女性ドライバーだけが参加するフォーミュラカーカテゴリー”Wシリーズ”をバックアップする元F1ドライバーのデイビッド・クルサードは、F1に女性ドライバーが進出できるようになるためには、モーターレーシングの構造に根本的な変化が必要だと考えている。
2019年に立ち上げられるWシリーズは、厳格なドライバー選考プロセスを通過した女性ドライバーにより争われる。F3スペックのマシンが使われ、総額150万ドル(約1億7000万円)の賞金が用意されるほか、優勝者にはステップアップのために50万ドル(約5600万円)の資金も与えられることになっている。
女性だけの新しいフォーミュラカーレース”Wシリーズ”、2019年始動へ
クルサードの他にも、元F1チームマネージャーであるデイブ・ライアンや、レッドブルのデザイナーであるエイドリアン・ニューエイといったメンバーも、このシリーズの立ち上げに関わっている。
過去、女性ドライバーがF1にエントリーしたのは、1958年モナコGPにエントリーしたマリア・テレーザ・デ・フィリップスが史上初。この年のベルギーGPで初めて予選を通過し、決勝を10位で完走した。
女性F1ドライバー2人目は、1974年にF1デビューしたレラ・ロンバルディ。1975年のスペインGPでは、事故により中断となったレースで6位入賞し、0.5ポイントを獲得している。2018年現在、彼女に次いでF1に参戦した女性ドライバーは出ておらず、ロンバルディが唯一F1でポイントを獲得した女性ドライバーとなっている。
クルサードはそういった状況を変えるためには、Wシリーズのようなこれまでとは異なるアプローチが必要なのだと指摘した。
「マクラーレンの元チーム代表であるマーティン・ウィットマーシュの言葉を借りれば、『結果を根本的に変える必要があるならば、そのプロセスにも根本的な変化が必要だ』ということだ」
クルサードは、motorsport.comの独占インタビューでそう答えた。
「Wシリーズは、女性が最高レベルのカテゴリーでも才能を発揮できるということを示す機会になる。これまでそういうチャンスはあまり機能していなかった」
「Wシリーズを確立することで、このチャンピオンシップを通してベストな女性ドライバーが誰なのかを知ることができる。これにより、その女性ドライバーの認知は高まることになる」
クルサードは女性限定のチャンピオンシップというアイデアが、万人に受け入れられるものではないことは認識している。一方でWシリーズが変化をもたらさない限り、挑戦しようとしている女性の状況はこれ以上改善されないのは明らかだと、彼は考えている。
「ネガティブな反応もあるが、他に誰かポジティブな変化を生み、チャンスを創り出そうとしている者がいるか? これはプロセスの変更であり、そのチャンスを創出しようとしているのだ」
「このWシリーズが、彼女らの成長を促すと確信している。それは彼女らの成長に対する、より構造的なアプローチであるからだ。それに、他の誰かが勝っている所を目の当たりにすることで生まれる”自分もそうしたい”というインスピレーションが、彼女らを成長させるのだ」
クルサードは若い女の子たちにもっとモータースポーツに興味を持ってもらうことがWシリーズの長期的な目標であると語ると同時に、Wシリーズが現在F1にステップアップしようという野望を持っているドライバーの助けになることも認めている。
「タチアナ(カルデロン/GP3参戦中)のように、今レースに取り組んでいるドライバーたちの助けになるだろう」
「私はこの会話を、スージー・ウルフとしている。彼女らはFIAから多大なサポートを得て、草の根活動をしてきた。しかしそれが実を結ぶのには何年かかる? 5年、それとも10年か?」
「それはレース界で言えば1世代分だ。我々は、1世代も待ちたくないという考えなのだ。我々は様々な世代の女性レーサーを歓迎している。Wシリーズはすぐに解決策を提供する。まさに正しいタイミングだ」
女性がF1で成功できると考えているかと質問すると、クルサードは「イエス。そのレベルが分からないだけだ。今の基準はルイス(ハミルトン)だ。彼女らはルイスと同じくらい素晴らしいドライバーなのか? それは分からない」と答えた。
「そんなドライバーは、男を含めても多くはないということは分かっている。だがそういったチャンスにアクセスする近道を用意しなければ、何も変わらないんだ」
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