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ピエール・ガスリー、F1初年度は日本で学んだ「短時間での学習法」が活き「目標達成」

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ピエール・ガスリー、F1初年度は日本で学んだ「短時間での学習法」が活き「目標達成」

 2018年シーズンのF1にトロロッソ・ホンダF1から参戦したピエール・ガスリーは自身のF1デビューイヤーを「2017年のマクラーレンよりポイントを獲得できたから、うまくいったシーズンだと思う」と評価。また2017年に参戦した全日本スーパーフォーミュラ選手権での経験が役立ったことも明かした。

 F1フル参戦前の2016年にはGP2(現FIA F2)でシリーズチャンピオンを獲得したガスリーは、2017年の全日本スーパーフォーミュラ選手権にTEAM MUGENから参戦すると、7戦中2戦で優勝を遂げて最終戦までチャンピオン争いを展開。また、F1第15戦マレーシアGPでF1レースデビューも果たした。

ガスリー「フェルスタッペンのチームメイトになることを恐れてはいない」

 この戦績が評価され、2018年はトロロッソ・ホンダから初のF1フル参戦を果たしたガスリー。第2戦バーレーンGPで自己ベストとなる4位入賞を遂げたほか、計5回ポイント圏内でフィニッシュし、29ポイントを獲得している。

■ガスリー「アロンソがいたマクラーレン・ホンダよりもポイントを稼ぐことができた」
 自身にとってF1フル参戦初年度、またトロロッソにとってはホンダとタッグを組んだ初めてのシーズンとなった2018年を、ガスリーは「1年目としての目標は達成できたと思う」とふり返る。

「シーズン自体はポジティブな結果にならなかったけど、(2018年は)トロロッソとホンダが組んだ最初のシーズンだったから、関係を構築して互いに実力を発揮できるようになるまでに時間がかかった」

「そのなかではうまくいったシーズンだと思う。去年(2017年)のマクラーレン・ホンダ時代に獲得したポイントよりも、多くのポイントを獲得できたからね」(マクラーレン・ホンダは30ポイント、トロロッソ・ホンダは33ポイント)

「しかも、マクラーレンにはフェルナンド(アロンソ)がいる状況だった。ホンダは改良の手を緩めず、(シーズンをとおして)パフォーマンスが向上し続けていたよ」

「メルセデスやフェラーリと渡り合うには、まだまだ課題が残っているけど、シーズンをとおしてみせたパフォーマンスの向上度合いや開発の進み方は素晴らしいものだった」

 F1にフル参戦する前、スーパーフォーミュラではTEAM MUGENに、GP2ではプレマ・レーシングに所属していたガスリー。どちらもシリーズを戦うチームとしては体制の整ったチームだが、2017年のマレーシアGPで初めてトロロッソに加わったときは、「チームの巨大さ」に困惑したという。

「あのときはすべてが新しいものだった」とガスリー。

「初めて所属するチームだったし、スタッフもほとんど知らない人ばかり。チーム自体も巨大でトロロッソとしては500人くらいが在籍していたんじゃないかな。GP2やスーパーフォーミュラと比べれば、これは大きな差だよ」

「あの時と比べれば2018年シーズン後半は快適に走ることができていた。走り込めば走り込むほど、ドライビングやセットアップについても知ることができるからね」

「そうしていけば、フロントとリヤのどちらにグリップが欲しいのか、タイヤの使い方はどうすればいいのかといったことが分かる。こういったことも経験がすべてだから、毎レースごとにドライバーとして成長していけたと思っているし、ここ数年でもっと強くなれると思う」



■スーパーフォーミュラでの経験がF1で活きる。18年SF王者の山本には「お礼を言われた」
 ガスリーは2017年のスーパーフォーミュラでシーズン2勝を挙げる走りをみせたものの、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)には0.5ポイント届かずチャンピオン獲得はならなかったが、「しっかりとしたテスト期間を作ることができなかったから、本当に短時間でマシンに慣れなくてはいけなかった」と短い時間でマシンやコース特性を掴む経験はF1でも活きたという。

「(スーパーフォーミュラでは)冬季テストと開幕前のテストを合わせても、1日あたり4時間くらいしか走れなかった。本当にあっという間に開幕戦を迎えてしまうから、限られた時間のなかで学習して、パフォーマンスを引き出すのはチャレンジングだった。コースについても知らない場所ばかりだったしね。短時間で、どう学習していけばいいのかを学ぶことができた」

「それに個人的には、日本の文化を知ることができてよかったとも思っている。働き方やコミュニケーションの取り方などは特にね。あと、ホンダとの関係もスーパーフォーミュラのエンジニア陣からスタートして、現在のトロロッソでの関係にもつながっている」

「僕にとっては完璧なタイミングでの参戦になったし、いい経験になったから、スーパーフォーミュラへの参戦を勧めているんだ。マシンは速いし、参戦しているドライバーは経験豊富で手強い人ばかりだから。もしスーパーフォーミュラに参戦するべきか聞かれたら、ぜひそうするべきだと答えてきた」

 最後にスーパーフォーミュラ参戦時、チームメイトだった山本尚貴とシーズンを戦う上で走りの面など違ったポイントを聞くと「すごく難しい質問」としながらも、「マシンのセットアップについては、ドライビングスタイルが違うからまったく同じものを使うことはなかった。ただ今年は僕が集めたデータも活用したみたいで、この前(ナオキから)お礼を言われたよ(笑)」とコメント。ユーモアを交えて応じる姿にも、F1を戦って得たものが垣間見えた。

 ガスリーは2019年、チームをレッドブルF1に変え、マックス・フェルスタッペンとともにシーズンへ挑む。また新たなマシンでシーズンに挑むことになるが、ホンダとの関係は3年目を迎え、この点ではフェルスタッペンよりアドバンテージを得ている状況となる。スーパーフォーミュラで培った短時間でのマシン学習スキルを活用できれば、シーズン開幕から上位争いに食い込むこともできるだろう。


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