ。
引退後ペドロサはKTMのテストライダーに就任し、ロレンソも古巣のヤマハへ戻り、ペドロサと同じくテストライダーの任に就いた。
■MotoGPコラム:変わるロッシ、変わらない“情熱”。常夏のセパンで見える驚異の熱意
ロレンソはレプソル・ホンダで時代にマシンへの適応に大きく苦戦しそのまま引退することになったが、ヤマハではYZR-M1を走らせることを非常に楽しんでいる様子で、現役復帰の可能性は“わずかに”上がったと話している。
ペドロサもその能力に衰えは見られない。セパンテスト2日目には、トップタイムを記録したファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)から0.090秒差で3番手につけてみせた。
しかしペドロサは再びレースに出場することについては否定的だ。ヨハン・ザルコがKTMを離脱した後、代役としてレースへ出場するチャンスがあったものの、彼はそれを断っている。
ペドロサ、ロレンソは現役を引いたものの、彼らと幾度もバトルを繰り広げてきたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は今も現役だ。
そのロッシはセパンテストで彼らとコースを共にしたが、ふたりとも現役復帰できるように見えると語っている。
「トラック上でダニと会ったけど、彼は本当に速かったと思う。3番手タイムを記録しているんだ」
「ロレンソとペドロサが復帰しないのはなんでだろうね? ライディングへの情熱を取り戻したように見えるし、また彼らを見れるのは良いことだよね」
「ロレンソは難しいシーズンを過ごしてきたけど、ヤマハに乗ってすぐに元気を取り戻したように見える。ペドロサはチャンピオンシップのプレッシャーや責任が好きではないかもしれないけど、ライディングは好きだろう」
「それに彼らは僕よりも若い。だから戻ってくるかもしれないね」
セパンテストの最中、ロレンソがロッシにアドバイスするシーンも見られた。ロッシはロレンソの起用をヤマハに後押したと語っていたが、“アシスタントコーチ”ロレンソの存在が非常に重要だと話している。
「ロレンソはとてもフレンドリーで、落ち着いていた。引退すると性格も良くなるのかもね。僕もいつかそうなる日がくるといいね!」
なお2月22日からはカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットでテストが予定されているが、ロレンソはそれに帯同するのではなく、3月に日本でテストを行なうと見られている。
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