F1第14戦イタリアGPの決勝レースが行われた。レースを制したのはフェラーリのシャルル・ルクレール。フェラーリのドライバーがイタリアGPを制したのは2010年のフェルナンド・アロンソ以来となった。
フェラーリのお膝元であるモンツァ・サーキットで行われるイタリアGP。予選ではルクレールがポールポジションを獲得してティフォシは大興奮となったが、各車がスリップストリームを得ようとするばかりに、スロー走行が横行。多くのマシンが最終アタックを行えないという珍事もあった。
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2番グリッドにはルイス・ハミルトン、3番グリッドにはバルテリ・ボッタスとメルセデス勢が続き、4番グリッドにセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がつけた。3列目には健闘のルノー勢が入り、レッドブル・ホンダはアレクサンダー・アルボンが8番手、パワーユニット交換を行ったマックス・フェルスタッペンが19番手からのスタートとなった。
タイヤ選択は、グリッド上位10台が全てソフトタイヤを装着。11番手以下はほとんどのドライバーがミディアムタイヤスタートという布陣となった。
53周の決勝レースがスタート。ルクレールがトップのキープしたまま第1シケインに進入し、そこにハミルトン、ボッタスが続いた。ベッテルは第2シケインでニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)に交わされてしまったが、すぐさま逆転した。
フェルスタッペンはスタート直後のシケインでフロントウイングを壊したようで、緊急ピットイン。ノーズを換え、タイヤもソフトにスイッチした。チームメイトのアレクサンダー・アルボンはカルロス・サインツJr.(マクラーレン)と激しい8番手争いを展開していたが、レズモでサインツJr.に押し出される格好となり、コースオフ。11番手にまで順位を下げてしまった。
6周目、アスカリシケインでベッテルが単独スピン。ベッテルは強引にコースへと復帰しようとしたことで、ランス・ストロール(レーシングポイント)と接触し、スピンさせてしまった。さらにストロールも強引な復帰を試みたことでピエール・ガスリー(トロロッソ)をコース外に押し出してしまった。ベッテルはフロントウイング交換の為ピットインした。
これらのインシデントに対し、ベッテルには10秒のストップ&ゴーペナルティ、ストロールにはドライブスルーペナルティが科された。
トップ争いはルクレール、ハミルトン、ボッタスが等間隔で続く中、17周目にメルセデス陣営はハードタイヤを用意してピットボックスに。しかし実際にドライバーを呼び込むことはなく、程なくして撤収した。
19周目、ハミルトンが全ドライバー中初めてルーティンのストップに。ミディアムタイヤに交換してコースに戻った。ルクレールはそれに反応し、翌周にピットイン。こちらはハードタイヤに交換した。なおルクレールはFP2で、上位陣でただひとりハードタイヤを履いて周回を重ねていた。
ルクレールは首位をキープしてピットアウトしたが、ハミルトンが背後に迫る。23周目の第2シケインでハミルトンが仕掛けたが、ルクレールは彼を押し出す形となってしまい、警告を意味する黒白旗が掲示された。
サインツJr.の後ろ、7番手まで順位を回復していたアルボンは26周目、ボッタスは27周目にピットイン。両者ともにソフト→ミディアムにタイヤを替えた。
28周目、サインツJr.がピットイン。右フロントタイヤの交換に出間取りながらも半ば強引にピットアウトした結果、正しく装着されておらず、ピットロード出口でマシンを止めることとなってしまった。これによりバーチャルセーフティカーが発動となった。
レース再開直後、ダニール・クビアト(トロロッソ)がマシンから煙を吹きストップ。またもバーチャルセーフティカーが発動されることとなった。
33周目、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を抜きあぐねているベッテルに、ルクレールが接近。ベッテルはフェラーリの地元で屈辱の周回遅れとなってしまった。
首位をなんとか守っていたルクレールは、第1シケインを飛び出した後、ハミルトンの前でコースに復帰した。この一件はスチュワードによって記録されたが、審議の必要なしとされた。
そしてハミルトンも42周目に第1シケインへの飛び込みでタイヤをロックさせてしまい、コースオフ。代わってボッタスが2番手に立った。ハミルトンはタイヤは厳しいようで、前を行く2台から離されていった。
ボッタスは47周目にファステストラップを記録するなど、ルクレールに対しじわじわとプレッシャーをかけ始めるが、ルクレールも大きくタイムを落とすことなく、粘りの走りを見せた。一方ハミルトンは残り4周でピットに入り、ソフトタイヤに交換した。
ついにルクレールとボッタスの差は1秒以内にまで縮まり、ボッタスに大逆転のチャンスが巡ってきた。しかし、51周目の第1シケインで痛恨のミス。1秒近くをロスしてしまった。
ルクレールはメルセデス勢からの猛攻をかわし、トップでチェッカーフラッグを受けた。これで初優勝を挙げたベルギーGPに続く2戦連続ポール・トゥ・ウインとなり、フェラーリに2010年以来の母国GP優勝をもたらした。
2位はボッタス、3位はハミルトンとなった。メルセデス勢はルクレールに最後までプレッシャーをかけ続けたが、21歳の新星が一枚上手だったと言える。
ルノー勢はダニエル・リカルドが4位、ヒュルケンベルグが5位と、今季最高の成績を残した。一方レッドブル勢はふたりとも苦戦。アルボンはヒュルケンベルグを、フェルスタッペンはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)を抜きあぐね、それぞれ6位、8位に終わった。9位には母国GPのアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、10位にはランド・ノリス(マクラーレン)が入った。
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