2019年開幕戦カタールGPのMoto3クラス決勝レースで、鳥羽海渡(Honda Team Asia)が優勝を達成した。毎戦、大人数の激戦が最終ラップまで続くMoto3で、日本人選手が優勝するのはこれが初めて。最軽量クラスという意味では、2007年カタルーニャGPで優勝した小山知良以来の快挙だ。鳥羽自身にとっては、2017年のカタールGPでグランプリデビューを果たしてから37戦目に達成した頂点の座だ。
全18周の激しいバトルを終えてトップでチェッカーを受けた鳥羽は、軽くため息をつき、「……すごいレースでした」と笑顔で戦いを振り返った。
■最高の気分、言葉が見つからない! Moto3初優勝、鳥羽海渡が喜びを語る
「集中力を維持して、最後の最後まで1番2番という位置をキープし、レースのいい流れを作ることができました。3年かかって、やっとここまでくることができました。このレースが始まりなので、ここから先の18戦はこの場所をキープできるようにがんばります」
この鳥羽の初優勝に対し、同じクラスを戦う日本人選手たちはそれぞれにエールを贈った。
クラス最年長の21歳、鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、自分のレースを振り返る前に
「まずはとりあえず、鳥羽君にはおめでとう、ですね」と話の口火を切った。「日本人久々の優勝を取られてしまったのは残念といえば残念だけど、シーズンはまだ18戦あって長いから(ポイントの)巻き返しはききますよ」
他の日本人選手たちは、いずれも鳥羽とは同学年の18歳。
同じ九州出身で子供時代から互いに切磋琢磨し、アジアタレントカップ(ATC)でも共に戦ってきた仲の真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)は、
「正直、ホントにとても悔しいです」と素直な気持ちを述べた。
「同じ地元で小さいころから毎日のように戦ってきたライバルなので、めちゃくちゃ悔しい。でも、海渡が勝って日本人が通用するということを証明してくれたので、今回は海渡におめでとうと伝えたいですね。次は絶対に負けないし、次こそ自分が優勝したいと思います」
佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)は、鳥羽と同じ2017年に世界デビューを果たした。今回のレースは、オープニングラップで他車の転倒に巻き込まれて理不尽なリタイアを喫するという鳥羽とは対照的な結果で、ガレージのモニターが映し出すレース後の表彰式を悔しさの滲み出る表情で眺めていた姿が印象的だった。自らのレース結果に対するやり場のない気持ちを持て余しながらも
「今まで一緒に戦ってきた仲間だしライバルだし、海渡が勝ったから自分もできると思えるからそういう意味で刺激になった。これからシーズンはまだ18戦あるので、追いつけるように、集中してがんばっていきたいです」
と静かな口調で述べた。
今年から世界選手権にフル参戦デビューし、同じHonda Team Asiaで戦う小椋藍は、「海渡は速かったですね」とチームメイトの勝利を称えた。「海渡は苦しいシーズンが2年続いていたけど、自分は海渡は速いとずっと思っていました。チームメイトが速いのはいいことだし、今日は海渡が世界一なので、その身近にいるベストな人から学んで、早く逆転できるようにがんばります」
また、Honda Team Asiaの青山博一監督は、彼らをアジア・タレント・カップ時代から指導してきただけに、今回の鳥羽優勝の喜びはひとしおだと述べた。
「僕が監督になってから、海渡たちとはずっと一緒にトレーニングをしてきたので、この結果を得るまで彼がどれほど苦労をしてきたかということはとてもよくわかっています。周りのサポートがあって達成できたことだし、僕にとっては監督になって初めての優勝です。その意味で、海渡にも、それを支えてくれた多くの方々にも感謝をしています。自分の優勝よりもうれしいですね。我々の場合は特に、ATCからライダーを育てて優勝を達成したので、やっとここまで到達した、という思いです」
鳥羽自身に話を戻すと、破顔しながら優勝の喜びを述べた後に、こう付け加えた。
「でも、夢は優勝することじゃなくてチャンピオンなので、やっとそこに近づけた、という気持ちです。皆強いし速いので、これからはもっとハードにがんばらないとチャンピオンを獲れない。すごく集中できていた今回のウィークの走りをこれからも繰り返せるようにがんばります」
そう、チャンピオンを目指すならば、一回の優勝はあくまでも通過点のひとつにすぎない
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