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WEC富士プレビュー:量産車ベースの絶対に負けられない戦い。6社が覇を競うLM-GTE

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WEC富士プレビュー:量産車ベースの絶対に負けられない戦い。6社が覇を競うLM-GTE

“スーパーシーズン”第3戦までが終了した2018/19年のWEC世界耐久選手権。10月12~14日に行われる第4戦の舞台となるのは、霊峰富士の麓に位置する富士スピードウェイでの1戦、WEC富士6時間耐久レースだ。今回はLMP1クラスに代わり、世界各国の自動車メーカーが火花を散らすLM-GTEプロクラスにフォーカスする。

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WEC富士プレビュー:群雄割拠のLMP1ノンハイブリッド勢。シーズン後半はクラスの雄、トヨタに肉薄か

 WEC世界耐久選手権は、さまざまなカテゴリーのマシンが走行する混走レースが特徴であり、それが他にはない独特の面白さを生みだしている。全部で4つあるそれぞれのクラスで激しいバトルがあり、たとえ後方から速いマシンが迫っても、そう簡単にはラインを譲らない。なぜなら、各クラスでし烈な戦いが繰り広げられており、ほんの少しのタイムロスが勝敗に大きく影響するからだ。

 特に、市販車に近い外観のマシンによるLM-GTEクラスの戦いは、近年非常に激しく、観ていて気持ちが昂ぶる。もちろん絶対的なスピードはLMP1やLMP2に敵わないが、迫力のあるバトルにより遅さは微塵も感じない。

 また、コーナーによってはペースが上がらないLMP2を、LM-GTEが追い回したりインを刺そうとするようなシーンも見られるなど、とにかくLM-GTEの走りは熱い。WECでもっとも面白いクラスと言っても過言ではあるまい。

『ワークス戦争』もLM-GTEの見どころである。現在LM-GTEにはポルシェ、フォード、フェラーリ、アストンマーチン、BMW、シボレーといったマニュファクチャラーがマシンを提供している。そして、多くのマニュファクチャラーが直系チームを作り、完全ワークス体制で臨んでいるのだ。

 このクラスは量産車ベースのマシンによる戦いだけに、勝敗はある意味LMP1以上にブランドイメージへ大きな影響を及ぼす。それだけに各マニュファクチャラーとも極めて真剣であり、絶対に負けられない戦いであるが故にレースもヒートアップするのだ。

 ポルシェは一昨年まで、伝統の911でLM-GTEを戦っていたが、ライバルが次々と新しいマシンを送り込んだため、しばらく劣勢が続いていた。そこでポルシェは、911伝統のリヤエンジン方式を捨て去り、掟破りともいえるミッドシップ方式を採用した新型マシンを投入した。

 エンジンを前方に移すことでリヤエンドに空間が生まれ、そこに大型のディフュザーを装着できるようになった。ミッドシップ化の最大の目的は空力性能の向上であり、そのために911のウリであるリヤエンジンを捨て去ったことからも、ポルシェがLM-GTEをいかに重視しているかが分かるだろう。

 LM-GTE参戦車両は多種多様で、ベースとなる市販車の状態ではパフォーマンス差が少なくない。そこでWECを統括するFIAおよびACOは、性能調整策であるBoPを駆使し、各マシンのパフォーマンスができるだけ均衡化するように努めている。

 つまり、どんなに性能を高めたとしても、あまりにも速さが突出してしまうと、BoPによってパフォーマンスが抑えられてしまうのだ。それでも各マニュファクチャラー、そしてチームは少しでも戦いを有利に進めようと細部の開発の手を緩めない。勝負に対するこだわりが、彼らを駆り立てているのだ。



 今シーズンはアストンマーチンが新開発のバンテージAMRを投じ、BMWはM8 GTEを開発し新規参入を果たした。しかし、この2社は今シーズンやや苦しい戦いが続いている。また、これまで最強レベルにあったフェラーリ488 GTEも去年ほどの力を発揮できていない。

 一方ポルシェ911 RSRは絶好調で、フォードGTもかなり速い。ル・マン24時間でのポルシェ・ワークス2台の争いと、それを追うフォードGTの首位争いは最後まで続き、最高に見応えがあった。ドライバーも名手が揃っており、バトルのレベルは非常に高い。富士6時間レースでは、LM-GTEの戦いにも注目することを強くオススメする。

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