12月15日(土)にサウジアラビアで開催されるディルイーヤePrixから、新たなシーズンが幕を開けるフォーミュラE。マシンが一新されたことで、これまでとは違ったレースが見られそうだ。
シーズン1からシーズン4まで、レース中にマシンを乗り換えるという貴重なシーンが見られたフォーミュラEだが、シーズン5からはGen2と呼ばれる第2世代マシンが登場。バッテリー容量が大きくなったことで、マシンの乗り換えが不要となった。
■ニスモの空力エンジニアが新世代マシンを解説! 意外と知らないフォーミュラEの『基礎知識』
シリーズ独特の光景が見られなくなることに一抹の寂しさも感じるが、レース戦略という点では大きな影響が出てくるはずだ。
ミシュランがフォーミュラEに供給するタイヤは全天候型のタイヤであり、トラブルが発生した時以外レース中のタイヤ交換が禁止されている。つまりマシンを乗り換える必要がなくなったことで、ピットストップそのものがレースから消えることになるのだ。
一見、ドライバーひとりにつきマシンが2台から1台へと減り、ピットストップがなくなったことでレースはシンプルになったようにも思える。ファンにしてみれば、レース展開を追いやすくなるのは間違いないが、チームにとってはむしろ頭痛の種が増えることになりそうだ。
シーズン1からフォーミュラEに参戦し、シーズン5からはニッサンとタッグを組むe.ダムスのジャン-ポール・ドリオ代表は、レースはより複雑になり難しくなってくると語った。
「シーズン5に向けて、チーム間でかなり協議が行われた。チームによっては、ピットストップが欲しかったところもあるし、そうじゃないところもある」
「我々はレースが難しくなると思っている。マシン1台で走る距離が長くなるので、温度やエネルギー消費など管理しなければならないパラメーターが増え、それを管理する時間自体も長くなる。レース中にやらなければならないことが増えて、もっと複雑になってくるだろう」
「1台目のマシンで約25分走り、2台目のマシンに乗り換えていた時の方が楽だ。今は50~55分を1台のマシンで走らなければならない」
途中でマシンを乗り換えることで、状況をある意味リセットできたシーズン4までとは違い、レースの最後までマシンをコントロールしていく必要が出てきたわけだ。
さらにこれまでは80kmから90kmほどの距離で各決勝レースが行われてきたが、シーズン5からは45分プラス1周の時間制レースとなる。
主に市街地サーキットでレースが行われるフォーミュラEでは、クラッシュが起きた際にフルコースイエローやセーフティカーが出動する場面も多い。これまではそうした状況でもレース距離自体は変わらなかったが、時間制のレースではスロー走行する時間帯が長引けばレース距離も短くなってくる。
またシーズン5からはピットストップの代わりとして、シリーズ独特のアタックモードも導入される。一時的にマシンのパワーを引き上げることができるが、当然その分電力を消費するため、約50分のレースの間でいつこれを使うのか、他のドライバーはどうするのかも、チームは考慮しなければならないのだ。
そのため、チームやドライバーは臨機応変な対応を迫られるだろうと、ドリオは話した。
「レースの展開によって状況は異なってくるから、エンジニアリング面でもドライビング面でも対応する必要が出てくる。そこでチーム間で大きな差が生まれてくるのではないかと思っている」
「戦略がより複雑になってくる。今まではいろんなシナリオがあっても想定はできたが、これからは戦略の幅がより広まり、どういう状況になるのか想定も難しくなる」
「レースで使用できる電力消費量は決まっていて、それを超えると失格になってしまう。限られたエネルギー量でどう戦うか、戦略を決めなければいけない。どこでエネルギーを使い、どこで節約するのかを全部プランニングしなければならないので、頭痛の種になる」
シーズン5を迎え、大きく変化するフォーミュラE。これまでにない、新たなレースが展開されることになりそうだ。
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