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「F1は考え直す時が来た」ヴルツ、ランオフエリアの”バランス”改善を提言

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「F1は考え直す時が来た」ヴルツ、ランオフエリアの”バランス”改善を提言

 GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)会長のアレクサンダー・ヴルツは、F1グランプリを開催するサーキットは、アスファルトのランオフエリアとグラベルトラップをもっと上手く組み合わせ、活用していく必要があると主張している。

 F1イタリアGPと併催されたFIA F3モンツァラウンドのレース1で、アレックス・プローニ(カンポス)が大クラッシュを喫した。最終コーナーのパラボリカでアウト側に膨らんだプローニが、背の高い”ソーセージ縁石”に乗り上げて宙を舞い、コックピット側からタイヤバリアに激突したのだ。

■F1レースディレクター、“ソーセージ縁石”を撤廃する計画は“まったくない”と主張

 プローニは椎骨に骨折を負ったものの、幸い命に別状はなく、故郷のタスマニアで療養することとなった。

 このソーセージ縁石は、ドライバーがアスファルトで舗装されたランオフエリアを走行することでアドバンテージを稼ぐことを抑止するためのものだ。

 元F1ドライバーで、F1における事実上の選手会組織であるGPDAの会長を務めるヴルツは、コーナー入口と出口でランオフエリアの種類を変えるなどの新しい方法を考えることで、ソーセージ縁石を抑止力として使うのを避けるべきだと主張している。

「僕はこれまで、多くのインタビューでアスファルト舗装のランオフエリアのファンではないと話してきた」と、彼はmotorsport.comに語った。

「アスファルトのランオフは、コーナーの特定の部分では非常に効率的であり、とても安全で素晴らしいと思う。だが、我々はそれを使いすぎている。コーナー出口にもアスファルトのランオフが配置されているが、そこはグラベルの方が良いと思う。一部のコーナーは、芝生にすべきだ」

「コーナーの入口は通常、何かが壊れた時に問題が起きる場所だ。スピードが速いので、アスファルトのランオフエリアは非常に良い」

「こういった状況では、グラベルだと危険なことが起きてしまう場合がある。メルボルン(2016年オーストラリアGP)では、フェルナンド・アロンソが横滑りしながらグラベルに入ったことがあった。マシンは宙を舞い、余計にコントロール不能になってしまっていた」

「だがコーナー出口では、一旦速度を下げた後にランオフエリアに向かっていく。アスファルトだと”やりすぎ”なケースが多い」

 ヴルツは、完璧な解決策を見つけることは簡単ではないと認めているが、それぞれのコーナーを詳細に調べ、全てのカテゴリーのレースで機能するランオフエリアを考える時が来たと考えている。

「サーキットの運営や日常のビジネスという観点で言えば、アスファルトのランオフエリアは素晴らしい。ポルシェクラブのアマチュアドライバーがスピンしても、砂利で車が傷つくことはない。誰かがそこから脱出するのを待つために、30分も赤旗を出す必要もない。だが、これはF1やサーキットの運営側が決定しなければいけないことだ」

「簡単な解決策はない。だが、誰もがそれを考えなければならないというメッセージを、ゆっくりとだが確実に受け入れつつある。解決策はあるはずなんだ」

「それぞれのコーナーごとにスタイルやラインが違うので、解決策はそれぞれ異なるんだ」

 ヴルツは、最も効果的な対策を見つけようとGPDAは積極的に取り組んでおり、ソーセージ縁石は大きな問題だと考えているという。

「間違った場所に配置されたソーセージ縁石によって、重大な事故が起こった別の例もある。数年前、スパのGP3(2014年、コンスタンティン・テレシェンコが最終シケインのイン側縁石に乗り上げ、宙を舞った)でも起きた」

「問題の縁石は対処され、もうマシンが空中に投げ出されることはないだろう。だが、モンツァの件はソーセージ縁石が良くない選択肢だという新たな例だ」

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