ツインリンクもてぎで開催されたスーパーGT第8戦。#36 au TOM’S LC500との壮絶な2位争いを制した#6 WAKO’S 4CR LC500が、ドライバーズチャンピオンを獲得した。
悲願のGT500初タイトルを獲得した大嶋和也は、チャンピオン会見で安堵の表情を見せた。
■6号車WAKO'S、”執念”のオーバーテイクでGT500王者に輝く|スーパーGTもてぎ
「とにかくホッとしました。GT500に参戦して11年目のシーズンでやっとタイトルが獲れました。愛想尽かされてもしょうがないと思うシーズンもありましたが、チームが僕を信じて”エース”として走らせてくれて感謝しています」
一方の山下健太は、普段通りの飄々とした態度を崩さず、あまり緊張しなかったと話した。
「今年は天候がコロコロ変わったり難しいシーズンでしたが、勝負どころで正しい選択ができました。チーム全体の判断が完璧で、それが結果につながっていると思います。チームに感謝です」
「(週末に入る前は)もう少し緊張するかと思っていたんですけど、意外としなくて……でもレース前は流石に緊張していました。ただ後半スティントで自分が乗る時には追う立場になっていたので、やるしかないと思っていました」
2番グリッドからスタートした6号車は、大嶋がスタートを担当。しかし上手くタイヤを温めることができず、5番手までポジションを落としてしまった。
大嶋は3番手まで挽回し、19周終わりでピットイン。山下にバトンタッチした。この時点で、6号車とタイトルを争う#37 KeePer TOM'S LC500が先行。#36 au TOM’S LC500がトップに立ち、TOM’S勢がワンツー体制を築いていた。
その後、37号車がトップに躍り出ると、36号車の関口雄飛が6号車の前を塞ぐ形となった。37号車が優勝した場合、6号車は2位にならなければチャンピオン獲得を逃してしまう。苦しい展開だったと山下は振り返った。
「展開的には非常に厳しかったです。ただ、そうなることは予選結果からなんとなく予想していましたが、実際にその状況になってみると“やられたな”と思いました」
「36号車を抜かないとチャンピオンになれないことも、関口選手のブロックが上手くて強いことも分かっていました。少しでも気の迷いがあったら抜けないと考え、強い気持ちを持っていきました」
山下と関口の壮絶なバトルが繰り広げられたのは38周目のことだった。バックストレートで2台が横並びとなり、サイド・バイ・サイドのバトルが最終コーナーまで続いた。
両者一歩も引かなかった結果、2台ともに最終コーナーをインカットするようにコースオフ。山下が前に出る形となった。
「ちょうどヘアピンで関口選手の前にGT300のマシンが2台いて、それに詰まってしまったのを見ていました。この立ち上がり(が勝負)だなと思って組み立てて行きました」
「なんとか(90度コーナーの)イン側に入ったんですけど、ブレーキングでロックしてしまって、ギリギリコース上に留まった感じでした。その後、関口選手にクロスラインをかけられるような形になり、左コーナーに入って行きました」
「関口選手も絶対に引かないという感じが出ていて、ふたりが全開で並んで行きました。当たった時はすごい衝撃でした。僕はハンドルを左に切っていたんですけど、ぶつかった勢いでまっすぐ行ってしまいました」
引くつもりは全くなかったという山下。この件でペナルティが出るとも考えておらず、もし躊躇していればタイトルを逃していたはずだと語った。
「ちょっと強引だったと思いますし、最終コーナーを2台が回れないなんて中々ないことですけど、チャンピオンが懸かっているレースなので、引けないし引くつもりもありませんでした」
「僕の方が前に出ていたので、全然悪いとも思わなかったですし、ふたりでコース外に出て行ったので、順位を戻す必要もないかなと思っていました」
「あそこでいかなければ、抜けずに終わってチャンピオンが獲れなかったと思うので、ホッとしています」
今週末、山下は常々「気持ちで負けないようにしたい」と一貫して語っていたが、その想いが走りに現れ、自らの手でチャンピオンをたぐり寄せた瞬間だった。
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