MotoGP第16戦日本GP予選を終えて、MotoGPクラスはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)がポールポジションを獲得した。いつもどおり……とつい思ってしまいがちだが、意外なことにマルケスがMotoGPクラスに昇格して以来、ツインリンクもてぎのトップグリッドにつくのは、じつは今回が初めて。
ちなみに、マルケスが最高峰に昇格した2013年にもてぎでポールポジションを獲ったのはホルヘ・ロレンソ。2014年はアンドレア・ドヴィツィオーゾ。以後はホルヘ・ロレンソ、バレンティーノ・ロッシ、ヨハン・ザルコ、ドヴィツィオーゾ、という顔ぶれが歴代日本GPのポールポジションである。
■ヤマハ勢を警戒するマルケス、もてぎ初ポール獲得も目標は“表彰台”?
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2番グリッドはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)。予選でフロントロウを獲得するのは第4戦スペインGP以来だ。チームメイトのスーパールーキー、ファビオ・クアルタラロの華々しい活躍が目立つため、やや影に隠れてしまいがちだが、じつはモルビデリもなかなかのパフォーマンスで、シングルポジションでのフィニッシュはここまでの15戦中8戦、うち5戦でトップシックスのゴールを果たしている。
ここ数戦、ヤマハ陣営は総じて好調さを発揮しているが、その理由についてモルビデリは「ファビオの活躍で、自分たちもがんばれば好成績を収められるんだ、と刺激になっている」と話す。
ペトロナス・ヤマハSRTのチーム代表であるラズラン・ラザリも、モルビデリが今季ここまで収めた成績を高く評価しており、「安定してトップシックス圏内に入ることが、シーズン終盤の目標。来季はきっと、チャンピオン争いに加わってくれるでしょう」と大きな期待を抱いている。
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一方のクアルタラロは、動力性能に優れるホンダやドゥカティが有利と思われがちなレイアウトのもてぎで速さを発揮できていることについて「コースが好きだから」と、じつにあっさりした返事。
「確かにホンダとドゥカティのほうがちょっといいけど、『ヤマハはこのコースが得意じゃない』と思ったら、モチベーションが下がってしまう。表彰台争いもしているから、ヤマハはいいと思うよ」とのことである。
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このスーパールーキーの影に隠れがちになりながらも、実は見逃せない成長を着実に遂げているもうひとりの選手が、ジョアン・ミル(スズキ)だ。
初日の金曜は9番手タイムで、土曜の予選Q2にダイレクト進出を果たした。高水準の走りを実現できるようになってきた理由について、ミルは「経験と時間を重ねることで、速く走るために必要なことが少しずつわかってきた」と説明する。
「特に電子制御について理解が進んできたことが大きい。ライダーは皆それぞれ乗り方が違うので、特にエンジンブレーキは馴染むまで少し苦労をした」部分だという。
制御をあまり効かせないほうがスムーズに走れる、と述べた後に「だから、ぼくは減らす方向なんだ。〈ケーシー・ストーナー・スタイル〉だよ!」と冗談っぽく話す言葉は、Moto3時代に見せた高度な安定感とも相俟って、この選手の大きな器にさらに期待が高まろうというものである。
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今回がホームGPとなる日本人選手の中上貴晶(LCRホンダ)は、日曜の決勝レースを終えた翌週に肩の手術を行い、シーズン残り3戦を欠場する。その発表はファンを大いに驚かせたが、2020年の契約更新も同時に発表されているため、手術後は不安なく来シーズンの復帰に向けたリハビリに専念できる。
その来年に向けた中上のマシンスペックは、今季中頃にも大きな注目を集める話題のひとつだったが、現段階ではまだ最終的な決定に至っていないものの、おそらく2019年仕様で戦っていくことになりそうな趨勢がほぼ確実、だという。
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中小排気量クラスでは、Moto2の長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)が6列目16番手スタート。雨の土曜はやや苦戦を強いられた格好だが、金曜のドライセッションでは安定した速さを発揮した。
金曜午後のFP2では電気系の問題が発生し、トップスピードが伸びないトラブルも発生したが、すでに検証を済ませて解決済み。「FP1のペースを発揮できれば表彰台争いには加われると思う」と自らを鼓舞するように述べた。
Moto3の日本人最上位グリッドは、鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)のフロントロウ3番手。「今回のグリッドは、2列目までに良いレースペースの選手があまりいないので、クレバーに戦いを進めてレースをうまく引っ張っていき、ミザノ(第12戦サンマリノGP)のときのようにトップ集団を絞り込む展開に持ってきたいと考えています」と話す。
「全然得意じゃない」というツインリンクもてぎでこれだけのパフォーマンスを発揮してきたのだから、日曜の決勝レースでは、是非ともミザノ以上の走りを見せてもらいたいものだ。
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