メルセデスは、自分たちの育成ドライバーをF1に昇格・残留させるために他チームのシートを”購入”するようなことは行わないと主張している。
フォースインディアに所属している、メルセデス育成ドライバーのエステバン・オコンは現在、F1残留の危機に立たされている。ランス・ストロール(現ウイリアムズ)の父親がレーシングポイント・フォースインディアに出資している関係で、ストロールのチーム加入が確実視されており、代わってチームを追われるのは、セルジオ・ペレスではなくオコンだと見られているのだ。
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オコンはルノーやマクラーレンへの移籍も検討していたが、すでにどちらもドライバーラインアップを確定させており、F1残留の道が閉ざされつつあるのだ。
オコンと同じくメルセデス育成ドライバーであるジョージ・ラッセルは、現在FIA F2選手権のランキングトップとなっており、スーパーライセンス取得もほぼ確実な状況だが、メルセデスが彼のために用意できるシートはない。
対してレッドブルは、育成ドライバーのために姉妹チームであるトロロッソに投資をしている。フェラーリもザウバーと緊密な関係を築き、今季シャルル・ルクレールをF1にデビューさせている。
メルセデスはフォースインディアやウイリアムズにパワーユニットを供給しているが、彼らとは基本的なカスタマー契約しか結んでいない。フォースインディアやウイリアムズは、ドライバーやスポンサーの資金によって運営されているのだ。
メルセデスチーム代表のトト・ウルフは、各チームが3台目のマシンをエントリーすることを可能にしてはどうかと提案しているが、その実現は遠そうだ。
若手ドライバーのために他チームのシートを用意すべく、メルセデスが投資をしないのはなぜかという質問に対し、ウルフは次のように説明している。
「若手ドライバーは非常にエキサイティングだ。新しい才能が現れ、F1まで這い上がり、素晴らしいストーリーを作る。我々はみんなそれを好ましく思っている。我々は次世代のスーパースターを見つけようと熱心に活動している」
「しかしメルセデスとして核となる目標はレーシングチームを運営し、レースに優勝しチャンピオンを勝ち獲れるような、可能な限り最高のドライバーをマシンに乗せることだ」
「レッドブルにとってのトロロッソのようなパートナーチームがあったり、フェラーリとザウバー、ハースのような契約関係を持っていなかったりすれば、若手ドライバーに適したシートを見つけるのは非常に困難だ」
「我々のリソースのうち、99%がチーム運営に注がれている。若手ドライバーについては感情的な側面だけでなく、金銭的な面でも合理的である必要がある」
「我々は2年間、パスカル(ウェーレイン)をサポートした。エステバンについても2年間サポートしたし、ジョージについては今のポジションに到達するまでサポートしてきた」
「しかしある時点でビジネスケースとして筋が通らなくなるのなら、それは我々のためにならない」
ウルフは、若手ドライバーのシートのために出資をすれば歯止めが効かなくなり、危険になるだろうと付け加えた。
ウルフが名前を挙げた3人のドライバーは、メルセデスとの関係から大きな恩恵を受けたが、同時にその関係による制約にも直面している。
マノーから2016年にF1デビューしたウェーレインは、2017年にザウバーに移籍。チームメイトのマーカス・エリクソンより良い成績を残したが、ザウバーがフェラーリとの距離を縮めたためにルクレールにシートを奪われた。
オコンは自身のフォースインディアでの将来が危ぶまれるようになり、移籍先を探し始めたものの、メルセデスとの関係がネックになって契約締結に至らなかった。ラッセルについても、同じことが言える。
ウルフは、オコンを手放すつもりは”今後100万年”ないとコメントしてはいるものの、育成プログラムについては終了する可能性もあると認めた。
「我々は、ジュニアチームがなければ彼ら(育成ドライバー)のシートを用意できない可能性があるという結論に達した。ドライバー育成プログラムの縮小や誰かを放出、または戦略を変えることを考える必要がある」
「我々は分岐点にいる。ジョージとエステバンがどういった展開を迎えるかをみて、我々はどうしていくかを決断する」
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