2019年のF1日本GPも幕を下ろした。今季ここまで2勝を挙げ、母国レースでの優勝も期待されたホンダPU(パワーユニット)勢だったが、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)の4位が最上位。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は1周目にフェラーリのシャルル・ルクレールとクラッシュした影響でリタイアとなった。
ただ、台風接近の影響で日曜日の朝に行われた予選の時点で、レッドブル勢はフェラーリやメルセデスに遅れを取っていた。予選Q3ではアルボンとフェルスタッペンが1分27秒851の同タイム……しかし、ポールポジションのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)からは約0.8秒も離されてしまった。
「ホンダにとっては母国で残念なレースになりましたが、総じて言うと、持てる力を出せたレースだったかなと思います」
そう語るのは、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターである。
「表彰台を狙いに行きたいなと思っていました。しかし、現状での予選の戦闘力、決勝の戦闘力については、非常に残念に思うところです」
「フェラーリについては、夏休み明けに戦闘力を上げてきているように思えます。メルセデスについては速くて、レースの安定性やタイヤのデグラデーションなどを含めて、王者としての意地を見せているなと思います」
「それを埋めるためには、予選でのパフォーマンス向上と決勝でのパフォーマンス向上の両方ですね。パッケージとしてのパフォーマンスアップが重要です」
「オーストリアで良い結果を得た。そこでクルマも良くなったことで、トップに追いついてきたなと思っていました。もちろん、全ての条件がうまく合ったために優勝することができたということで、まだまだと思っていた部分もありました」
「後半戦になると、我々が追いついていないところに彼らがアップデートを投入し、もう一回差が開いてきたのかなと思います」
「今回のレースを見ても、差は大きかった。一発の速さも当然ですが、タイヤマネジメントも含め、安定したペースで走れるのが強いと思います。鈴鹿のような実力の出やすいサーキットで実力が出たなと……予選でも決勝でも、トップ2チームにはまだ追いつかなければいけない立場なんだと思っています」
「我々も表彰台を狙っていましたので、マックスのクラッシュも含め、非常に残念な想いです」
なお予選でもフェルスタッペンが、マシンの不具合を訴える場面があった。これについて田辺テクニカルディレクターは、次のように説明した。
「まず訴えたブーストボタンの問題は、PUの問題ではありません。シャシーの方の問題でした」
「その後パワーダウンも訴えてきたので、私もびっくりしたんですが、デプロイ(回生エネルギー)が切れてしまったので、セッティング変更を施して対応しました。そのため、Q3では問題ありませんでした」
しかしそのQ3では、フェルスタッペンのタイムは思うように伸びなかった。
「マックスは(Q3での)2回目の走行で、クルマのバランスがすごく変わったと言っていました。それで良いタイムを出せませんでした。当然、Q3では2回目のアタックでペースが上がってくるものですが、上げられなかった。急にバランスが狂ったので、なぜだか分からないと言っていました」
「トップ2と戦うためには、そういう部分も含め、パッケージとしての強さが必要だと思います」
今回のグランプリでは、エクソンモービルの新燃料を使用したホンダ。その効果について田辺TDは、次のように語った。
「テストで得られた結果と同じレベルの効果はありました。しかし相対的なパフォーマンスのレベルが十分かと言われると、そうじゃありません。もちろん、燃料だけのせいじゃありません。総合的にまだまだ足りませんね」
土曜日の走行セッションが全て中止となった今年のF1日本GP。交通機関にはまだ乱れが残っていたにも関わらず、8万9000人と前年比10%も多くの観客が鈴鹿サーキットに訪れた。
「金・土・日と、きちんと皆さんに見ていただきたかったのですが、台風には勝てません。でも、日曜日に予選と決勝をまとめて楽しんでいただけたのではないかと思います」
「多くの方から『頑張ってください』と声をかけていただきました。しかしその期待に応えられなかったのは、申し訳ないと思っています。でもこれが現状の我々の実力。来年はもっと強くなって、鈴鹿に帰ってきます。ですので来年もぜひ来ていただきたいですし、より多くの方に鈴鹿にお越しいただきたいなと思っています」
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