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「新レギュレーションで失敗しないためにはAIの活用が不可欠」とF1技術ボス

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「新レギュレーションで失敗しないためにはAIの活用が不可欠」とF1技術ボス

 F1エンジニアのパット・シモンズは、F1が規則変更を検討する際に、誤った決断を下さないために、シミュレーション技術などを役立てて科学的な方法で事前に検証する必要があると考えている。

 かつてベネトン、ルノー、ウイリアムズの技術部門を率いたシモンズは、2017年からF1のモータースポーツ担当マネージングディレクターであるロス・ブラウンのもとで、F1の将来の方向性を検討し、2021年に導入する新規則を策定する作業に取り組んでいる。

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 F1はレース中のバトルを活発にし、オーバーテイクを増やすための対策を講じていく意向であり、そのための規則変更を決めるにはシミュレーションソフトや人工知能(AI)は非常に役立つとシモンズは語った。

「F1の状況は昔とは根本的に違う。何か変更を行う際には、証拠に基づいて行動する必要がある」とシモンズは言い、新規則を検討する際に最新のシミュレーション技術を活用する例として、スターティンググリッドの配置変更を挙げた。

「証拠に基づいて決断したいのだが、時にそれは非常に困難だ」

「たとえば60年代のグリッドレイアウトを見ると、何台かのマシンがまっすぐに並べられていた。しかしその後、現在のように8メートル間隔にジグザグに並べる形になった」

「今検討しているのは、マシンの間隔を近づけて、1列に2台をまっすぐ並べたらどうなるか、ということだ。1周目のバトルがより激しくなるのか、アクシデントが増えるだけなのかを見ている」

「そういう物理的な問題に関してシミュレーションを行えば、自明の答えが得られる」

「(グリッド上で)マシンをもっと近づけて、マシンが同じように加速すれば、1コーナーに同時に着く、というようなことを知りたいのではない」

「何が起きるかを知るため、人工知能として利用するためにシミュレーションを作った。『グリッドをこうすれば、事故が3パーセント増え、追い越しが5パーセント増え、サイド・バイ・サイドのバトルが20パーセント増える』というようなことが分かる」

■「2016年のように2戦で廃止される規則を二度と作りたくない」とシモンズ
 高度なシミュレーション技術を活用することで、誤った規則を導入するような事態を防ぐことができるともシモンズは言う。シモンズは2016年序盤に導入された予選方式が失敗に終わり、結局2戦で廃止になったことを例に挙げた。

 2016年の予選新方式は、細かく設定された時間で次々に下位のドライバーをノックアウトさせていくものだったが、開幕戦オーストラリアGPで、メルセデスが早々にフロントロウ独占を決めた後、Q3終盤数分には誰も走らない状態になり、批判が噴出。結局2戦で元のシステムに戻ることになった。

「思慮に欠ける行動を避け、合理的な決断を下しやすくなる。2016年の予選システムに関する茶番を誰もが覚えていると思う。シーズンが始まる数週間前になって予選システムを変えることが決まった」とシモンズ。

「チームですら『これはうまくいくはずがない、間違っている』と言っていたのに、変更が推し進められた」

「ああいう過ちを二度と冒さぬよう、科学的な方法を利用していきたい」

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