来季のF1は、ベトナムGPとオランダGPが増えるなどしたため、全22戦で行われることが決まった。これは歴代最多の開催数である。
これに伴い、パワーユニットの使用制限数にも見直しが加えられることになった。現在はICE(内燃エンジン)、TC(ターボチャージャー)、MGU-Hが年間3基まで、MGU-K、CE(コントロール・エレクトロニクス)、ES(エナジーストア/バッテリー)が年間2基までと決められている。これを超える数のコンポーネントを使うことになれば、グリッド降格ペナルティが科されることになる。
■F1の2020年暫定カレンダー発表、史上最多22戦開催へ。日本GPは10月11日決勝
ただ、レース開催数が増えるということは、当然信頼性の問題が生じることになる。そのため、MGU-Kの年間使用制限数を1基引き上げ、年間3基とすることが決まった。CEとESは現状の数が維持される。
ベルギーGPの金曜日の朝の段階で、すでに6人のドライバーがMGU-Kの使用制限数を超えていた。つまり、現在2基までに使用が制限されているコンポーネントの中では最も信頼性が脆弱な存在であり、来季から制限を緩和するのは理に敵っていると考えられる。
「それは明らかに理に適ったことだ」
ルノーのマネージングディレクターであるシリル・アビテブールは、motorsport.comに対してそう語った。
「これは元々、2021年からの起用が検討されていたことだ。2020年のレギュレーションには含まれていなかったが、2021年から2020年に前倒しされた」
「常識的なことであったとしても、F1ではそれが常に適用されるわけではない。実際、それには少し苦労してきた。そしてブダペストの時に、その妥協点に達したのだ。主張を突き通すのは難しいということは理解していたが、最終的にはそれが起きたのだ」
またアビテブールは、MGU-Kを外して他のコンポーネントを変更するには多くの作業が必要となるため、効率的ではないと言う。そのため、全てのコンポーネントを一度に交換できる方がはるかに効率的であるということも、考える必要があると語った。信頼性の懸念が最も低いと言っても過言ではないメルセデスでさえ、MGU-Kの使用制限数が増えることは、ポジティブな一歩であると認めている。
「ガレージのメカニックにとっては、特に良いことだ」
そうアビテブールは語った。
「現時点では、ICEとMGU-Kの使用制限数には矛盾が生じている。ICEは年間3基、MGU-Kは年間2基だ」
「それは、メカニックに混乱をもたらす可能性がある。MGU-KはICEに取り付けられているため、両方のコンポーネントを同じ数使えるようにすることは、とても理に適っている」
「F1の一部の人たちは、そんなことは気にしない。しかし、我々は気にするんだ。正確に同じ数を手にするのは、とても重要だった。特にシーズンが長くなり、フライアウェイ戦が増え、連戦が増えるのだからね」
アビテブール曰く、ルノーはCEとESの制限基数も増やすことを望んでいたというが、これは実現しなかった。
「我々はそうなることを求めていたが、それが独立したコンポーネントであることを受け入れなければいけない。そのため、ロジスティクスと運用に関する根拠は、これには適用されない。だから我々にとっても、それほど重要ではなかったんだ」
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