F1第19戦アメリカGPの決勝がテキサス州・オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われた。優勝したのはバルテリ・ボッタス(メルセデス)で、2位に入ったルイス・ハミルトン(メルセデス)が3年連続6度目のドライバーズチャンピオンに輝いた。
このレースで4ポイント以上獲得すれば自動的にタイトルが決まるハミルトンは、5番グリッド。一方で1レースも落とせないバルテリ・ボッタス(メルセデス)はポールポジションから優勝を目指す。
前日に行われた予選ではボッタス以下、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)までが約0.1秒差という大接戦だった。
スタートタイヤは、グリッド上位5台がミディアム、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)以下のQ3進出勢はソフトを選択。11番手以下はほとんどがミディアムをチョイスしたが、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、ダニール・クビアト(トロロッソ)がハード、キミ・ライコネン(アルファロメオ)がソフトでスタートすることを選んだ。
スタートではポールポジションのボッタスが危なげなく1コーナーを首位で通過した。2番手にフェルスタッペン、3番手にハミルトンとなった。ベッテルはペースが上がらず、6番手でオープニングラップを終えた。
アルボンはスタートで接触がありピットイン。ソフトタイヤからミディアムタイヤに交換してコースに戻った。
7番手まで後退していたベッテルだったが、8周目にスローダウン。右リヤサスペンションが壊れてしまい、ここでリタイアとなってしまった。
ヒュルケンベルグ、クビアトらのハードタイヤでのペースの速さを見て、後方のチームが動いた。9周目にランス・ストロール(レーシングポイント)、11周目にロバート・クビサ(ウイリアムズ)がピットインし、ハードタイヤに交換した。
13周目にはフェルスタッペンが先手を打つように、上位陣では最初にピットイン。こちらもハードタイヤにスイッチした。ボッタスもそれに反応するように翌周にピットインし、なんとかフェルスタッペンの前でコースに復帰した。
ボッタスはファステストラップを連発し、フェルスタッペンとのギャップを築いていく。レース序盤からペースの上がらないルクレールは、フレッシュタイヤを履くふたりにあっさりと交わされてしまった。
中団上位を争う戦いでは、ピエール・ガスリー(トロロッソ)を抜きあぐねていたカルロス・サインツJr.(マクラーレン)が真っ先にピットイン。1周早くフレッシュタイヤでマージンを稼いだことにより、ガスリーを逆転することに成功した。
上位陣で唯一ステイアウトして首位につけていたハミルトンだが、24周目にはボッタスに追いつかれてしまい、オーバーテイクを許したところでピットインした。タイヤはハードタイヤだ。
レースは折り返し地点となり、ボッタス、フェルスタッペン、ハミルトン、ルクレールという上位のオーダーは変わらず。中団は5番手以下ダニエル・リカルド(ルノー)、ランド・ノリス(マクラーレン)、サインツJr.、ガスリーと続いた。オープニングラップの接触で後退していたアルボンは2度目のタイヤ交換を終え、9番手まで浮上してきた。
ハードタイヤのペースに苦しんでいたフェルスタッペンは34周目にピットイン。ミディアムタイヤで残りの22周を走り抜くことを選択した。翌周にボッタスもピットインし、同じくミディアムタイヤに交換した。
アルボンは38周目にリカルドをオーバーテイク。これで中団勢を全て料理して5番手にポジションを戻してきた。
残り15周を切り、ソフトタイヤに交換して最後のスティントを戦うという作戦を採るチームが増え始めた。ルクレールもソフトタイヤに交換し、1分36秒169を記録してボッタスが更新したトラックレコードをさらに上回った。
レースは残り10周となったが、首位を走るハミルトンはステイアウトし、1ストップで走りきる作戦を選んだ。レース終盤は、勝ってタイトルを決めたいハミルトンと、意地でも勝利を掴み獲りたいボッタスのドッグファイトとなった。
残り6周、ハミルトンとボッタスとの差は1秒以内に。ボッタスはバックストレートエンドでオーバーテイクを仕掛けるが、ハミルトンも必死に防戦した。しかし次の周のバックストレートで、ついに首位は入れ替わることとなった。
ハードタイヤで30周以上走行していたガスリーは、終盤にセルジオ・ペレス(レーシングポイント)、ヒュルケンベルグに相次いで交わされ、9番手からポイント圏外に落ちてしまった。
ハミルトンを逆転したボッタスはそのままトップチェッカーを受け、今季4勝目を挙げた。そしてハミルトンが2位でフィニッシュし、3年連続6度目となるドライバーズタイトルを獲得した。これはミハエル・シューマッハーの7回に次ぐ歴代2位の記録で、ファン-マヌエル・ファンジオの5回を上回った。
フェルスタッペンは2番手を走るハミルトンに接近したが、ケビン・マグヌッセン(ハース)のマシンがバックストレートエンドでストップしてイエローフラッグが振られたこともあり、逆転はならず。3位に終わった。
ミディアムタイヤのペースに苦しんだルクレールは4位、一時は最後尾に落ちたアルボンは5位でフィニッシュした。中団勢最高位はリカルド、以下ノリス、サインツJr.、ヒュルケンベルグ、ペレスまでが入賞となった。クビアトは10番手でチェッカーを受けたが、ペレスとの接触により5秒のタイム加算ペナルティを受け、12位に後退。ポイント獲得を逃した。
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