2019年にF1のレースドライバーになるという山本尚貴の挑戦は、事実上の最後の1枠となっていたトロロッソ・ホンダのシートを、2018年のF2でジョージ・ラッセル(2019年はウイリアムズからデビュー)とランド・ノリス(2019年はマクラーレンからデビュー)に次ぐランキング3位となったアレクサンダー・アルボンが獲得したことで目標を達成できずに終わった。
しかし、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長は、「何らかの形で尚貴をF1に乗せたい」と、今後も山本尚貴の夢を実現できるようサポートすることを公言している。
F1 Topic:F1への夢を追い求める山本尚貴。ホンダ山本MS部長、まずはF1マシンでのテスト走行を検討
山本尚貴のF1挑戦については、ピエール・ガスリーもエールを送る。ガスリーは2017年のスーパーフォーミュラで、山本尚貴とレースを戦った経験がある。そのガスリーに筆者は、アブダビGPの予選後、「山本尚貴にはF1で走るポテンシャルはあると思うか?」と尋ねた。すると、ガスリーは「彼は明らかに、良いドライバーだと思う」と語り、さらにこう続けた。
「僕は昨年、彼のチームメイトで、彼の走りを間近で見てきたひとりだからね。今年はスーパーフォーミュラでチャンピオンになっただけでなく、ジェンソン(・バトン)と組んだスーパーGTでもチャンピオンに輝いた。彼は本当に速いよ。だから、彼が次の(F1ドライバーの)候補となったとしても、僕は驚かない」
一方でヨーロッパで育ったガスリーが昨年、日本でレースを行なったときに苦労したように、日本とヨーロッパの間には異なるレース文化があるとも指摘する。
「日本で長くレースをしてきた後で、ヨーロッパに来てレースするというのは、簡単なことではない。サーキットも結構、違うからね」
ただし、そういうハンディがあったとしても、それを乗り越えることは決して不可能ではないとも言う。
「最終的には能力だ。才能があれば、どんなことでも可能だ。彼が今後、どんな未来を切り開いていくか、僕は楽しみにしているよ」
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