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スポーツ 2019.6.18

JSB1000マシンフォーカス:エンジンパワーに加え、扱いやすさにも磨きをかけたカワサキNinja ZX-10RR

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 ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内4メーカーがしのぎを削り合っている全日本ロードレース選手権JSB1000クラス。そんなJSB1000の車両をピックアップし、ライダーや関係者にマシンの強みや魅力を聞いていく。今回は、カワサキのトップチームKawasaki Team GREENのNinja ZX-10RRにフォーカスする。

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    JSB1000マシンフォーカス:2年目で真価を見せるホンダワークスCBR。「戦闘力は間違いなく上がっている」

 全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの開幕戦もてぎから第3戦SUGOまで、Kawasaki Team Greenの渡辺一馬は全6レースすべてを5位で終えている。ホンダの高橋巧と水野涼、ヤマハの中須賀克行と野左根航汰にあと1歩及ばず、今のところ表彰台には立てていない状況だ。

 渡辺は2017年、ホンダからKawasaki Team Greenに移籍し、ZX-10RRを走らせてきた。2017年、2018年はランキング3位につけている。「ZX-10RRは、自分の乗り方に合っているんです」と笑顔を見せる渡辺。

「最初にZX-10RRに乗った時は、『トップエンドで良く伸びるパワフルなエンジンだな』と思いました。『これは確かに最高速が出そうだな』と」その特性は量産車でも同じで、「量産車に乗ってもカワサキ独特の伸び上がりは共通している」と渡辺は評する。

 ZX-10RRの開発者である下園隼人は、全日本ロードJSB1000のみならずスーパーバイク世界選手権(SBK)も担当している。

「パワーの追求はもちろんですが、それだけでは足りません。扱いやすさが重要なんです」と下園。

「SBKではジョナサン・レイ選手が2015~2018年と4連覇していますが、彼のスムーズな速さを支えているのはZX-10RRの扱いやすいトルク特性です。SBKで頂点を獲得するために得た知見は、2019年型ZX-10RRにも投入されており、全域でパワーアップを果たしながら、扱いやすさにもさらに磨きをかけました」

「この特性はもちろん、電子制御の考え方も含め、JSB1000マシンにも量産車にもフィードバックしています」

 ただし今年のSBKではドゥカティのニューマシン、パニガーレV4Rが旋風を巻き起こしている。レイは第5戦までに行われた13レースで2勝を挙げているものの、今までのようなアドバンテージはない。

 下園は「SBKではエンジンのレブリミットが量産車エンジンの最高出力発生回転数+アルファというかたちで決められる。量産車の時点で最高出力発生回転数を高く設定してきたパニガーレV4は、我々より1750rpm余分に回すことができ、その差は無視できない」と説明する。

 JSB1000ではレブリミットこそ設けられていないが、レギュレーションによりエンジンの改造範囲は厳しく制限されている。下園は「動弁系や慣性マスの低減など、レギュレーションで許されている限りのことをやって、パフォーマンスを高めている」と言う。

■渡辺「パワーを生かすため、マシンを使いこなさなければいけない」
 それでも渡辺が「ここのところライバルも軒並みエンジンが速くなってきたので、ウチがズバ抜けているとは言えないのが正直なところ」と語るように、エンジン優位とは言いがたい状況だ。しかし渡辺は「ライバルとの競り合いのなかで、自分のマシンが『速いな』と思える場面も少なくありません。高い次元にあることは間違いない」とも言う。

 エンジンパワーの有利さは今も十分に感じながらも、「そのパワーを生かすために、もっとマシンを使いこなさないといけません」と渡辺。「今のJSB1000は、高橋選手や中須賀選手を筆頭に、長年レースを続けてきた勝負強いライダーが揃っています。彼らに打ち克つためには、どんなコンディションにも左右されない、ストライクゾーンの広いマシンを作り込まなくては」

 渡辺は「課題はコーナリングにある」と言う。「ZX-10RRの車体は、フロントまわりからライダーに伝わってくるインフォメーションが非常に豊富なので、安心して攻められるという強みがあります。ただ、コーナリングを極めていくと、何かを得れば何かを失うのが常。今年はエンジンが新しくなりパワーアップした分、車体のセッティングや電子制御も変える必要があり、今はまだ車体との最適なバランスを見つけているところです」

「結局は、いかにタイヤを使い切れるかが勝負を分ける。気温が高い時、低い時、そして雨。どんな状況でどんなタイヤを選んでも、安定して同じフィーリングが得られるような車体を作り込んでいかなければいけません」

「新型ZX-10RRのトータルパフォーマンスが高いのは確か。SBKマシンはタイヤが違うから何とも言えませんが、参考になるデータも多い。それに僕もカワサキ3年目で、走りの引き出しが増えている」

 最後に、渡辺はこう締めくくった。

「マシンを煮詰め、自分の走りもそれに合わせることができれば、勝機はあると思っています。去年までに比べると、ライバルとの差は本当にわずかな
ところまで詰められている。あと1歩なんですよね」

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