イタリアGPを優勝で終えたメルセデスは、なぜフェラーリは予選で発揮していたストレートスピードを決勝レースでも発揮することができなかったのか、まだわかっていないという。しかしチーム代表のトト・ウルフは、フェラーリは予選で使用したエンジンモードをレース中に使用できなかったのではないかと示唆した。
フェラーリは、現時点ではわずかにパワーのアドバンテージを持っている。コーナーの出口でより加速できるように、エネルギーのデプロイメント特性によって、そのパフォーマンスは後押しされている。
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今年の初め、メルセデスはフェラーリのダブルバッテリーシステムに疑問を抱いていたが、これについてはFIAがフェラーリはルールに違反していないと明らかにしている。
しかし先週末のイタリアGPでは形勢が逆転し、メルセデスの勝利に終わった。メルセデスは、なぜフェラーリに負けた予選を終えてからわずか1日で、突然彼らと争うことができたのかを理解することが課題だと考えている。
決勝レースではフェラーリとメルセデスのスピード差はなかったが、その理由を掴んでいるのかと尋ねると、ウルフはこう答えた。
「それはわかっていない。昨日から今日にかけて完全にパフォーマンスが変わっていたが、私はまだそれを説明できない」
「ショブ(アンドリュー・ショブリン/チーフレースエンジニア)と一緒に仕事をしている賢いスタッフたちには、いずれその理由がわかるだろう。我々はそれを分析しなければならない」
しかしウルフは、フェラーリが予選で使っていたエンジンモードをレースでは使えなかったことが理由ではないかと示唆した。
「彼らは、1周(予選のアタック)でデプロイできるパフォーマンスをレースを通して発揮できなかったようだ」
「他の見方をすれば、私が言い訳を探しているのだと解釈される可能性もあるので、深入りしたくない。彼らは(土曜日には)非常に優れたマシンを持っていたのに、(日曜日には)ただの良いマシンのようだった。だが我々はダメージを負っていないマシンに乗ったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のパフォーマンスを見ていない」
メルセデスはフェラーリと戦うことができた理由について、ストレートラインスピードの変化だけでなく、ベルギーでフェラーリに負けた後で、彼らと戦うために改善を行ったこともひとつの要因だと考えている。
「スパからモンツァまでの間に、エンジン担当のスタッフやシャシー担当のスタッフ、チーム全体が行った作業を誇りに思う」とウルフは語った。
「我々のマシンやタイヤに対する理解が良くなり、いくらかパフォーマンスも向上した。予選ではポールポジションを獲ることができなかったので、それを土曜日に示すことはできなかったが、この数日間で素晴らしい仕事をこなしたと感じられた」
「たとえ彼(ルイス・ハミルトン)がレースで優勝できなかったとしても、私はこのように話していただろう」