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LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2018スーパーGT第6戦SUGO 決勝レポート

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LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2018スーパーGT第6戦SUGO 決勝レポート

2018 AUTOBACS SUPER GT Report

SUGO GT 300km RACE
第6戦 スポーツランドSUGO

レクサス陣営、まさかの同士討ち2回/計4台。大きく広がってしまったホンダNSXとのパフォーマンス差《GT500決勝あと読み》

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明

◆9月16日(日) RACE
決勝結果 5位

 好調のZENT CERUMO LC500ながら、わずかに不満の残る7番手という結果となった公式予選から一夜明け、SUPER GT第6戦スポーツランドSUGOは決勝日となる9月16日(日)を迎えた。事前の天気予報では雨も予想されていたが、この日のサーキットは晴天で、陽気に誘われ朝から28,500人という大観衆が訪れた。

 LEXUS TEAM ZENT CERUMOはこの日もピットウォーク等のイベントをこなし、午後0時25分から行われたウォームアップ走行でZENT CERUMO LC500のフィーリングを確認した。スタートドライバーを務める立川祐路のフィーリングは良好で、追い上げも期待できる印象だ。

 迎えた午後2時の決勝。スタートではグリッドどおりの7番手につけた立川は、そこから追い上げをスタートさせる。まず4番手スタートから少しずつポジションを落としていた#17 NSX−GTが、5周目のSPコーナーでコースアウトすると、立川はまずはこれを冷静にかわし6番手へ。そこから前を行く#19 LC500を追っていく。

 序盤からGT500クラスは接戦で、前の#19 LC500も今回は好調だ。しかもウエイトハンデが60kgに達していたZENT CERUMO LC500は燃料流量リストリクターが装着されており、ストレートスピードがわずかに伸びない。立川はようやく20周目にポジションを上げ5番手につけると、今度はさらに4番手を走る#16 NSX−GTに照準を定め、しばらく接近戦を展開した後、31周目にこれをかわす。立川はついに4番手までポジションを上げた。

 ライバルたちは34周を過ぎるあたりからピットインしはじめるが、立川のフィーリングは好調のまま。タイヤもまだライフがありそうで、戦略に幅がとれそうな気配があった。ただ、立川の前に先にピットインを済ませた#16 NSX−GTがコースインしてしまう。まだタイヤが温まっていないだけにペースを上げられず、かといって立川が安易に抜くこともできない。これでは前に付き合って大幅にタイムロスしてしまう……と判断したチームは、至急立川をピットに呼び戻すことに決めた。

 立川は35周を終えてピットインし、石浦宏明に交代する。ここでチームクルーが抜群の作業をみせ、#16 NSX−GTの前でZENT CERUMO LC500をコースに戻すことに成功した。今季、レクサス勢のなかでも抜群のピット作業時間を誇るLEXUS TEAM ZENT CERUMOの実力をみせつけた。


 レース前半に続きZENT CERUMO LC500のいいフィーリングを感じ取った石浦は、視界の奥に3番手を走る#8 NSX−GTをとらえる。これを抜くことができれば表彰台圏内だ。ただ、45周目の最終コーナーで2番手を走っていた#12 GT−Rがコースアウト。ラジエターにコースサイドの草が詰まり、ペースが下がっていた。これで#8 NSX−GTが2番手に、#12 GT−Rが3番手というオーダーに変化し、石浦のターゲットは#12 GT−Rに変わった。

 水温の上昇によって#12 GT−Rのペースが下がっており、石浦は急速に背後に迫った。60周が近づく頃になると、石浦はすぐにでも抜けそうな位置までつけていく。今後のシリーズを考えても、LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって是が非でも欲しい表彰台圏内は目の前だ。

 しかし#12 GT−Rは、ドライバーの対応で水温上昇が解消。ふたたびペースを取り戻す。さらに燃料流量リストリクターが制限されていないため、ストレートは速い。さらにGT300クラス車両とのめぐり合わせも悪く、なかなかオーバーテイクに至ることができなかった。

 とはいえ終盤に向けZENT CERUMO LC500のペースも良く、チャンスはまだまだありそう……と思っていたタイミングで、GT300クラスの#31 プリウスGTがSPイン側コーナーで接触されクラッシュを喫してしまう。危険な箇所でもあり、レースはセーフティカー導入となってしまった。

 これで上位の間隔は一気に縮まることになるが、76周目にリスタートが切られると、石浦の努力でギャップを広げていた#16 NSX−GTがふたたび背後から接近する。リスタート周のアタックこそ、#16 NSX−GTがアウトにはらんだことからポジションを守ったが、77周目のストレートでふたたび#16 NSX−GTにインを突かれると、石浦は為すすべなく5番手にドロップしてしまった。#16 NSX−GTもハンデがない車両の一台。セーフティカーが入ってしまうと、燃料流量リストリクターが制限されているZENT CERUMO LC500にとっては苦しくなってしまうのだ。

 石浦はコーナリングの利を活かしふたたび#16 NSX−GTを追ったが、そのまま5位でチェッカーを受けた。予選順位からはポジションを上げたが、表彰台に迫りつつあっただけに少々悔しさが残る。ただ、チーム全員が力を出し切ってのレクサス勢最上位でもある。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは今回得た手ごたえを、残り2戦に向け全力でぶつけていく。

ドライバー/立川祐路
「序盤からクルマのフィーリングも良く、順調にレースを進められましたが、前を走っていたライバルたちが燃料流量リストリクターのハンデがない状態で軽くパワーがあり、僕たちよりもストレートが速かったので、オーバーテイクは少し苦労してしまいました。ただ、自分にできることはできたと思っています。クルマもタイヤもフィーリングが良かったので、石浦選手に交代して追い上げてくれると思っていましたが、僕たちにとってはセーフティカーのタイミングが悪い方向にいってしまいましたね。こればかりは仕方ないです。次戦オートポリスはハンデも半分になりますし、フィーリングもここ数戦ずっといい。その間に公式テストもあるので、もっとクルマを仕上げていきたいです。残り2戦とも勝つつもりでいますし、このままではシーズンは終わらせられません」

ドライバー/石浦宏明
「立川選手のスティントはタイヤの状態も良かったので、もう少しピットインを引っ張るつもりでしたが、ピットインした#16 NSX−GTに抑えられるかたちになったため、早めに入ろうと提案しました。アウトラップは頑張ってクリアな状態を作ることができ、前を行く3番手を追っていきましたが、そこからはラップダウンのめぐり合わせも良くなかったので、追いついたもののなかなか前を抜けませんでした。今回は決勝向けのセットアップのフィーリングが良かったので、あのままいけば抜けると思いましたが、セーフティカーでリセットされてしまったのが残念です。今回はファステストラップも記録できましたし、タイヤも素晴らしかったです。僕たちができるレースはできたのかなと思っています。とは言え同様のハンデのライバルが勝利しているので、レクサス勢全体で頑張っていかないといけないと思います」

浜島裕英監督
「レース序盤から立川選手が素晴らしい走りをみせてくれましたし、ピット作業もメカニックが素晴らしい仕事をしてくれて、ミスなく石浦選手を送り出すことができました。さらにファステストラップも記録しましたし、自分たちとしてはいいレースができたと思いますが、セーフティカーのタイミングに泣かされる結果になってしまいましたね。クルマは大幅に良くなっているので、次戦オートポリス、そして最終戦のツインリンクもてぎで頑張っていきたいと思います。なんとか結果というかたちで、残り2戦でチームの頑張りを花咲かせたいと思います」

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